研究課題/領域番号 |
23K21771
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補助金の研究課題番号 |
21H03645 (2021-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2021-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分64030:環境材料およびリサイクル技術関連
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研究機関 | 静岡県立大学 |
研究代表者 |
原 清敬 静岡県立大学, 食品栄養科学部, 准教授 (40434378)
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研究分担者 |
菊川 寛史 静岡県立大学, 食品栄養科学部, 助教 (80758805)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
17,420千円 (直接経費: 13,400千円、間接経費: 4,020千円)
2024年度: 3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2023年度: 3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2022年度: 3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2021年度: 6,890千円 (直接経費: 5,300千円、間接経費: 1,590千円)
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キーワード | 食品ロス / バイオリファイナリー / サーキュラーバイオエコノミー / バイオものづくり / コーヒーかす / アスタキサンチン / 飲料残渣 / 飲料抽出残渣 / 発酵 / 酵母 / ファインケミカル |
研究開始時の研究の概要 |
食品加工残渣を特定の微生物の発酵資源とし、バイオスティミュラントやサプリメント、食品添加物、飼料補助剤などのファインケミカルを生産する場合には、これらの残渣を滅菌した後に当該微生物を植菌する必要がある。この現状に対し、特に茶やコーヒー等の熱水抽出飲料の加工残渣は、その製造工程自体が滅菌効果を有するため、オンサイトでの利用ができれば、コストのかかる植菌前の滅菌が不要というメリットが考えられる。そこで、本研究では、コーヒーかすの発酵利用の研究を進める。
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研究実績の概要 |
近年、コーヒーの消費量は増加しており、コーヒー飲料製造会社やカフェ等から大量のコーヒー抽出残渣(コーヒーかす)が排出されている。コーヒーかすの一部は肥料化や燃料化が行われているが、製造コストに見合わず、大半は廃棄されている。現在、コーヒーかす等の再生可能なバイオマス資源を原料(炭素源等)として、微生物の発酵法によりバイオベース化学品等を製造するバイオリファイナリーが注目されている。そこで、コーヒーかす抽出液を酵母による高付加価値品の生産に利用することを目的とした。 具体的には、コーヒーかす抽出液を利用して前述のX. dendrorhousを用いたアスタキサンチンの生産を試みた。コーヒーかす抽出液を最少培地(SD培地)に添加してX. dendrorhousを培養したところ細胞増殖が有意に高まった。そこで、コーヒーかす抽出液に含まれる濃度のカフェインをSD培地に添加して同様にX. dendrorhousを培養したところ、細胞増殖には影響を与えなかった。また、SD培地からグルコースを除きコーヒーかす抽出液を添加しても、X. dendrorhousの増殖がほとんど見られなかったことから、コーヒーかす抽出液に含まれる炭素源がX. dendrorhousの細胞増殖を向上させた可能性も低いと考えられる。現状、コーヒーかす抽出液に含まれるいかなる成分がX. dendrorhousの細胞増殖を向上させたのかは不明である。しかも、対数増殖期の前半はグルコース消費量の増加を伴わない細胞増殖の向上が見られ、対数増殖期の後半はさらにグルコース消費量の増加を伴う細胞増殖の向上が見られたため、X. dendrorhousの細胞増殖向上のメカニズムは、コーヒーかす抽出液に含まれる単一成分による単純な細胞増殖向上効果では説明がつかないと考えられる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
メカニズムについては今後の課題であるが、コーヒーかす抽出液のX. dendrorhousによるアスタキサンチン生産への有用性を確認することができたため。
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今後の研究の推進方策 |
カロテノイド以外の有用物質の生産性を向上させる。
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