研究課題/領域番号 |
23K21752
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補助金の研究課題番号 |
21H03601 (2021-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2021-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分63020:放射線影響関連
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研究機関 | 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構 |
研究代表者 |
今岡 達彦 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 放射線医学研究所 放射線影響予防研究部, グループリーダー (40356134)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
17,160千円 (直接経費: 13,200千円、間接経費: 3,960千円)
2024年度: 4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2023年度: 4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
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キーワード | 放射線感受性個人差 / 遺伝性乳がん / 動物モデル / 発がん機序 / がん予防 |
研究開始時の研究の概要 |
放射線は被ばくの量に応じてがんリスクを高めるが、そのリスクの遺伝的な個人差についてはよくわかっていない。数百人に1人が持つと言われるBRCA遺伝子の変異は、遺伝性乳がんの原因の一つである。BRCA遺伝子は、放射線等が作るDNA損傷を修復する遺伝子でもある。研究代表者らが独自に開発したBrca1変異ラットは、通常のラットと比べて、放射線被ばく後に高い乳がんリスクを示す。本研究では、このラットにおいて放射線被ばく後に乳がんが発生する仕組みを解明し、その仕組みを元にした被ばく後の乳がん予防法の基盤を開発する。その研究成果は、高感受性の素因を持つ人の放射線医療とがん予防に貢献する。
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研究実績の概要 |
放射線被ばくによるがんリスクの遺伝的個人差はよくわかっていない。BRCA遺伝子変異は、保持者が比較的多く、がんリスクへの影響が大きく、放射線が作るDNA損傷の修復にも関係する。BRCA1変異のラットモデルにおける放射線がんリスクの機序を解明して予防法の基盤とするため、本年度は、同ラット及び野生型ラットを照射し、経時的に乳腺組織を採取した。また、DNA二重鎖切断の免疫染色条件を決定した。定量RT-PCR解析により、同ラットの乳腺腫瘍及び正常組織においてBrca1野生型アリルの発現量の減少が高々50%減であることを見いだし、エピジェネティックな発現抑制ではなくハプロ不全ががん発生の原因となっている可能性を示唆した。加えて、同ラット及び野生型ラットの乳がんゲノムDNAの全エクソーム解析を各2検体において実施したところ、同ラットではBrca1正常アリルの新規変異は確認されず、他のドライバー変異が腫瘍あたり1個程度、野生型ラットでは2個程度確認された。これらの結果もBrca1野生型アリルの機能喪失を伴わないハプロ不全による発がんの機序を示唆しているが、さらにデータを得て確認する必要がある。ホルモン依存性の解析においては、これまでに得ている乳がんにおいてプロゲステロン受容体の免疫染色を行い、統計学的有意差はないものの、非照射のBrca1ヘテロ欠損ラットに発生した乳がんで陽性率が非常に低いものが多い傾向を見いだした。これは、昨年度のエストロゲン受容体の結果と総合し、ホルモン非依存性の機序の関与を示唆している。ヒト上皮成長因子受容体2(HER2)については全般的に低発現であり、Brca1遺伝子型との関連は見られなかった。そこで、Brca1ハプロ不全が遺伝子発現に及ぼすその他の影響を調べるため、RNAシーケンシングによるトランスクリプトーム解析実験を各2検体で実施し、解析を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
R4年度計画であった、DNA二重鎖切断マーカー可視化検討実験、腫瘍及び正常組織におけるBrca1発現のアリル特異的定量、ラットBrca1関連乳がんのエクソーム解析を順調に進めたため。また、計画通りに乳がんにおけるプロゲステロン受容体解析及びHER2発現解析を進め、トランスクリプトーム解析にも着手したため。
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今後の研究の推進方策 |
今年度の予備的検討の結果に基づいて、遺伝子変異蓄積機序の解明及びトランスクリプトームレベルの機序の解明をゲノミクス及び分子マーカーの解析によって進める。
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