研究課題/領域番号 |
23K21824
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補助金の研究課題番号 |
21H03731 (2021-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2021-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分80030:ジェンダー関連
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
小浜 正子 日本大学, 文理学部, 教授 (10304560)
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研究分担者 |
佐々木 愛 島根大学, 学術研究院人文社会科学系, 教授 (00362905)
武井 基晃 筑波大学, 人文社会系, 准教授 (00566359)
豊島 悠果 神田外語大学, 外国語学部, 教授 (10597727)
五味 知子 慶應義塾大学, 文学部(三田), 准教授 (20751100)
板橋 暁子 東京大学, 附属図書館, 助教 (30837290)
桃木 至朗 大阪大学, 大学院人文学研究科(人文学専攻、芸術学専攻、日本学専攻), 招へい教授 (40182183)
吉田 ゆり子 東京外国語大学, 大学院総合国際学研究院, 教授 (50196888)
加藤 敦典 京都産業大学, 現代社会学部, 准教授 (60613750)
福永 玄弥 東京大学, 大学院総合文化研究科, 准教授 (60975655)
落合 恵美子 京都産業大学, 現代社会学部, 教授 (90194571)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
採択後辞退 (2024年度)
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配分額 *注記 |
17,030千円 (直接経費: 13,100千円、間接経費: 3,930千円)
2024年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2023年度: 5,460千円 (直接経費: 4,200千円、間接経費: 1,260千円)
2022年度: 5,590千円 (直接経費: 4,300千円、間接経費: 1,290千円)
2021年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
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キーワード | 東アジア / ジェンダー / 家族 / リプロダクション / セクシュアリティ / 生殖/リプロダクション / 儒教 / 生殖 / セクシャリティ / アジア |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、日本・中国・台湾・朝鮮韓国・ベトナムなど東アジア各地域の家族(姓) とリプロダクション(生)とセクシャリティ(性)の特徴を、その歴史的背景と変容過程に留意しつつ、西洋との相違点と東アジア内部の異同に注目して、以下のような点を比較史的に明らかにしようとする。 (1)各地域の前近代社会の「姓・生・性」に関する規範の特徴、また多様なセクシャリティーのあり方。 (2)近代における各地域の国家権力あるいは植民地権力による「姓・生・性」の体系の再編・再々編のあり方。 (3)現在の、東アジア各地域の社会の「姓・生・性」に対する上記の歴史的背景と経緯の規定のあり方とその特徴。
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研究実績の概要 |
本研究は、日本・中国・台湾・朝鮮韓国・ベトナムなど東アジア各地域の家族(姓) とリプロダクション(生)とセクシャリティ(性)の特徴を、その歴史的背景と変容過程に留意しつつ、西洋との相違点と東アジア内部の異同に注目して、次の各段階について比較史的に明らかにしようとするものである。 これまでの研究において、東アジア各地域の「伝統社会」の家族・ジェンダー規範などを含む社会構造は、16~19世紀の近世にそれぞれの地域が儒教規範を取り入れたことによって成立したこと、それには各地域のそれまでの父系・双系などの家族構造などが基層として存在し、近世の秩序形成の中でそれらが変容してそれぞれ独自の「伝統社会」となり、近代の国民国家形成の基盤となったこと、などを比較史的な研究を通じて明らかにすることができた。 東アジア各地域においても近代になって「夫は仕事、妻は家事」の性別役割分業に基づいた「近代家族」の規範が西洋から伝えられ、また国民国家を支える家において家事・育児を担う「良妻賢母(あるいは賢母良妻、賢妻良母)」があるべき女性像だという考えが広まる。このような規範が東アジアにも浸透する前提としての近世の東アジアの家族におけるジェンダー基盤や性別役割観を各地域に即して明らかにする作業を進めている。 また、東アジア各地域の近世以前の社会におけるセクシャルマイノリティーズのあり方と社会的な捉えられ方についても、比較史的な研究を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
2022年度は、本科研メンバーが中心となった論文集である小浜正子・落合恵美子編『東アジアは「儒教社会」か?-アジア家族の変容』(京都大学学術出版会、2022年12月、全386頁)を刊行した。また、このシンポジウムでの議論をさらに深めたワークショップ「近代東アジアにおけるさまざまな「儒教化」とジェンダー規範」(桃木至朗・小浜正子が共同オーガナイザー・司会)第66回国際東方学者会議(International Conference of Eastan Studies:ICES)(オンライン、東方学会(東京会議)、2022年5月21日)を本科研が中心となって開催した。 さらに本科研メンバーは2023年3月にベトナムに出張して、ハンノム研究院および日越大学と共同主催による「東アジアの儒教資料とべトナム碑文:学際的アプローチ」(Confucianisms and Stele Inscriptions in East Asian Cultural Sphere: An Interdisciplinary Approach)(2023年3月14日)を開催した。 以上より、本年度は、当初の計画以上に順調な成果を挙げることができたといえる。
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今後の研究の推進方策 |
共同研究各メンバーがそれぞれの専門に即した研究を深めるとともに、今年度のベトナムでの国際共同研究集会と現地調査の成功を踏まえて、今後、別の地域でも現地の研究者との共同研究集会を開催し、また共同で現地調査を行う予定である。 それらを総合した大規模なシンポジウムおよび成果論文集の刊行を準備してゆきたい。
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