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深層学習を使った気象場ダウンスケーリングと大気環境予測

研究課題

研究課題/領域番号 23K21747
補助金の研究課題番号 21H03593 (2021-2023)
研究種目

基盤研究(B)

配分区分基金 (2024)
補助金 (2021-2023)
応募区分一般
審査区分 小区分63010:環境動態解析関連
研究機関気象庁気象研究所

研究代表者

関山 剛  気象庁気象研究所, 全球大気海洋研究部, 主任研究官 (90354498)

研究分担者 梶野 瑞王  気象庁気象研究所, 全球大気海洋研究部, 主任研究官 (00447939)
福井 健一  大阪大学, 産業科学研究所, 准教授 (80418772)
研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2026-03-31
研究課題ステータス 交付 (2024年度)
配分額 *注記
17,030千円 (直接経費: 13,100千円、間接経費: 3,930千円)
2025年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2024年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2023年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2022年度: 4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
キーワード機械学習 / 数値予報 / 移流拡散シミュレーション / ダウンスケーリング / 高解像度化 / 天気予報 / 数値天気予報 / 高解像度シミュレーション
研究開始時の研究の概要

複雑地形上での大気環境シミュレーションに必要な高解像度気象場(風向・風速・気温・降水等の分布)の格子点値を得るため、本研究では深層学習の超解像技術を使って低解像度気象場を逐次ダウンスケーリングする。それによって複雑地形上での正確な大気環境予測を実現することが本研究の最終目標である。深層学習は2010年代に驚異的な発達を遂げた人工知能の一種である。深層学習では事前に大量のデータ(本研究の場合、高解像度モデルおよび低解像度モデルの計算結果ペア)から与えられた現象の法則性を読み取る必要があるが、法則性を学習したあとは僅かな計算機資源で現象を予測できる。

研究実績の概要

研究計画調書作成時に予定していた2年度目の研究計画を完全に実施することができた。
初年度に深層畳み込みニューラルネットワークを用いて作成した風速場ダウンスケーリング用の超解像システムを使い、初年度に気象研究所のスパコンで作成した教師データ(水平解像度を5kmおよび1kmに設定した気象庁現業メソ予報モデルの計算による1時間毎の気象解析値)によって風速場のメソダウンスケーリングを試みた。ターゲット領域は関東平野(伊豆半島・甲府盆地・日本アルプスの一部、関東北部山岳地帯を含む)、学習期間は2010年から2017年までの8年間、検証期間および予測期間を2018年および2019年とした。機械学習用GPU資源として本科研費で購入したNVDIA製A100を2枚使った。
パラメータチューニングと気象現象の再現検証を繰り返す中で、超解像ダウンスケーリングにおいては出力値に含まれるランダムノイズや(稀に発生する)不安定動作を避けがたいことが判明した。しかしパラメータ設定を僅かに変えた多数のアンサンブルメンバーによるアンサンブル平均を用いることによってノイズや動作不安定による外れ値の影響を下げるあるいは無くすことが可能であることが判明した。このアンサンブル超解像ダウンスケーリングは高い精度を長期間連続して維持することができ、十分に物理モデルの代理を果たすことが可能である。この結果を取りまとめた論文は国際誌に投稿中である。
機械学習を用いた気象場ダウンスケーリングの先行研究では気温や降水量を対象にすることがほとんどで、ベクトル量である風向風速(特にその瞬間値)を対象にしたものは極めて少ない。本研究で実施したようなメソデータ(各国の現業天気予報と同程度の水平解像度5km)からメソデータ(通常の現業天気予報を超える水平解像度1km)への広い領域でのダウンスケーリングについては先行研究が存在しない。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

上記実績概要の内容は本科研費応募時に作成した研究計画調書の次年度以降(2年度目)の計画として記したものを完全に達成しており、極めて順調に研究は進んでいるといえる。

今後の研究の推進方策

本研究2年度目に完成した超解像ダウンスケーリング技術によって、地表面から上空までの3次元風速場を水平解像度1kmで1時間毎に作成する。作成した風速場を入力値として用いて、ラグランジュモデルによる大気微量成分の移流拡散シミュレーションを実施する。大気環境シミュレーションに必須の風速場入力値が超解像ダウンスケーリングによって代理作成可能であるかを検証する。
また、超解像ダウンスケーリングが畳み込みニューラルネットワークだけでなくビジョン・トランスフォーマー技術によっても実現可能かどうか調査を進める。

報告書

(2件)
  • 2022 実績報告書
  • 2021 実績報告書
  • 研究成果

    (5件)

すべて 2022 2021

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (3件) (うち招待講演 1件)

  • [雑誌論文] アンサンブルカルマンフィルタにおける変数局所化を利用した気象場と大気濃度場の同時データ同化2022

    • 著者名/発表者名
      関山剛, 梶野瑞王
    • 雑誌名

      統計数理研究所「統計数理」

      巻: 70(2) ページ: 165-179

    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] 放射性物質拡散予測モデルの不確実性の低減と活用2021

    • 著者名/発表者名
      近藤裕昭, 岩崎俊樹, 佐藤陽祐, 関山剛, 滝川雅之, 新野宏, 鶴田治雄, 山澤弘実, 塩谷雅人
    • 雑誌名

      日本原子力学会誌ATOMOΣ

      巻: 63 号: 4 ページ: 318-320

    • DOI

      10.3327/jaesjb.63.4_318

    • NAID

      130008023749

    • ISSN
      1882-2606, 2433-7285
    • 関連する報告書
      2021 実績報告書
    • オープンアクセス
  • [学会発表] 大気エアロゾルの確率予測、データ同化、そして深層学習2021

    • 著者名/発表者名
      関山剛
    • 学会等名
      第38回エアロゾル科学・技術研究討論会
    • 関連する報告書
      2021 実績報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] 深層畳み込みニューラルネットワークを用いた気象場の総観スケールからメソスケールへの統計的ダウンスケーリング2021

    • 著者名/発表者名
      関山剛
    • 学会等名
      日本地球惑星科学連合2021年大会
    • 関連する報告書
      2021 実績報告書
  • [学会発表] 深層学習を使った気象シミュレーション代理モデルの可能性2021

    • 著者名/発表者名
      関山剛
    • 学会等名
      「富岳」成果創出加速プログラム防災・減災に資する新時代の大アンサンブル気象・大気環境予測2021年度成果発表会
    • 関連する報告書
      2021 実績報告書

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公開日: 2021-04-28   更新日: 2024-08-08  

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