研究課題/領域番号 |
23K21785
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補助金の研究課題番号 |
21H03672 (2021-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2021-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分64060:環境政策および環境配慮型社会関連
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研究機関 | 高知大学 |
研究代表者 |
鈴木 保志 高知大学, 教育研究部自然科学系農学部門, 教授 (20216451)
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研究分担者 |
吉村 哲彦 島根大学, 学術研究院農生命科学系, 教授 (40252499)
長谷川 尚史 京都大学, フィールド科学教育研究センター, 准教授 (70263134)
有賀 一広 宇都宮大学, 農学部, 教授 (60313079)
斎藤 仁志 岩手大学, 農学部, 准教授 (60637130)
守口 海 高知大学, 教育研究部自然科学系農学部門, 講師 (70814979)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
17,680千円 (直接経費: 13,600千円、間接経費: 4,080千円)
2024年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2023年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2022年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2021年度: 9,360千円 (直接経費: 7,200千円、間接経費: 2,160千円)
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キーワード | 森林地域 / 道路網整備 / 長期的森林管理 / 森林資源の収穫運搬 / 環境保全型社会 |
研究開始時の研究の概要 |
日本の中山間地に存する森林資源を永続的で適切に管理育成(防災に寄与)し収穫利用(地域経済に寄与)することで地域への分散定住化が促進され、持続可能で疫災に耐えうる環境保全型社会を次世代に引き継ぐ基盤になる。本研究では、地域の産業拠点と森林を繋ぐ経路上の公道隘路の改良を鍵とし、長期的森林管理と資源需要に応じた道路網の合理的整備指針を科学的根拠に基づき提示する。すなわち、複数世代にわたる将来社会情勢シナリオ(人口分布・木材需要)を想定し、流域規模のモデル地域で森林管理計画(収穫・管理・育成)を立て、社会需要に応じた森林資源の収穫運搬と育林のシミュレーションにより、公道改良の長期的効果を定量的に示す。
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研究実績の概要 |
研究実施項目のA)(公道隘路の調査と解決策)については、実走調査の継続と路網データとの照合で路網データからの公道隘路抽出条件を検討し(発表:鈴木ら 2022、論文:鈴木ら 2022)、成果を用いて北海道で森林バイオマス利用可能量を推計した(論文:藤井ら 2023)。また、2021年度開催のシンポジウム「林内道路ネットワークの再考」の概要を報告した(論文:斎藤ら 2023)。 B)(道路施工の方向性)については、作業道施工と施工後の路体強度について複数年の継続調査結果をまとめ、四万十式工法で路肩側の締固めが不十分となりやすい傾向があることを指摘した(論文:Suzuki et al. 2023)。また、UAVによる作業道修復時の土量推計(発表:長谷川ら 2022、論文:Hasegawa et al. 2023)や、項目D)とも関連し、降雨と林道災害発生の関係(発表:有賀ら 2023、論文:Watanabe et al. 2023、渡部ら 2023)および災害復旧事業費の実態を調査した(論文:渡部ら 2022)。 C)(架線利用を踏まえた路網整備の方向性)については、架線を用いる作業システムの生産性評価の基礎的な検討を行った(論文:吉村・鈴木 2022、書籍:吉村ら 2022)。また、簡易架線を用いた作業システムの検討とICT活用事例の調査を行った(発表:Suzuki et al. 2022、論文:鈴木ら 2022、鈴木 2023)。 D)(路網改良後の流通効率シミュレーション)については、シミュレーションに用いる森林施業計画の評価方法を検討した(論文:Moriguchi et al. 2023)。 また関連する成果として、世界の木材輸送における大型車両の利用(発表:Karha et al. 2022a, b)、資源利用(発表:鈴木・岩瀬 2023、田村・守口 2023)がある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
令和3年度には購入予定機材調査用UAV)の納期遅延が発生したため令和3年度の進捗状況には影響したが、令和4年度に購入予定機材は準備することができ、令和4年度中には子の機材購入遅延による影響はとりもどすことができた。項目B)およびD)の林道災害等による道路網全体の通行性への影響については予定以上に成果が上げられている一方で、項目A)の成果に基づく項目D)のシミュレーションについては、準備は進んでいるものの令和4年度に予定していた高知県のモデル地域における具体的な検討(予備シミュレーション)は、取り組みが遅れている。 以上を鑑み、全体としては「(2)おおむね順調に進展している。」とした。
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今後の研究の推進方策 |
項目A)については、道路データにおける小型自動車(4t車)と普通自動車(10t車)およびセミトレーラ牽引車の通行性判別条件に加え、現場で多く使用されている6t車や8t車の通行性判別条件を検討する。LCA(ライフサイクルアセスメント)の情報も利用し、項目D)のために、運搬距離に応じた車両クラス別の積み替え条件を算定する。 項目B)については高規格作業道の作設・維持管理の実態と経費についての調査を継続し、項目C)については架線系の作業システムの適切な作業ポイント条件について検討を行う。 項目D)については、これまでの成果を反映し、まずは高知県におけるモデル地域で公道隘路の改良が長期的な森林資源利活用に及ぼす効果についての予備シミュレーションを実施し、他のモデル地域への適用に備える。
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