研究課題/領域番号 |
23K21860
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補助金の研究課題番号 |
21H03837 (2021-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2021-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分90130:医用システム関連
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
高山 俊男 東京工業大学, 工学院, 准教授 (80376954)
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研究分担者 |
金子 真 名城大学, 理工学部, 教授 (70224607)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
15,340千円 (直接経費: 11,800千円、間接経費: 3,540千円)
2024年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2023年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2022年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 6,240千円 (直接経費: 4,800千円、間接経費: 1,440千円)
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キーワード | マイクロ流体デバイス / マイクロミキサ / マイクロポンプ |
研究開始時の研究の概要 |
細胞培養実験や化学物質の反応実験では広い空間と大量のサンプル消費が必要となる.そこで近年顕微鏡下で少量のサンプルで実験を行えるマイクロ流体デバイスが注目を浴びているが,マイクロ流体デバイスは複雑な流体制御を行う装置を組み込めない.そのため外部から注入される流体を用いて内部の流体制御を行うが,連続流が用いられるため内部に留めた液体の位置を操ったり,混合するといった作業には向かない.そこで本研究ではチャンバや流路の横に,薄い壁を挟んで別の駆動用チャンバを設け,この駆動用チャンバに圧力振動を加えることで,側壁を変形させて,チャンバや流路内の流体を自在に操作する側壁駆動方式の流体デバイスを開発する.
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研究実績の概要 |
側壁駆動型マイクロミキサの大型化については,最適な攪拌力を得るための設計手法を提案した.すなわちミキサが大きくなりそれに伴い壁の変形量も大きくなると,本来丸いミキサの壁に沿って流れ込んで,内部で大きな渦を作るはずの流れが,変形した壁に阻害されて大きな渦を作れないことを明らかにした.これを避けるためには壁の変形量の時間平均の大きさだけ,ミキサへの流入口を壁面からずらす必要があることを明らかにした.またこの研究時に,壁面の変形量観察のために,側面から流路内を観察できる流路製造方法も副次的に開発できた. 複数のマイクロミキサを配置してそれぞれを独立に駆動する方法に関しては高周波で駆動した場合に隣接するマイクロミキサ間に発生する干渉現象の原因が昨年度に特定ができていたため,本年度はこれを避けるための流路開発を行った.すなわち,駆動用のチャンバのポンプへの接続部の振動が隣のチャンバに影響を与えることから,ミキサから接続部までの距離を十分にとることと,ミキサが溶液を吸い上げる主流路を介して流体振動が伝達することから,主流路に屈曲部を設けて,振動が減衰するようにすることで,3個のチャンバで独立に攪拌を行ない,異なる濃度空間を作ることに成功した. 側壁駆動型マイクロポンプについてはカメラのフィードバックを用いてマイクロビーズの位置操作を行うことに成功した.また駆動圧力と蠕動運動1ステップのマイクロビーズの移動量に関係性があることを示し,目標位置との偏差距離に応じて駆動圧を変えることでPD制御による位置制御が行える可能性を示した. マイクロミキサ内に障害物を作ることで,大きな粒子の溜まる領域を作る方法に関しては,流路全体を振動させて粒子凝集を行う先行研究のデザインを我々のミキサ内に配置することで同様に凝集が行えることを確認した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
寸法が小さいために定量的な評価が難しいと思われたところが多かったが,最適な設計手法という実用的な方法論を示すことが出来た.またビジュアルフィードバックに関しても,これまで使ったことのない高速カメラの映像取り込み等のシステム開発等が問題なく行え,電磁弁の制御周期以上の周期で画像情報からマイクロビーズの位置の割り出し等が行えたため,来年度以降は位置制御の応答性等の研究につなげられる可能性が大きい.一方でミキサ内に障害物を設けて粒子を凝集させる方法に関しては,凝集自体は可能であったものの,加振方法が我々とは違う方式であるすでに発表されている形状と同様の形状であり,新規性は見られなかった.
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今後の研究の推進方策 |
複数並べた側壁駆動型マイクロミキサを独立に駆動して様々な濃度空間を自在に作る研究に関しては,実験データを整理し論文にする予定である.またマイクロミキサ内で粒子を凝集させる方法に関しては,現在の凝集装置はピエゾアクチュエータを用いた高周波の駆動であり,ピエゾアクチュエータは高価であることから,空気圧を用いてこれらの装置が動作できないかの確認を行う.また側壁駆動型マイクロポンプについては昨年度に高速カメラの画像フィードバックシステムを構築することで,ステップ状に動かすことで内部のマイクロビーズの位置決め制御に成功しているが,ステップ状の動作では精密な位置決めには適していないため,今年度は目標位置までの距離に応じて壁面の駆動圧力を変化させることでPD制御の手法を取り入れた精密な位置決め制御を行う.またその応答性から制御の予測に必要な伝達関数を求めてその評価を行う.またマイクロポンプの機能を用いて多軸の位置決め制御が行えないかにも挑戦する予定である.
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