研究課題/領域番号 |
23K21705
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補助金の研究課題番号 |
21H03513 (2021-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2021-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分61040:ソフトコンピューティング関連
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研究機関 | 大阪公立大学 (2022-2024) 大阪府立大学 (2021) |
研究代表者 |
小西 啓治 大阪公立大学, 大学院工学研究科, 教授 (90259911)
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研究分担者 |
大谷 真弘 奈良工業高等専門学校, 電気工学科, 准教授 (10353301)
原 尚之 大阪公立大学, 大学院工学研究科, 准教授 (10508386)
吉田 晃基 富山高等専門学校, その他部局等, 助教 (30910442)
杉谷 栄規 大阪公立大学, 大学院工学研究科, 准教授 (40780474)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
17,160千円 (直接経費: 13,200千円、間接経費: 3,960千円)
2024年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2023年度: 4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2022年度: 4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
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キーワード | 遅延時間 / ダイナミクス / 複雑系 / 制御工学 / ネットワーク |
研究開始時の研究の概要 |
工学分野において,「遅延」は不安定化を誘発する「ネガティブな要因」として扱われてきた.しかし,複雑系科学分野では,サブシステムに安定化を誘発する「ポジティブな要因」として「遅延」が活用されている.一方,今まで注目されていなかったが,遅延は,サブシステムの振舞を多様にする.本研究では,遅延が持つ「安定化」「多様化」の機能を数理的視点で調査する基礎研究と,それらを実社会へ活用することを目指した応用研究を,バランスよく効率的に推進する.
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研究実績の概要 |
本研究の目的は,ネットワーク内の相互作用に存在する「遅延」が,ネットワーク全体のダイナミクスに与える影響を調査することである.具体的には,遅延がダイナミクスを安定化・多様化する可能性に焦点を絞り,その可能性の数理的な探求のみならず,この可能性を最大限活かす応用にも取り組む.2023年度の具体的な成果は以下の通りである. 【1.遅延結合発振器ネットワーク】固有周期が同一の発振器を,遅延が伴う相互作用で結合すると,結合された全ての発振器の振動は停止することがある.これを「振動停止現象」と呼ぶ.この振動停止現象について,次のような成果を得た.固有周期が異なる2層の発振器ネットワークに,振動停止を発生させるための条件と結合パラメータの設計手法を明示した. また,発振器ネットワークの構造をゆっくりと切り替えることで振動が止まる「振動抑制現象」について,発振器数を4の倍数個とすると,結合パラメータとネットワーク構造が設計できることを示し,その設計が正しいこと実験的に検証した. 【2.直流給電ネットワーク】 次世代の給電方式である直流給電システムには,コンバータを介した負荷が要因となり,電圧が不安定化する弱点がある.異なるパラメータを持つ複数の直流給電システムがネットワーク化され,そのネットワークに1つの遅延フィードバック制御器を付加した場合,その振る舞いが簡単な等価システムで表現できることを示した.この等価システムにより,上記のような大規模なシステムの振る舞いが簡単に解析できるようになった.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度も,大学内の公務や管理運営業務により,研究に充てる時間は限られた.そのため,研究の実質的な進展は芳しくないが,論文の投稿・採録については,ある程度の結果が出せたため「おおむね順調に進展した」と判断した.準備中・執筆中の論文も複数あり,次年度は,成果発表を加速させたい.
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今後の研究の推進方策 |
本年度は,研究に充てる時間を確保することが難しかった.次年度は,大学内の公務・管理運営業務から解放されるため,研究に費やす時間が確保できる見込みである.また,次年は最終年度となるため,今までの成果を整理・発表することに注力したい.さらに,本テーマが広く展開できるよう,視野を広げて検討を進めていきたい.
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