研究課題/領域番号 |
23K21696
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補助金の研究課題番号 |
21H03498 (2021-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2021-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分61030:知能情報学関連
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研究機関 | 名古屋工業大学 |
研究代表者 |
烏山 昌幸 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (40628640)
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研究分担者 |
田村 友幸 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (90415711)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
17,420千円 (直接経費: 13,400千円、間接経費: 4,020千円)
2024年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2023年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 4,940千円 (直接経費: 3,800千円、間接経費: 1,140千円)
2021年度: 5,330千円 (直接経費: 4,100千円、間接経費: 1,230千円)
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キーワード | 機械学習 / ベイズ最適化 / 材料情報学 / マルチフィデリティ最適化 / 制約付き最適化 / BiLevel最適化 / マルチタスク最適化 / 多目的最適化 |
研究開始時の研究の概要 |
ブラックボックス最適化問題に対する代表的な手法にベイズ最適化があり、確率モデルで未知関数を推定しながら探索を行う。ただし、実践的な状況では単純な単一関数の最適化ではなく、より複雑な状況に対し効率の良い探索アルゴリズムが求められる。本研究では特に重要な課題として、信頼性の異なる情報源にアクセスできるマルチフィデリティ最適化、異なる目的関数を同時最適化する多目的最適化、複数の探索問題間で情報を共有する複数タスク最適化に着目し情報理論による統一的な枠組みを構築する。また、提案した方法論の材料科学データへの適用を行い、実践的な有用性を実証する。
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研究実績の概要 |
情報論的なマルチフィデリティベイズ最適化について,多次元のエントロピーに基づく拡張を実施し,論文誌NECOで発表した.これは高い信頼性の観測を得る際に,副産物として低い信頼性の情報も得られる場合や,同期的な設定での並列最適化などを含むものである.また,多段階のプロセスを含む実験状況下でのベイズ最適化を扱う方法についても論文誌NECOに発表している.国際学会ICML2023において,ベイズ最適化の代表的アプローチであるガウス過程UCBに関する理論解析及び,比較情報からのベイズ最適化に関する発表を行った.ベイズ最適化とユーザーの好みを反映するHuman-in-the loopを組み合わせる設定についても検討を行った.人の好みの問い合わせを情報論的に利得を評価し,選択的に行うことで効率的な最適化が可能になることを確認した.また,材料科学の雑誌媒体において,ガウス過程モデル及びベイズ最適化の材料科学応用について発表を行っている.さらに,新たに情報論的なアプローチが利点を持ち得る設定としてBiLevel最適化に関する検討を行った.この問題は目的関数の定義に別の最適化問題が含まれるような問題設定であり,本質的に難しい設定であるが,情報論的な利得を定義することで獲得関数が定義でき単純なベースラインを上回る効率が達成されることを確認した.このアプローチは前年度に提案した,制約付き問題に対する情報量の下限に基づく方法を土台にして構築している.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
マルチフィデリティベイズ最適化については情報論的アプローチで多様な問題設定に対応できることを示すことができた.また,昨年度新たに提案した情報論の下限に基づくアプローチが,BiLevel問題に適用可能であることがわかりこれも提案するフレームワークの汎用性をさらに広げることになる.一方で,複数の設定を同時に含むもの(マルチフィデリティかつ多目的など)については,計算量的な難しさを克服する必要があり,現時点では具体的に新しいアプローチを定式化するには至っておらず,今後の課題となる.材料科学へのベイズ最適化応用についてはいくつかの事例で実施することができた.
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今後の研究の推進方策 |
提案法をより汎用的な枠組みとするため,計算量の改善を考え複数の問題設定を含む一般的状況への対応が柔軟にできるよう検討する.具体的には,情報量の評価に必要なサンプリング計算の近似などが考えられる.また,そのような戦略をとった場合の精度解析も課題となるが,制約付き問題における情報論的方法の構築の際に行った推定量のばらつきの評価などをベースに検討していく.また,新たに提案したBiLevel問題への情報論的アプローチなどの材料応用も目指していく.特に,結晶材料のシミュレーションベース最適化において,エネルギーの最小化及び物性の最適化を考えるとBiLevel最適化として解釈できることがわかっており,実際のシミュレーションデータを使って精度の評価を行う.
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