研究課題/領域番号 |
23K21791
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補助金の研究課題番号 |
21H03685 (2021-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2021-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分80010:地域研究関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
小坂 康之 京都大学, アジア・アフリカ地域研究研究科, 准教授 (70444487)
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研究分担者 |
樋口 浩和 京都大学, 農学研究科, 教授 (50303871)
生方 史数 岡山大学, 環境生命自然科学学域, 教授 (30447990)
中辻 享 甲南大学, 文学部, 教授 (60431649)
佐々木 綾子 (澤田 綾子 / 佐々木綾子) 日本大学, 生物資源科学部, 講師 (90613810)
大澤 由実 青山学院大学, 地球社会共生学部, 助教 (40822630)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
16,770千円 (直接経費: 12,900千円、間接経費: 3,870千円)
2025年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2024年度: 3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2023年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2022年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2021年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
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キーワード | 小農 / 食料安全保障 / 環境・健康志向 / 環境健康志向 / 食の安全保障 / 食の安全安心 / フードシステム / ドメスティケーション |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は、アジア諸国(中国、日本、ラオス、タイ、ベトナム)にまたがった、「環境・健康志向型のドメスティケーション」と呼びうる新たなフードシステムを検証することである。具体的には、各国の農と食に関する制度・政策の変遷、新しく導入(または再発見)された商品作物栽培・家畜飼育、農産物のローカル・グローバルな加工・流通・販売網、食文化や嗜好の変化を学際的研究体制で調査する。そして環境と健康への関心のもとで小農や消費者らの主体的意思決定によって新たに形成されつつあるフードシステムに焦点を当て、その構造と背景を解明し、公正性と持続可能性を検証する。
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研究実績の概要 |
研究代表者らは2023年8月にラオス国立大学林学部を訪問し、今後の共同研究について協議したほか、共同研究者とともに、首都ヴィエンチャン、北部シエンクワン県、中部サワンナケート県の村落と市場において、食用動植物のフードシステムに関する現地調査を行った。そしてこれまでの調査結果をまとめるかたちで、ラオスの水田野草を移植栽培して販売する新しいフードシステムについて、投稿論文を執筆した。2023年9月には、ベトナム南部メコンデルタのカントー大学の研究者とともに、HauGiang省のパイナップル、DongThap省の香辛野菜、SocTrang省のロンガンとアカワケギのフードシステムの調査を行うとともに、今後の共同研究と学術交流について協議した。国内では、京都府宇治田原町と和束町の茶園で毎月1回、自然環境と生産様式の調査を継続し、投稿論文を執筆した。研究分担者は、タイと日本の昆虫食の変遷、タイの発酵食品に関わる植物利用、タイのミアンとコーヒーのアグロフォレストリー、ラオスの焼畑耕作と土地利用史、日本酒のフードシステムに関する現地調査と文献調査を行った。 また農と食に関する研究会を4回開催し(「東南アジアの自然と農業研究会」と共催)、モンゴルの農牧業の変遷、ラオスにおける苦味の嗜好と味覚、ミクロネシアの食生活、ベトナムのエビ養殖と環境認証制度について、毎回多様なバックグラウンドをもつ約20人の参加者と討論を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2023年度は、新型コロナウイルス感染症が5類感染症に移行したことで、国内外の現地調査をスムーズに行うことができた。研究代表者は、海外ではラオスの野生植物の移植栽培や、ベトナムの香辛野菜の栽培と流通、国内では京都府宇治田原町と和束町で茶園の自然環境とフードシステムの現地調査を行うとともに、これまでの調査結果をまとめて投稿論文を執筆した。またラオス国立大学森林科学部の共同研究者を京都大学に招へいし、今後の研究に関する協議を行った。研究分担者らは、タイ、ラオス、日本のフードシステムに関する現地調査と文献調査を行った。そして農と食に関する学際的な研究会を4回開催し、世界各地の自然環境や社会文化とフードシステムとの相関性を議論した。このような活動内容から、進捗状況はおおむね順調と判断される。
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今後の研究の推進方策 |
研究代表者はラオスとベトナムにおいて、引き続き食用動植物のフードシステムに関する現地調査を実施する。特にラオスでは首都ヴィエンチャンのほか、北部シエンクワン県や南部サワンナケート県など、ベトナムでは南部メコンデルタのHauGiang省やSocTrang省などで現地調査を行う。日本では京都府の茶園の自然環境と生産様式の調査を継続する。また2024年10月に京都で開催される野生食用植物利用に関する国際ワークショップに参加する予定である。研究分担者らはタイ、ラオス、ベトナムで現地調査を継続するとともに、日本各地の農と食について比較調査を実施する。さらに「東南アジアの自然と農業研究会」と共催のかたちで、農と食に関する研究会を継続し、各回のテーマについて学際的な視点で討論を行うとともに、情報交換とネットワークの形成をはかる。
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