研究課題/領域番号 |
23K21888
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補助金の研究課題番号 |
22H00616 (2022-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2022-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分01050:美学および芸術論関連
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研究機関 | 関西大学 |
研究代表者 |
三村 尚彦 関西大学, 文学部, 教授 (10309205)
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研究分担者 |
岡村 心平 神戸学院大学, 心理学部, 講師 (10826374)
村川 治彦 関西大学, 人間健康学部, 教授 (20527105)
小室 弘毅 関西大学, 人間健康学部, 教授 (30551709)
平井 章一 関西大学, 文学部, 教授 (30640255)
門林 岳史 関西大学, 文学部, 教授 (60396835)
染谷 昌義 北海道大学, 人間知・脳・AI研究教育センター, 博士研究員 (60422367)
稲垣 諭 東洋大学, 文学部, 教授 (80449256)
馬 定延 関西大学, 文学部, 准教授 (90625047)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
12,220千円 (直接経費: 9,400千円、間接経費: 2,820千円)
2024年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2023年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2022年度: 7,930千円 (直接経費: 6,100千円、間接経費: 1,830千円)
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キーワード | 荒川修作 / マドリン・ギンズ / 身体論 / 実験映画 / 建築 / 映画研究 / 現代アート |
研究開始時の研究の概要 |
1960年度以降、ニューヨークを拠点として芸術活動を行った現代美術家の荒川修作とパートナーで詩人・哲学者のマドリン・ギンズは、絵画、彫刻、建築など多くの作品とともに、2本の映画作品《Why Not》1969年、《For Example》1971年を制作した。本研究は、その映画作品成立過程を光を当て、関連資料とともアーカイブを構築して調査研究を行う。
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研究実績の概要 |
本研究課題は、荒川+ギンズが制作した2本の映画フィルム《Why Not(A Serenade of Eschatological Ecology)》(1969年)と、《For Example(A Critique of Never)》(1971年)およびそのアウトテイクフィルムをデジタル化し、それの分析研究を通して彼らの身体論を明らかにすることを目的としている。 2023年度は、前年度(2022年度)に行ったニューヨーク荒川+ギンズ財団が保有する映像フィルムのデジタル化の作業を受け、研究分担者および研究協力者がそれらの映像ファイルを個別に自由に閲覧できる共有体制を整えた。またすべてのフィルムの映像内容をテキスト化する作業を完了させた。 それらの作業をふまえ、オンラインのミーティングと対面での研究会を実施し、映画制作過程についてこれまで知られていなかった事実を突きとめるに至った。例えば、《Why Not(A Serenade of Eschatological Ecology)》のアウトテイクフィルムを確認することによって、当初はもう一人登場人物が予定されており、それはマドリン・ギンズであったことがわかった。また荒川の撮影手法やテスト撮影の状況から、ライティングやカット割りに関する意図も、公開版とは違ったものが見えてきた。 今後は、こうした事実を当時の関係者への聴き取り調査などを通じて検証していくとともに、これらの研究にもとづき、荒川+ギンズの映画制作およびそこで表現しようとしていた身体思想、当時の実験映画制作シーン、現代アートシーンに対する彼らのスタンスを明らかにしていく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究計画で予定していた106本のフィルムのデジタルファイルにもとづく内容分析に着手し、これまで知られていなかった制作過程を明らかにできたことから、(2)おおむね順調に進展している、と判断した。 なお今年度(2023年度)に映画制作時の関係者(出演者)に対してのインタビューを実施する計画だったが、先方とのスケジュール調整がうまくいかず、やむなく来年度(2024年度)に延期することになった。なお、すでに日程的な調整に着手しているので、2024年度は計画通り実施する。
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今後の研究の推進方策 |
研究代表者、分担者で共有しているフィルム資料のデジタルデータアーカイブを利用して、主に哲学、心理学、メディア論、芸術学の視点から、荒川+ギンズは映画製作において何を実現しようとしていたのか、また彼らの独自の哲学、身体論の萌芽、また実験映画の動向などの問題を論じていく予定にしている。 また2024年8月のローマで開催される世界哲学会議に荒川+ギンズの哲学とアートをテーマにしてパネルディスカッションを実施し、世界に向けて本研究課題の成果を発表していき、国際的な研究交流を進めていく予定である。
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