研究課題/領域番号 |
23K21740
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補助金の研究課題番号 |
21H03574 (2021-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2021-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分63010:環境動態解析関連
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研究機関 | 福島大学 |
研究代表者 |
高田 兵衛 福島大学, 環境放射能研究所, 准教授 (80642347)
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研究分担者 |
津旨 大輔 筑波大学, 生命環境系, 教授 (10371494)
青野 辰雄 福島国際研究教育機構, 放射生態学ユニット, ユニットリーダー (20270605)
平尾 茂一 福島大学, 環境放射能研究所, 准教授 (30596060)
脇山 義史 福島大学, 環境放射能研究所, 准教授 (40594792)
和田 敏裕 福島大学, 環境放射能研究所, 教授 (90505562)
立田 穣 福島大学, 環境放射能研究所, 客員教授 (60371522)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
17,680千円 (直接経費: 13,600千円、間接経費: 4,080千円)
2024年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2023年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2022年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2021年度: 8,580千円 (直接経費: 6,600千円、間接経費: 1,980千円)
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キーワード | 海洋放射能 / 汚染懸濁粒子 / 吸着形態 / 大量ろ過 / 事故前レベル / 生態系Cs移行 / 懸濁粒子 / 懸濁粒子組成 / 福島第一原発 / 河口沿岸域 / 放射性核種 / 福島沿岸 / セシウム溶脱 / 食物連鎖低位 / セシウム移行量 / 海産生物 / 海水 / 放射性セシウム / 沿岸海域 / 溶脱 / 食物連鎖 |
研究開始時の研究の概要 |
福島県を中心に、福島第一原発周辺の河川下流および沿岸を対象として、河川水、沿岸水、沖合海水や海産生物の採取を行う。 得られた試料を基に、 (1)沿岸での汚染懸濁粒子の影響範囲の特定(エリアの特定) (2)河川から沿岸への汚染懸濁粒子の移行量把握(総量の把握) (3)食物連鎖によるCs移行量(モデルによる推定)を行う
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研究実績の概要 |
福島県の沿岸海域における海水中の放射性Cs濃度は、福島第一原発事故から10年以上が経過した現在においても、事故前の値に到達しておらず、同原発からの直接流入、陸域に沈着したCsの河川を介した流入等による影響が考えられる。本研究の目的は、福島第一原発事故前への状況へ復帰に資するために、(1)福島沿岸の汚染懸濁粒子の影響範囲の特定(エリアの特定)、(2)河川から沿岸にかけての汚染懸濁粒子の移行量把握(総量の把握)、および(3)食物連鎖によるCs移行量をモデルにより推定し、汚染懸濁粒子を起点とした福島沿岸におけるCs動態の検証を行う。 令和5年度は、福島沿岸の汚染懸濁粒子の影響把握のための、河川から沿岸にかけての調査を行うとともに、汚染懸濁粒子の影響範囲の特定と化学性状把握、さらに懸濁粒子に吸着したセシウムの生態系移行評価を行った。これにより、目的の(1)の大半と(3)は達成した。成果の概要として、汚染懸濁粒子に存在するCsのほとんどは強固に吸着していることがわかり、生態系への移行は少ないと予想された。また、これまでの調査で得られた海洋生物中のCs濃度変遷及び胃内容物などの解析の結果、魚類へのCsの減少速度低減の要因は餌生物に起因することがわかり、汚染懸濁粒子からの可能性は少ないことが示された。 令和5年度の調査は昨年度同様の漁船による同原発周辺での試料採取、東京大学所属の東北海洋生態系調査研究船(学術研究船) 新青丸を用いた調査航海を実施し、福島第一原発周辺の海水、海底土、海産生物の採取を行った。得られた試料を用いて、原発周辺の近傍から沖合にかけての広域における汚染懸濁粒子の影響範囲を調査した。河川から沿岸にかけての汚染懸濁粒子の移行量は、モデルによる解析を行った。成果の一部を学術論文に通じての公表した内容は学内でのプレスリリースの後、地元新聞社のメディアを通じて積極的に発信した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
令和5年度は、すでに、学術論文を通した公表を行うことにより、3つの目的のうち、(1)の汚染懸濁粒子の性状について、また、(3)生態系への移行については実行した。残りの汚染懸濁粒子の移行範囲の特定については充分なデータを得られており、取りまとめや補完データ取得のみとなる。また、目的(2)の移行量については既に解析が終了し学術論文への執筆を行っている。以上の理由により、本研究はおおむね順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
本研究はおおむね順調に進展している。今後も、研究課題について、研究分担者とともに積極的に推し進めるするとともに、得られた成果についても、地元の漁 業関係者や一般市民等に向け、わかりやすい形で情報発信し、福島の環境修復の一助とする。
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