研究課題/領域番号 |
23K21907
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補助金の研究課題番号 |
22H00635 (2022-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2022-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分01080:科学社会学および科学技術史関連
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研究機関 | 電気通信大学 |
研究代表者 |
佐藤 賢一 電気通信大学, 大学院情報理工学研究科, 教授 (90323873)
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研究分担者 |
平岡 隆二 京都大学, 人文科学研究所, 准教授 (10637622)
橋本 雄太 国立歴史民俗博物館, 大学共同利用機関等の部局等, 准教授 (10802712)
梅田 千尋 京都女子大学, 文学部, 教授 (90596199)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
14,560千円 (直接経費: 11,200千円、間接経費: 3,360千円)
2026年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2025年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2024年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2023年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2022年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
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キーワード | 近世日本数理科学史 / 和算史 / 天文暦学史 / 陰陽道史 / デジタルヒューマニティー / 近世日本科学史 / 測量術史 / 天文学史 / 本草学史 / 人文情報学 |
研究開始時の研究の概要 |
研究の目的を達成するために、以下の研究活動を実践する。 ・全国の図書館、博物館等の機関に所蔵される近世日本数理科学関係史料の情報を収集精査し、未調査の史料群については必要に応じて現地調査を実施する。 ・これらの史料を史料論的、文献学的に分析を行い、内容の確定の他に伝来経路の探索、他史料との比較分析(校合・系統推定)を実践する。 ・上記分析のための支援ツールを開発し、実物史料の調査と並行して実装を目指す。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は次のとおりである。近世日本の数理科学(和算・測量術・天文暦学)の歴史研究では、従来、各分野の個別研究が主体で、複数分野を横断的かつ総合的に研究する態勢が手薄であった。この状況を改善すべく、先行研究では紹介されていない史料群の領野横断的共同研究を実践し、文献史料の研究支援システム構築を進める。特に、分析・校合した諸史料の作成者や地理的分布情報を利用することで、当時の数理科学関係者の人脈や数理科学的知識の普及の分析も行う。最終的な目標として、測量術、和算、天文暦学(含・陰陽道)の各分野で従来の定説に修正を迫る成果を集約し、近世日本数理科学の新たな歴史叙述を提示する。 この研究目的に基づき、2023年度内には計2回・4機関の現地史料調査、見学観察を実施した。(和算、天文暦学史料の調査・見学:長野市立博物館、北杜市郷土資料館、鍋島徴古館、佐賀県立博物館) 研究代表者・佐藤は国際シンポジウムで1回口頭発表を行い、和算史2本、測量術史1本、の論考を発表した。共編著として『関孝和全集』(岩波書店、2023年10月)を刊行した。 代表者・分担者計4名の連名の業績として、天文暦学史(幕府天文方関連)の論考を1本公開した。 各分担者の業績として、平岡はキリシタン関連論考を1本、南蛮天文学その他の口頭発表を4本公開した。梅田は陰陽道史に関する論考1本と口頭発表1本を公開した。 総合的な成果公開に向けて天文暦学史、洋学史、和算史に関わる論文集の編集企画を開始し、2024年度中の刊行を目指している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
研究代表者・佐藤は編者の一人として『関孝和全集』(岩波書店、2023年10月)を刊行した。これに付随する成果として、関流和算書の写本『解見題之法』の校合と系統推定を主題とする論考を発表した。全集のみならず、追加的論考を公開できたことを以て進捗の評価とした。 他にも、佐藤と分担者3名、梅田・平岡・橋本の連名で『洋学』第30号(2023年4月)に開陽丸海底遺跡から引き揚げられた和算書、天文暦学書の同定に関する論考を発表した。この内容を一部として収録する論文集企画を2023年中に構想し、出版社との刊行に向けた交渉も一通り完了させた。この論文集の準備作業が当初の予定よりも早く進んでいることから、これについても進捗評価の対象とした。 測量術史分野の成果として、やはり『洋学』第30号に佐渡の測量術の歴史に関する論考を1本、佐藤が発表した。この成果から発展して、2023年に洋学史学会で口頭発表を行った内容が得られた。これについては2024年4月に『洋学』第31号誌上で発表した。 以上が2023年度の研究活動の進捗の評価理由である。
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今後の研究の推進方策 |
・これまでの史料調査結果に基づいて、天文暦学分野、具体的には幕府天文方に関する主題の学術書(論文集)を2024年度内に刊行する。2023年度末現在、出版社との交渉は完了している。(担当・佐藤、梅田、平岡) ・和算家・関孝和の著作の校合作業を進め、この作業で得られた情報をサンプルとして文献史料の分析支援システムの開発をさらに進めていく。具体的な著作としては『解隠題之法』と『解伏題之法』の分析に着手する。(担当・佐藤、橋本) ・現地史料調査を2023年度同様に実施する。 ・研究を遂行する上での問題点は現時点では発生していないので、当初の研究計画通りに進める。
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