研究課題/領域番号 |
23K21896
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補助金の研究課題番号 |
22H00624 (2022-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2022-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分01070:芸術実践論関連
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研究機関 | 富山大学 |
研究代表者 |
清水 克朗 富山大学, 学術研究部芸術文化学系, 准教授 (70235646)
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研究分担者 |
長柄 毅一 富山大学, 学術研究部芸術文化学系, 教授 (60443420)
宇野 隆志 奈良県立橿原考古学研究所, 調査部調査課, 主任研究員 (80739144)
清水 康二 奈良県立橿原考古学研究所, 企画学芸部企画課, 指導研究員 (90250381)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
18,070千円 (直接経費: 13,900千円、間接経費: 4,170千円)
2026年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2025年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 12,740千円 (直接経費: 9,800千円、間接経費: 2,940千円)
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キーワード | 古代青銅鏡 / 同笵 / 鏡笵再利用 / 鋳造実験 / 3D / 銅鏡 / 製作技術 / デジタルマイクロスコープ / 3次元計測 |
研究開始時の研究の概要 |
古代銅鏡の製作技法に、現代へ伝承されない鋳造技法があることが明らかになりつつある。伝統的な鋳造では、土製鋳型を焼成する前の柔らかい状態で成形をすませるが、古代東アジアの銅鏡製作においては鋳型を焼成した後の硬化した状態で成形する事例を想定できる。また、一つの鋳型から複数の銅鏡を製作する「同笵技法」が多用されていること、さらに鋳型の傷みが進むと、その部分を削り込み、そこに新たに器体を彫り込む「鏡笵再利用技法」が確認されている。 本研究では、これまで続けてきた古代銅鏡の観察調査の成果を元に、これらから導き出せる失われた古代鋳鏡技法の復元実験をおこない、その実態を明らかにする。
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研究実績の概要 |
令和5年度実績概要は以下のとおりである。 (1)前年度に引き続きデジタルマイクロスコープによる鏡笵片の観察:前漢時代前半と推定される鏡笵片を拡大観察し、鏡笵材料の製作方法について検討した。この観察結果から砂、粘土、籾殻などを原材料とする複数の製作法を考案し製作実験を試みるも大きな成果には至っていないが、ある程度の方向性が見出された。 (2)銅鏡資料調査の実施:研究分担者とともに複数の銅鏡所蔵機関において資料調査を実施し、多くの観察所見を得た。実施方法は、熟覧、写真撮影、3次元計測で、研究分担者と役割分担し調査を進めた。熟覧は微細な製作技術上の痕跡を確認するための基本的な作業であることから多くの時間を費やすよう努めた。写真撮影では調査後の画像による検証が十分におこなえるように高精細カメラを使用し、ピクセルシフト撮影によって高画素の画像データを得た。3次元計測で取得したデータは、観察所見の検証に使用するとともに本研究の主体となる鋳造実験での鋳型製作や、コンピュータ上での鋳造シミュレーションに活用するため必要不可欠であり、この調査により多くの3次元計測データを収集することができた。 (3)実証実験に向けての作業実施:資料調査で得た成果物の整理作業として、銅鏡観察記録のデータ化、撮影写真の整理、3次元計測データの編集をおこなった。いずれも専用ソフトウェアを利用して、研究成果公表のための基礎データとした。さらに実験用の地紋のみを再現した銅鏡3Dデータを作成し実験用鏡笵作成の準備を進めた。現在、調査所見を踏まえた研究成果として、鏡笵再利用技法に関する投稿論文を作成している。また、これらの所見をもとに鋳造実験の方針についても検討した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
考古資料の整理に時間を要し実証実験を軌道に乗せるまでに至っていないが、多くの考古資料調査から得た知見から製作技法の考察を深めることができ、その成果を論文と学会での口頭発表により公開することができた。
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今後の研究の推進方策 |
令和5年度におこなった鏡笵材料の検討と資料調査で得られた知見をもとに、本研究の要である笵材焼成後加工を見据えた3D切削機による切削加工鏡笵製作と、これを用いた鋳造実験を実施することを推進していく。合わせて資料調査も継続して行い、調査成果の蓄積とその整合性の検証をおこなっていく予定である。
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