研究課題/領域番号 |
23K21886
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補助金の研究課題番号 |
22H00614 (2022-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2022-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分01050:美学および芸術論関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
永田 靖 大阪大学, 中之島芸術センター, 特任教授(常勤) (80269969)
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研究分担者 |
毛利 三彌 成城大学, 文芸学部, 名誉教授 (10054503)
野辺 優子 大正大学, 表現学部, 非常勤講師 (20454184)
小菅 隼人 慶應義塾大学, 理工学部(日吉), 教授 (40248993)
須川 渡 福岡女学院大学, 人文学部, 准教授 (50709566)
神崎 舞 同志社大学, グローバル地域文化学部, 准教授 (50755444)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
15,990千円 (直接経費: 12,300千円、間接経費: 3,690千円)
2025年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2024年度: 4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2023年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2022年度: 4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
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キーワード | アジア演劇 / グローバリゼーション / ポストコロニアル / パフォーマンス・アズ・リサーチ / 演劇史 / 神話とパフォーマンス / ポスト・コロナ時代の演劇 / 日系移民 / 植民地主義と演劇 / アジアの戦後政治と演劇 / リサーチ型演劇 / インターカルチュラリズム / 混淆主義 / 不安定性 / 脱中心化 / リサーチ・パフォーマンス / 地域演劇 / ポストコロニアル演劇 / 多言語演劇 |
研究開始時の研究の概要 |
西欧演劇の基本的な事項や概念によって構築されて来た演劇学演劇史に対してアジア演劇の歴史と特質の理解の重要性が認識されている。そのためにはアジア演劇についての重層的な理解に立つ研究が必要であり、そのためには国際的な比較共同研究が効果的である。またそこでは単に研究集会を開催するばかりではなく、日本を含むアジアの諸地域の演劇実践に参加し、また主催することで、応用演劇を基礎としてリサーチを進めてより深い理解を得ていく。アジア諸都市の研究者と次世代を担う若手研究者を多層的にネットワーク化し、アジア間の演劇研究の地域と世代を超えた国際共同研究を行う。
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研究実績の概要 |
2023年度には3度の国際研究集会を開催した。7月にアフリカの国立ガーナ大学にて開催されたIFTR国際演劇学会にて、Asian Theatre Working Groupのミーティングを開催した。期間中の7月25日、26日、28日の3日間に、フィリピン、英国、中国、ノルウェイ、台湾、日本などからの研究者の延べ9本の研究発表を行なった。テーマは「神話、神話創造、パフォーマンス」とし、アジア各国の神話創造とパフォーマンスの関係について実例を挙げながら議論した。各回20名ほどの研究者が出席し活発な議論を行なった。次に大阪大学演劇学研究室、韓国芸術綜合学校演劇院、上海戯劇学院、台北芸術大学戯劇学科の4校によるInternational Asian Theatre Studies Conferenceを、11月4日と5日の両日に上海戯劇学院にて開催した。各校から大学院生、教授陣を含む延べ25名ほどの参加者があり、18件の研究発表を行なった。テーマはReturning to the Theatre: Review and Prospectsであり、各国のコロナ禍明けの演劇状況の現状や問題点、また変化などについて活発な議論を行なった。さらに2024年3月23日と24日の両日には、東京の明治大学にてTomoko Saito Memorial Colloquium of Asian TheatreをPolitics and Theatre in Modern Asiaをテーマに開催した。これはこの科研を通じて培ったネットワークを生かして、インド、台湾、ベトナム、韓国、中国、そして日本からの研究者延べ9人が発表を行い、アジアの政治と演劇の関係について、互いの意見を交換し合うことができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2023年度には3回の国際研究集会を開催することができた。これは当初予定していた2回の研究集会を超えたもので、計画以上の進展と考えることができる。実践と研究とを交差させる実践的研究の試みとして研究上演と研究展示を行うことができた。これは戦前戦後通してのアジア(とオセアニア)での日系移民の歴史と実態を踏まえた実践的な研究として、シドニー在住の写真家金森マユ作『ヤスキチ・ムラカミ 遠いレンズを通して』の上演と関係する展覧会を開催するものである。Performance as Research の実践として極めて有効かつ有意義な試みであった。コロナ禍による3年間のオンラインでの開催を経て、昨年度は4年ぶりの対面での研究集会開催となり、アジアの演劇研究者や東アジアの演劇大学の大学院生の研究交流を推進することができた。
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今後の研究の推進方策 |
今後もこの2年間の経験を基礎にして、アジアにおける演劇研究者と大学院生など若手研究者の相互交流を活発化させながら研究を行なっていく。2024年度には、まず7月にはフィリピンの国立マニラ大学ジリマン校で、現代の悲劇をテーマにアジア演劇の集会を持ち研究発表を行う予定で現在準備中である。また11月には韓国芸術綜合学校演劇院での上記4大学の国際アジア演劇学会議を開催する予定でこちらも現在準備中である。また3月にはベトナムかマレーシアにて研究集会を現在計画しているところであり、これまでにない研究者のネットワークの拡大を期待している。また昨年度実現した研究上演についても現在準備中である。関西新劇をテーマにした研究上演を行い、研究上の手法の開発を試みると同時に、アジア演劇としての関西新劇の側面を明らかにしていく。
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