研究課題/領域番号 |
23K21910
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補助金の研究課題番号 |
22H00638 (2022-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2022-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02010:日本文学関連
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
川平 敏文 九州大学, 人文科学研究院, 教授 (60336972)
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研究分担者 |
合山 林太郎 慶應義塾大学, 文学部(三田), 教授 (00551946)
高山 大毅 東京大学, 大学院総合文化研究科, 准教授 (00727539)
山本 嘉孝 国文学研究資料館, 研究部, 准教授 (40783626)
天野 聡一 早稲田大学, 教育・総合科学学術院, 教授 (50596418)
岩崎 義則 九州大学, 人文科学研究院, 准教授 (60294849)
吉田 宰 尾道市立大学, 芸術文化学部, 講師 (70878230)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
13,650千円 (直接経費: 10,500千円、間接経費: 3,150千円)
2025年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2024年度: 3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2023年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2022年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
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キーワード | 近世随筆 / 五井蘭洲 / 森槐南 / 中村蘭林 / 松浦熈 / 室鳩巣 / 永田善斎 / 朱子学 / 徂徠学 / 国学 / 博物学 / 木村蒹葭堂 / 林羅山 / 岡西惟中 |
研究開始時の研究の概要 |
「近世随筆」と呼ばれる書物群の内容は、たんに文学の範囲にとどまるものではなく、むしろ思想や歴史にまたがっているものが多い。そこで本研究では、文学・思想史・歴史をそれぞれ主として専攻する研究者が一堂に会して、「近世随筆」の成立・特徴・機能などの諸問題を、分野横断的に議論する。その成果は論文集としてまとめるが、それとは別に、未翻刻資料等のデジタル・テキスト公開も行う。
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研究実績の概要 |
本年度は、2回の研究会を開催した。1回目は、2023年7月1日(土)13:00~18:00、JR博多シティ会議室(福岡市)において、対面とオンラインとの併用方式。発表者・発表題目は、天野聡一(分担者・九州産業大学)「五井蘭洲の和学と随筆」、日置貴之(ゲスト・明治大学)「近世演劇研究と随筆」、合山林太郎(分担者・慶應義塾大学)「森槐南「徳川時代の詩学」考―評論・随筆から江戸漢詩史を再構築する」。天野氏は18世紀の和学、日置氏は19世紀の歌舞伎、合山氏は19世紀の漢詩文に関する随筆について、それぞれ報告した。対面参加者10名、オンライン参加者25名程度。 2回目は、2024年1月28日(日)13:00~18:00、慶應義塾大学(東京都)において、対面とオンラインの併用方式。発表者・発表題目は、山本嘉孝(分担者・国文学研究資料館)「随筆と「称謂」― 中村蘭林『学山録』における語の考証」、高松亮太(ゲスト・東洋大学)「和学者の「随筆」― 田安文化圏を中心に―」、岩崎義則(分担者・九州大学)「松浦熈編著『亀岡随筆』から復元する「安楽世界」―隠居大名の思想と実践―」。山本氏は18世紀の漢学、高松氏は18世紀の和学、岩崎氏は19世紀の大名の文事に関わる随筆について、それぞれ報告した。対面参加者16名、オンライン参加者26名程度。いずれの研究会においても、活発な議論が交わされた。 また代表者は、2023年12月27日(水)、第44回九州近世文学研究会において、「『駿台雑話』の諸問題」と題し、室鳩巣の随筆について口頭発表した。さらに、永田善斎『膾餘雑録』の書き下し文素稿作成作業を、大学院生を雇用して進めた。全5巻中、現在巻4の途中まで完了した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
申請書において年2回の研究発表会を対面+オンラインの併用形式で開催すること、その際に研究分担者のほか、毎回ゲスト迎えて報告をしてもらうことを掲げていたが、それが実現できている。参加者も40~50名近くおり、研究者コミュニティからも関心を持たれていることを実感する。また、研究会後のミーティングにおいて、当日の報告内容だけではなく、今後の方向性についての議論も行っており、分担者の意欲の高さもうかがえる。 そのほか、研究会メンバーには、研究期間内にひとり1点以上の、近世随筆資料にかんしてのデジタルテキスト作成を課しているが、それぞれに書目の選定を始めたり、すでに作業に取り掛かっているという報告を受けている。 以上を総合して、おおむね順調に進展していると判断する。
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今後の研究の推進方策 |
24年度も、年に2回の研究会を実施予定であり、すでに6名の報告者もおおむね決定している。前回までの反省点として、隣接分野(たとえば、文学であれば思想史・歴史学)とのかかわりを、もっと意識した視点が必要ではないかということがある。今後はその問題意識を、発表者に事前に共有しておきたいと思う。 また、分担者へは、近世随筆に関するデジタルテキスト作成について、あらためて周知するとともに、進捗状況を把握するようにする。さらに、最終的な成果報告としての論文集の作成へむけて、分担者を中心とした報告者へ、寄稿の準備をうながしたい。 個人的には、永田善斎『膾餘雑録』および室鳩巣『駿台雑話』の内容分析を進めるとともに、室鳩巣の随筆資料の周辺に存在する書簡資料の本文整定を手掛けたい。
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