研究課題/領域番号 |
23K21909
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補助金の研究課題番号 |
22H00637 (2022-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2022-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02010:日本文学関連
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研究機関 | 東京学芸大学 |
研究代表者 |
黒石 陽子 東京学芸大学, 教育学部, 名誉教授 (40247268)
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研究分担者 |
森 貴志 梅花女子大学, 公私立大学の部局等, 准教授 (00792912)
東 晴美 日本女子大学, 文学部, 研究員 (10277808)
田草川 みずき 千葉大学, 大学院人文科学研究院, 准教授 (10367097)
小林 左絵 (上野左絵) 日本女子大学, 文学部, 研究員 (10771933)
原田 真澄 早稲田大学, 坪内博士記念演劇博物館, その他(招聘研究員) (40580444)
坂本 清恵 日本女子大学, 文学部, 教授 (50169588)
高井 詩穂 早稲田大学, 文学学術院, 准教授 (60813780)
飯島 満 独立行政法人国立文化財機構東京文化財研究所, 無形文化遺産部, 客員研究員 (90392547)
内山 美樹子 早稲田大学, 文学学術院, 名誉教授 (30063704)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
16,120千円 (直接経費: 12,400千円、間接経費: 3,720千円)
2026年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2025年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2024年度: 4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2023年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2022年度: 4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
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キーワード | 義太夫節浄瑠璃 / デジタル・アーカイブ / 音曲研究 / 浄瑠璃作品研究 / 言語研究 / 翻刻 |
研究開始時の研究の概要 |
現在人形浄瑠璃文楽として上演される作品の多くは、近松門左衛門没後18世紀半ばの時期に合作者制度のもとで作られたものである。しかしこれらの作品はこれまでにその一部しか翻刻されず、作品を読むことが困難であり、研究も十分には進んでこなかった。本研究ではこの時期の未翻刻の義太夫節浄瑠璃作品を翻刻し、読みやすい状況を作って鑑賞や実演の参考に資するとともに、デジタルアーカイブ化することにより、人形浄瑠璃研究の資料として活用できるだけでなく、音曲研究、言語研究、作品研究、さらに日本文学史、文化史研究の資料として広く活用できる状況を作ることを目指している。
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研究実績の概要 |
本研究は最盛期義太夫節浄瑠璃作品の、古浄瑠璃から現代まで続く浄瑠璃史のみならず、日本文学・文化史への新たな位置づけを実現することを目的とする。 本研究課題の学術的特色の第一は、義太夫節人形浄瑠璃の最盛期作品を、これまでに蓄積した浄瑠璃本文・節付のデジタル・アーカイブを使用して、体系的及び学術的な分析・研究を行おうとする点にある。今回の研究では、これまでの研究成果の蓄積に加えて、さらに①義太夫節浄瑠璃最盛期の有名・無名を問わない浄瑠璃作品の翻刻を進め、刊行による公開を目指す。同時に②蓄積した翻刻データのデジタル・アーカイブ化を行い、学術上の未知の諸情報を提供し、語彙索引・節付索引の整備を目指す。 このうち①については、昨年度『義太夫節浄瑠璃未翻刻作品集成』の第8期掲載作品として決定した次の11点の作品『今様傾城反魂香』(東晴美)『契情我立杣』(田草川みずき)『ひらかな盛衰記』(桜井弘)『今川本領猫魔館』(上野左絵)『青梅撰食盛』(坂本清恵)『義経新含状』(飯島満)『詩近江八景』(山之内英明)『浦島太郎倭物語』(黒石陽子)『花筏巌流島』(高井詩穂)『源平布引瀧』(川口節子)『契情買指南』(坂本清恵)の第1次翻刻を完了することを目指し、その上で担当者を交替しての第2次翻刻を開始することを目指した。②については昨年度に引き続き、各作品の担当者が①の翻刻作業を進めながら、留意された問題点を提出し、検討課題として集約することを継続した。これらは浄瑠璃正本で使用される漢字の調査・分析、音曲研究における節付索引作成方針の検討へつなげていく基盤のデータである。さらに昨年度に引き続き、『義太夫節浄瑠璃未翻刻作品集成』第1期~第7期までに公刊した72作品のテキストファイルの精査を実施し、語彙情報を付加するタグ付け作業を進めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
コロナ感染症拡大がある程度の収拾を見たことから、担当者による諸本調査・原本調査が実施しやすくなり、昨年度行えなかった原本調査を行うことができた。11作品についての第1次翻刻を7月中に全て完了することができた。同時に研究成果公開促進費に応募し、『義太夫節浄瑠璃未翻刻作品集成』第8期の刊行を具体的に進めることとした。第2次翻刻を開始し、より正確な翻刻本文完成のための作業に入ることができ、翻刻を進めている。
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今後の研究の推進方策 |
幸い2024年3月末に研究成果公開促進費の採択が内定し、次年度は『義太夫節浄瑠璃未翻刻作品集成』第8期、11作品公刊に向けて、一作品につき、担当者を中心に複数の目を通して五段階にわたって翻刻を確認・点検する作業を行い翻刻本文の完成を目指す。また解題作成のためのさらなる書誌調査、文献調査を行い、適切な解題作成を行う。 またこの作業の中で明らかになる、浄瑠璃正本で使用される漢字の調査・分析、節付けの問題点について引き続き検討を続ける。さらにテキストファイルのデータの精査、語彙情報を付加するタグ付けの作業も昨年度に引き続き行う。
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