研究課題/領域番号 |
23K21713
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補助金の研究課題番号 |
21H03532 (2021-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2021-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分61060:感性情報学関連
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研究機関 | 第一工科大学 (2023-2024) 国立研究開発法人産業技術総合研究所 (2021-2022) |
研究代表者 |
高島 一郎 第一工科大学, 工学部, 教授 (90357351)
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研究分担者 |
冨永 貴志 徳島文理大学, 神経科学研究所, 教授 (20344046)
渡辺 由美子 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 情報・人間工学領域, 主任研究員 (20425739)
梶原 利一 明治大学, 理工学部, 専任准教授 (60356772)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
16,250千円 (直接経費: 12,500千円、間接経費: 3,750千円)
2025年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2024年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2023年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2021年度: 3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
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キーワード | 心拍 / 脳血流 / 感覚応答 / 光計測 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、動物モデルでの神経活動計測を主軸とし、心拍周期と感覚刺激のタイミングを操作する多角的な実験アプローチを用いて、心拍動が脳神経活動を調節するメカニズムを解明する。動物実験での現象理解に留まらず、心拍を用いた痛みの低減といった課題や、情動記憶形成の課題等においてヒト実験への展開を図り、感性計測に関する基盤技術の構築を目指す。
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研究実績の概要 |
脳波計測では、被験者心拍の収縮期と拡張期により、体性感覚誘発電位が変化することが知られているものの、心拍周期と外部刺激のタイミングによって生じる感覚野応答変化の詳細は未だよく分かっていない。そこで本研究は動物モデルを用いて脳神経活動を記録し、心拍動が神経活動を調節するメカニズムの解明を試みる。昨年度に引き続き、麻酔下ラットの心拍収縮期および拡張期に感覚刺激を与え、体性感覚野皮質に誘発される応答を局所フィールド電位計測法により解析する実験を行った。刺激トライアル毎の感覚応答のバラツキを解析した結果、収縮期における感覚応答のバラツキが収縮期のそれより大きいという現象が、実験個体数を増やしても再現されることが示された。一方で、膜電位イメージングを用いた感覚応答評価では、光応答振幅/空間的広がりの何れにおいても、心拍周期に依存する応答変化は検出できなかった。膜電位イメージング法は、心拍動に起因するアーティファクトを最小限に除去するようにプログラミングした信号処理を行うことから、本研究が対象とする心拍由来の応答変化検出には不向きである可能性が考えられた。また、本年度は、脳血管系への作用も指摘されている経頭蓋電気刺激(直流電気刺激)の組み合わせ効果についての実験も開始した。直流電気刺激が脳血管系制御を介して、心拍周期依存の感覚応答変化を調節することを検証する実験までは進めなかったものの、予備実験の段階で新しいタイプの神経可塑性現象を発見し論文発表を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
感覚応答の電気生理学的実験についてはデータの蓄積が進み、新しい発見もあって成果発信を行うことができた。一方で、本年度計画していた、触覚過敏モデル動物を利用し、心拍動に同期して介入操作を行う実験については、行動実験の準備から予備実験の段階にあり、進捗はやや遅れている状況である。
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今後の研究の推進方策 |
触覚過敏モデル動物を利用し、心拍動に同期した介入操作実験を行う。心拍周期の様々なタイミングで入力される感覚刺激に対し、大脳皮質の感覚応答変化とともに、痛覚閾値に変化が見られるかどうかを明らかにする。本年度得られた結果を踏まえ、感覚野に加えて前頭前野皮質の神経応答も解析の対象とする。また、ヒトでの実験系を新たに構築し、心拍をモニタリングしながら感覚刺激のタイミングを調節するタスク課題を用い、心拍時間窓についての解析を進める。
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