研究課題/領域番号 |
23K21742
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補助金の研究課題番号 |
21H03579 (2021-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2021-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分63010:環境動態解析関連
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研究機関 | 福井県立大学 (2023-2024) 国立研究開発法人水産研究・教育機構 (2021-2022) |
研究代表者 |
松林 順 福井県立大学, 海洋生物資源学部, 准教授 (30756052)
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研究分担者 |
吉川 知里 国立研究開発法人海洋研究開発機構, 海洋機能利用部門(生物地球化学センター), 副主任研究員 (40435839)
長田 穣 東北大学, 生命科学研究科, 助教 (90750084)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
17,160千円 (直接経費: 13,200千円、間接経費: 3,960千円)
2024年度: 4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2023年度: 4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 5,850千円 (直接経費: 4,500千円、間接経費: 1,350千円)
2021年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
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キーワード | アイソスケープ / 地理統計モデル / 回遊経路推定 / 同位体 / カツオ / 炭素安定同位体比 / 窒素安定同位体比 / Iso-logging / 同位体比 / 高次捕食者 / 回遊経路 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では同位体分析を応用した全く新しい回遊経路追跡手法の確立を目指す.一般的に利用されているバルクの炭素・窒素安定同位体比データと地理統計モデルを融合することで,栄養段階の影響をキャンセルした同位体比の分布地図(アイソスケープ)を作成し,さらに新規に開発した水晶体の精密分析に基づく生活自然体を網羅した時系列同位体比データと併せた解析を実施することで,長距離を回遊する高次捕食者の回遊経路を高精度で復元する手法の確立を目指す。
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研究実績の概要 |
同位体分析に基づく高度回遊性魚類の回遊経路推定手法を確立するため、西部太平洋の広範囲からカツオの炭素・窒素安定同位体比データを収集した。これまでの研究で当該海域の広範囲から様々な体サイズのカツオの同位体データを入手できていたが、南西諸島周辺海域および北緯5度以南の熱帯海域では、サンプル数が不足していた。このため、今年度はこれらの海域を対象として調査船を用いた採捕調査を実施し、それぞれの海域内の複数地点からカツオ稚魚のサンプルを入手した。これらの稚魚サンプルの炭素・窒素安定同位体比を測定し、これまでに入手したデータと合わせて、カツオの炭素・窒素安定同位体比を各個体の体長および捕獲地点・捕獲時点における生物地球化学データを用いて予測する地理統計モデルを構築した。解析の結果、カツオの炭素・窒素安定同位体比のばらつきを高精度で予測するモデルを構築することに成功した。得られたモデルの係数を西部太平洋の広範囲における生物地球化学データに代入することで、当該海域における炭素・窒素安定同位体比の時空間分布の予測地図(アイソスケープ)を構築した。昨年度までは、カツオの炭素・窒素安定同位体比から熱帯・亜熱帯・北太平洋の3海域のどこで栄養を摂取したかを判別するモデルにとどまっていたが、今年度新たに作成したアイソスケープを用いることで、カツオの回遊履歴を緯度経度1度以上の高解像度で予測できる可能性がある。さらに、本モデルでは体長の増加(栄養段階の上昇)に伴う同位体比の変化もモデル化できていることから、バルクの同位体分析のみでも成長による同位体比の変化をキャンセルしたうえで回遊経路を推定することが可能となった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
研究開始当初に本研究を遂行するうえで最大の難点だと考えていたのが、同位体比の分布地図(アイソスケープ)をどのように構築するかという点と、成長(栄養段階の上昇)に伴う同位体比の変化をどのように補正するかという問題である。今年度は、対象魚種そのものをアイソスケープ構築に利用するというアイデアと地理統計モデルを導入したことで、これらの二つを同時に解決するモデルを構築することに成功した。西部太平洋における同位体比の空間変異も非常に大きいことが示され、本手法をカツオの回遊履歴復元に利用できる公算が大きく高まったことから、本課題研究が当初の計画以上に進展していると評価した。
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今後の研究の推進方策 |
同時に進行中の研究課題の成果から、脊椎動物の水晶体を用いて生活し全体の同位体比の時系列変化を復元する手法の開発に成功した。そこで、今後の研究では西部太平洋の様々な場所において捕獲されたカツオ成魚の時系列同位体比分析を実施し、本課題で作成したアイソスケープと照らし合わせることで、カツオの一生分の回遊履歴を復元する解析手法を確立することを目指す。
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