研究課題/領域番号 |
23K21839
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補助金の研究課題番号 |
21H03766 (2021-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2021-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分90010:デザイン学関連
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研究機関 | 公立はこだて未来大学 |
研究代表者 |
岡本 誠 公立はこだて未来大学, システム情報科学部, 特命教授 (90325887)
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研究分担者 |
秋田 純一 金沢大学, 融合科学系, 教授 (10303265)
小野 哲雄 北海道大学, 情報科学研究院, 特任教授 (40343389)
伊藤 精英 公立はこだて未来大学, システム情報科学部, 教授 (90325895)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
17,030千円 (直接経費: 13,100千円、間接経費: 3,930千円)
2024年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2023年度: 4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 4,940千円 (直接経費: 3,800千円、間接経費: 1,140千円)
2021年度: 4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
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キーワード | 感覚代行 / 知覚デザイン / 気配 / 視覚障害 / 聴覚障害 / 体性感覚 / ユーザインタフェース |
研究開始時の研究の概要 |
研究の目的は,知覚障害者のために, 知覚代行装置の構築することである.申請者らは,視覚障がい者や聴覚障害者用の環境認識装置を研究開発してきて,外界の特徴を音や振動ではなく,体性感覚を使って伝達する方式の有用性を明らかにしてきた. コロナで交流が電子会議に置き換わった時に、知覚障害者は環境認識に違和感を感じるた.人は自分の知覚を総合して,世界のイメージを構成してるが、障害者は電子会議によって知覚世界を構成する要素が消失したことに気づいた.この研究では,多様な刺激により構成される存在感(気配)を探索する知覚装置のデザインを行い,複雑な知覚のメカニズムの解明に迫りたい.
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研究実績の概要 |
1)共創環境の整備:視覚障害者や聴覚障害者の当事者と共創を行うために、国立障害者リハビリセンター(函館市)や本学の学生で障害を持った学生と協働して研究する体制を整えた. 2)気配の基礎研究:障害者の方にインタビューすると,気配について関心を持つ人も多い.しかし,それぞれの気配の体験は多様である.気配は,a.ある感覚器官が障害を持つと他の器官が鋭敏になり得られた能力, b.外界の多様な環境情報の変化を統合する知覚能力, c.磁気や電気あるいは準静電界や空気の動きや放射熱が気配の形成に関係すると考えられる.次年度は,複数の感覚を同時に提示して気配のメカニズムを解明していきたい. 3)ランドスケープやサウンドスケープ認識装置のUI:距離センサー(超音波)と奥行きを表す出力部を一体にしたUIユニットを制作した.距離感を奥行きに割り当てることまではできたが、振動の強弱や持ち方に課題が見つかった.気配を構成する要素(影、耳に聞こえない低周波)を同時に手に提示する機構までは完成した.次年度は,視覚障害者が距離やその他の気配を感じるUIユニットの開発を急ぐ.伸縮する素材で連結されテンセグリティ(フラーの提唱した張力材と圧縮材を組み合わせた構造体)も試作したい.聴覚障がいの学生をメンバーに加え,インクルーシブデザインアプローチでサウンドスケープUIのデザインを行った.頭部で感知した音を元に両腕につけた振動子を振動するUI装置,M5スタックを使って当事者が自ら音を光で表現するUI装置などを完成させた. 4)新たな研究と研究成果の発表:動物の知覚特性を体感する装置(ELEPHONE)が完成した.研究成果は国内外の学会やデザイン展示会への発表を行なった.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
障害者や関係者が共創的にものづくりを進めるのが,この研究の特徴であるが,コロナの影響で人が集まって活動することがしばらくできなかった.オンラインツールを使って準備を進めたが,ようやく対面で活動する機会が増えてきて,開発は進み始めた.しかし,研究成果の発表は遅れてお,次年度は積極的に発表に取り組む.
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今後の研究の推進方策 |
1)共創環境の整備:国立障害者リハビリセンターと設立した「くらしのデザインラボ」を活かして,研究のネットワークを広げていく. 2)気配の基礎研究:障害者の方にインタビュー,関連研究者との議論を深め,複数の試作計画を立てる.感覚を生成する可能性のある複数の刺激を同時に提示して気配のメカニズムを解明したい.試作を繰り返し反応を身体で感じるを繰り返すように進める. 3)ランドスケープ認識装置のUI:昨年度作成した距離センサー(超音波)と奥行きを表す出力部を一体にしたUIユニットをを再評価し,改良を加えていく.距離感をるたえる振動の強弱や持ち方に課題を改善し.気配を構成する要素(影、耳に聞こえない低周波)を同時に手に提示する機構を完成させる.伸縮する素材で連結されテンセグリティ(フラーの提唱した張力材と圧縮材を組み合わせた構造体)も試作したい. 4)サウンドスケープ認識装置のUI:聴覚障がいの学生は,サウンドスケープUIの改善を行う.また,頭部で感知した音を元に両腕につけた振動子を振動するUI装置は,課題を改善し,気配を構成する要素(光、耳に聞こえない低周波)を同時に手に提示する機構を完成させる. 5)研究成果の発表:研究成果は国内外の学会やデザイン展示会への発表を行う.海外の大学とも研究交流を図る.
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