研究課題/領域番号 |
23K21767
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補助金の研究課題番号 |
21H03629 (2021-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2021-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分64020:環境負荷低減技術および保全修復技術関連
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
平木 岳人 東北大学, 工学研究科, 特任准教授 (60550069)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
17,550千円 (直接経費: 13,500千円、間接経費: 4,050千円)
2024年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2023年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2022年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2021年度: 10,010千円 (直接経費: 7,700千円、間接経費: 2,310千円)
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キーワード | 廃棄物 / 金属水酸化物 / 有害ガス除去 / リサイクル / 資源循環 / 悪臭除去 / 硫化水素 / 水酸化マグネシウム |
研究開始時の研究の概要 |
金属水酸化物の有害ガス除去特性の基礎的な知見を明らかにすることを最大の目的とする。そこでは試薬金属水酸化物を用いて硫化水素やメチルメルカプタン等の代表的な有害ガスに対する除去効果と除去メカニズムを反応工学的に明らかにし、高い効果を見出せた水酸化物種については実スクラップや実副産物を用いた悪臭除去材料への変換試験を実施する。本研究で得られる成果は持続可能な金属生産プロセスと環境保全の両方に資する。
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研究実績の概要 |
金属水酸化物と特定悪臭物質との反応機構解明を目的として、主に水酸化マグネシウムと、硫化水素の反応性を調査した。水酸化マグネシウム粉末に対して、硫化水素3%を含む窒素ガスあるいは硫化水素1.5%および10%酸素を含む窒素ガスの雰囲気下で硫化水素除去試験を実施したところ、酸素を含まない硫化水素と窒素の雰囲気下では硫化水素の除去が確認できなかった。一方で10%酸素を含む雰囲気では室温下において24時間経過後には硫化水素濃度が1.5%から0.76%まで顕著に低減することが確認できた。水酸化マグネシウムは酸素共存下において硫化水素を室温で除去できることが明らかになった。また除去後のサンプルをX線回折装置にて構成相分析を行ったところ、単体硫黄を確認することができた。本結果により水酸化マグネシウムは硫化水素を吸着除去することはできないが、酸素共存下において硫化水素を酸化することができる触媒として機能していることが明らかになった。またこの結果は生成した硫黄を回収すれば繰り返し硫化水素改質材料として水酸化マグネシウムを利用できる可能性を示唆した。さらには水酸化マグネシウムの比表面積を高くすることや酸素分圧を高くすることで硫化水素除去能力を向上させることが可能であることが考えられる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
水酸化マグネシウムについて代表的な悪臭である硫化水素の除去能力が存在することを明らかにし、またその除去能力が発揮される条件を見出すことができた。これによりマグネシウム系廃棄物を用いて水酸化マグネシウムを合成することができれば悪臭除去能を持つ機能材料へと転換することができることを見出したため。
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今後の研究の推進方策 |
金属水酸化物種として、鉄、銅など廃棄物量として多く存在することが考えられるベースメタルを中心に悪臭除去能の確認と機構の調査を実施する。また比較対象として活性炭などについても同様の試験を実施し、材料評価を行う。
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