研究課題/領域番号 |
23K21757
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補助金の研究課題番号 |
21H03609 (2021-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2021-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分63040:環境影響評価関連
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
坂口 綾 筑波大学, 数理物質系, 教授 (00526254)
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研究分担者 |
鄭 建 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 放射線医学研究所 計測・線量評価部, 上席研究員 (30370878)
羽場 宏光 国立研究開発法人理化学研究所, 仁科加速器科学研究センター, 室長 (60360624)
横山 明彦 金沢大学, 物質化学系, 教授 (80230655)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
17,290千円 (直接経費: 13,300千円、間接経費: 3,990千円)
2024年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2023年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2021年度: 5,330千円 (直接経費: 4,100千円、間接経費: 1,230千円)
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キーワード | ネプツニウム / スパイク / 加速器質量分析 / トレーサー / アクチノイド / 人工放射性核種 / 化学分離 / ネプツニウム同位体 |
研究開始時の研究の概要 |
核燃料廃棄物や環境動態トレーサーとして重要な核種であるNp-237の測定は現在喫緊の課題である。本研究では、Np-237定量に必須である「スパイク」を製造するための核反応に関する基礎情報を得るとともに、それら結果から最適化した条件によりスパイクを作製する。また、環境水試料からの簡便な回収法および化学分離法を確立することで今後国内外でNp測定が行えるようにする。
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研究実績の概要 |
本研究課題では、環境中の長寿命人工放射性核種ネプツニウム同位体(Np)に着目し、質量分析のためのNp-236gスパイク製造、高マトリクス試料からの簡便・高収率なNp分離濃縮法を構築し、長半減期Np-237の超高感度定量法を開発する。これにより、被ばく/環境影響評価に関わる重要なアクチノイドであるNp-237を定量的に評価するだけでなく、環境Np挙動研究により表層環境の生物地球化学的物質循環の解明を可能にすることを目指す。 2023年度の計画は①Thフォイルに様々なエネルギーのリチウム(Li)ビームを照射し、前年度までに確立された化学分離方法を適用し、Np-236gおよびNp-237の核反応断面積を得る、②海水試料からのNp簡便回収法確立という課題に取り組んで来た。①に関しては、昨年度Np-236mのシグナルをγ線測定により確認した試料に関してNp-236gやNp-237の検出が可能となったが実験操作や実験室からの汚染によりいくつかの試料に関しては参考値としか断面積が得られなかった。ただし、得られたデータから分析すると我々がこれまでシミュレーションにより得ていた核反応断面積よりもかなり小さいということが分かってきている。また②においてはアミドキシム型吸着材を用いたNp濃縮を行うべく短寿命のNpトレーサー(Np-239)をAm-243からミルキングを行うことで得た。また実際に海水試料に短寿命Np核種を添加して、アミドキシム型吸着材を用いたNp前濃縮法を確立するために吸着に関する予備検討を行った。これによりかなり早い反応速度で定量的に吸着材にNpが吸着することが明らかになってきた。これら結果の一部は査読付き国際誌に投稿・受理されるとともに国内外での学会でも発表された(招待講演含む)。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
上述したように、申請書に記載した①実際の試料に確立した方法を適用し、Np同位体製造に関する情報(特にスパイク目的核種であるNp-236gおよび妨害核種となるNp-237)を得る、という計画に従って研究遂行することができた。実際にフェムトグラムオーダーのNp同位体測定が可能となっている。また、②に関してはアミドキシム型吸着材がかなりNp濃縮に貢献することも明らかになり洗浄で利用可能な吸着材の開発が現実的になった。そのほかにも得られた重要な知見は学会などでも発表しており、おおむね計画通りに進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
スパイク核種となり得るNp-236gの核反応断面積が、これまで我々の行ったシミュレーションと比較するとかなり低い事が明らかになってきている。また、フェムトグラムオーダーの測定を必要とする質量分析において、精度・確度の観点から十分な信頼性をもって核反応断面積が得られるように核反応断面積を得る実験をあるエネルギーにおいて繰り返し行う。また、妨害核種となりうるNp-237についても合成することが確認されており、これが直接的な反応により生成しているのか、あるいは副生成物である短半減期ウラン同位体であるU-237からの流れ込みであるのかを確かめる必要がある。そのため、Thの電着線源を作成しU-237の生成有無を確かめる実験を行う。これによりU-237の流れ込みであることが分かった場合には照射後ただちに化学分離を行い、Uを除去するようなプロセスが必要であると判断可能となる。また、海水からのNp濃縮においては、使用を試みたアミドキシム型吸着材にUも定量的に吸着することが分かっているため、実試料からNp-236やNp-237測定の妨害となる大量のU-238を除去する必要がある。この方法についてもUTEVAレジン等の固相抽出樹脂などを用いて簡便に分離できるように取り組む。
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