研究課題/領域番号 |
23K21810
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補助金の研究課題番号 |
21H03712 (2021-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2021-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分80010:地域研究関連
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研究機関 | 京都外国語大学 |
研究代表者 |
河上 幸子 京都外国語大学, 国際貢献学部, 教授 (30586730)
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研究分担者 |
和泉 真澄 同志社大学, グローバル地域文化学部, 教授 (00329955)
松田 法子 京都府立大学, 生命環境科学研究科, 准教授 (00621749)
KIRK STANLEY 甲南大学, 全学共通教育センター, 准教授 (50516979)
河原 典史 立命館大学, 文学部, 教授 (60278489)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
17,160千円 (直接経費: 13,200千円、間接経費: 3,960千円)
2025年度: 5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
2024年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2023年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2022年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2021年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
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キーワード | 出移民史 / パブリックヒストリー / カナダ移民 / 三尾 / ミュージアム / パブリック・ヒストリー / 次世代育成 / 和歌山 / アメリカ村 / 移民母村 / デジタル・アーカイブ |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、カナダ側の二つの国際共同研究と連携し、和歌山県日高郡美浜町三尾地区からカナダへの出移民史をパブリック・ヒストリーの観点から、構築、保存、継承し、次世代育成を実践的な次元で検討する。具体的には、カナダのバンクーバー島における三尾出身者の足跡およびカナダから三尾へのルーツ・ツーリストについての研究にとりくむ「From Mio」プロジェクトと、世界の日系人の戦時体験をテーマとする「Past Wrongs Future Choices」と連携した実践的研究となる。
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研究実績の概要 |
本年度は、和歌山県日高郡美浜町三尾地区のカナダ・ミュージアムを拠点におこなってきた二つの国際共同研究「フロム・ミオ・プロジェクト」と「Past Wrongs Future Choices/過去の過ち 未来の選択(通称PWFC)」の日本側チームとして本科研プロジェクトを精力的に進めることができた。具体的には、①展示および市民への発信、②調査、③学会発表である。 ①展示および市民への発信:PWFCの前身にあたる共同研究「Landscapes of Injustice」の成果として手掛けられた「Broken Promises/破られた約束」という日系カナダ人の戦時没収をテーマとしたミュージアム展示を、本科研が窓口となってカナダへの出移民がもっとも多い滋賀県から日本巡回展示をスタートできた。11月1日から2024年2月25日の滋賀県平和祈念館での展示期間中は、市民教養講座で登壇する機会をいただき和泉、河原、河上が月がわりで交代しながら登壇し、研究実践について市民に発信ができたほか、滋賀と和歌山の移民母村交流会を郷土史家や市民を交えて実施することができた。さらに、2月下旬には、「フロム・ミオ・プロジェクト」のカナダ側の代表者がおこなった三尾出身の日系市民対象のスティーブストンでのシンポジウムに河上とカークが出席し、発表した。 ②調査および研究会議:和泉、河原、カーク、河上はそれぞれ、バンクーバー島やバンクーバーで調査を進めたほか、松田は三尾での「移民を出した家」に関する調査をさらにおこなった。10月には和歌山県人会世界大会の実施にあわせて三尾にて集まり、「フロム・ミオ・プロジェクト」の一部カナダ側メンバーと打ち合わせを行った。 ③:9月にはカナダ学会にて、河上、河原、和泉がカナダ・ミュージアム館長の三尾氏とともにパブリックヒストリーとして実践される日系カナダ人研究について発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2024年5月のシンポジウム実施に向けて順調に研究実践を展開することができた。戦時中の日系人の自主移動地グランドフォークスの調査についても、カナダ側現地関係者との合意形成ができ、正式に出版に向けた共同調査や内容の精査が具体化した。また、次世代育成事業という観点では、調査結果を大学生や大学院生と共有し、地域の教育や研究発信への活用することで、後進の育成にもつなげることができた。また、移民母村の三尾と移民先のカナダというベクトルのみならず、滋賀県や沖縄県の他県の移民母村との交流が生まれ、移民母村同士のネットワークを広げることもできたことは今後に向けての大きな足掛かりとなった。
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今後の研究の推進方策 |
今後は2024年5月に三尾にて国際シンポジウムを実施した後、最終年度に向けて成果報告の形を決めて、日英両語での出版計画を練っていくとともに、移民母村同士の横のつながりから展望できる新たな研究の可能性について検討したい。
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