研究課題/領域番号 |
23K21820
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補助金の研究課題番号 |
21H03726 (2021-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2021-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分80020:観光学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
柴崎 茂光 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 准教授 (90345190)
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研究分担者 |
島立 理子 千葉県立中央博物館, その他部局等, 研究員(移行) (00332354)
寺崎 竜雄 静岡県立大学, 経営情報学部, 講師 (30728316)
寺田 喜朗 大正大学, 文学部, 教授 (40459839)
古田 尚也 大正大学, 総合学修支援機構, 教授 (40727856)
西村 貴裕 名城大学, 法学部, 教授 (70367861)
八巻 一成 国立研究開発法人森林研究・整備機構, 森林総合研究所, 主任研究員 等 (80353895)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
16,900千円 (直接経費: 13,000千円、間接経費: 3,900千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
2022年度: 6,630千円 (直接経費: 5,100千円、間接経費: 1,530千円)
2021年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
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キーワード | 聖地 / 保護地域(世界遺産・国立公園・ジオパーク) / 既着手行為 / nature-based solutions / 資源化 / 価値の単純化 / 保護地域 / 国立公園 / 世界遺産 / コモンズの悲劇 / 廃仏毀釈 / 保護地域(世界遺産・国立公園) |
研究開始時の研究の概要 |
国立公園や世界自然遺産といった保護地域に指定・登録されると、優れた景観や生態系などが保護されるようになる。ただし保護地域内では、修験、講、林野開発、狩猟・採取活動も行われてきた。種々の規制などによって優れた自然が保護される一方で、付随した歴史・文化的資産も守られてきたのか、むしろ消失してきたのかについて明らかにするのが本研究の狙いである。さらに教育資源や観光資源として長期的に利用する事がどの程度可能なのかについても検討する。こうした知見を踏まえつつ、現場レベルから林野・環境・文化財行政に政策提言していく。
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研究実績の概要 |
林業関連の文化継承・保全・資源化に関するフィールド調査を行った。海外調査では、台湾・林業及自然保育署(林業署)が所管する林業文化園区および国家森林遊楽区における文化資源の保全を含む管理・運営の実態を把握した。林業文化園區の構成資産が、文化資産保存法に基づく登録された有形物である場合には、県政府文化局などの保存提言に依拠しつつ、所有者である林業署が費用を負担する形で修繕していた。建築後50年以上が経過した公共建築物については、リストの作成や、審査を経ずに解体できないといった法的規制が機能していた。観光資源化に際しては、林業署が直轄で運営する太平山国家森林遊楽区のような事例から、地域住民や子孫による組織に施設の運営を委託する事例など多様な姿が確認できた。 国内に関しては、津軽森林鉄道などの計4事例を対象に、森林鉄道遺構群の観光資源化の過程や保全上の課題を明らかにした。いずれも、一部の地域住民、専門家や鉄道愛好家、地方公共団体などが主導する形で、森林鉄道関連の遺構群を再評価し、保全しようとする動きがみられた。その後、一般社団法人、観光協会、NPO法人、地方公共団体による継続的な支援がある事例では、観光資源化まで進んだ。ただし、森林鉄道単独で十分な収益をあげている事業は乏しく、森林鉄道は主たる資源を支える副次的な資源としての機能を果たしていた。また、他の価値とのコンフリクト、地球温暖化に伴う豪雨などの発生、資源の劣化による大規模修繕などのリスクも存在していた。これらの大規模なリスクに対応するためには、国家的なレベルからの支援が必要と考察された。 このほかに、千葉県立博物館に所属されていた絵葉書やマッチラベルの資料調査の結果に基づいて、令和5年度秋の展示「手のひらのメディアー吉澤貞一マッチラベルコレクションー」を開催した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
予定通り、海外調査(台湾)を実施し、国有林を所管する台湾林業署の管理運営の特徴を把握した。
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今後の研究の推進方策 |
研究計画期間の最終年度として、研究代表者や分担者が対面やオンラインでの研究会を通じて、考察や提案の方向性について、研究者間内での合意形成を図る。さらに研究成果を学会発表や、学術誌などへの投稿を行う。こうした知見を集めた上で、林野・環境・文化財行政に対して、現場の視点から政策提案を行っていく。
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