研究課題/領域番号 |
23K21917
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補助金の研究課題番号 |
22H00645 (2022-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2022-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02020:中国文学関連
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
高津 孝 鹿児島大学, 法文学部, 名誉教授 (70206770)
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研究分担者 |
谷口 洋 東京大学, 大学院総合文化研究科, 教授 (40278437)
柳川 順子 県立広島大学, 人間文化学部, 教授 (60210291)
大木 康 東京大学, 東洋文化研究所, 教授 (70185213)
三木 夏華 鹿児島大学, 法文教育学域法文学系, 准教授 (80363604)
岩田 和子 法政大学, 法学部, 教授 (90581819)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
9,620千円 (直接経費: 7,400千円、間接経費: 2,220千円)
2025年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2024年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2023年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2022年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | 感情史 / 中国文学 / 俗文学 / 感情 / 一般民衆 / 中国俗文学史 / 科挙 / 中国古典詩歌 / 鄭振鐸 / 民衆 |
研究開始時の研究の概要 |
中国文学は、感情を扱う主要な分野であるが、系統的、総合的に感情を対象として研究が行われてきてはいない。これまでの研究は、概ね特定の個別的な詩人を対象に分析が進められ、優れた研究成果の蓄積を有しながら、その背景となる特定の時代、特定の社会における感情という問題について検討はされてこなかった。本研究は、中国の各時代の文学作品に表現された感情とはどのようなものであったのかを、特に俗文学という広く一般民衆に根ざした文学に基づいて明らかにし、最終的に中国感情史を構築することを目的とする。
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研究実績の概要 |
2023年度は、第68回国際東方学者会議・東京会議(5月20日(土)日本教育会館)において、本科研に関連するシンポジウム「鄭振鐸『中国俗文学史』とその後:歌謡と説唱研究の展開と課題」を開催し、本科研の研究代表者・高津が主催し、研究分担者・大木康が「近百年の中国歌謡研究」という研究発表を、岩田和子が「清代四川・湖南唱本の時代的展開とその意味」という研究発表を行った。本シンポジウムの趣旨は、「中国白話文学研究は、1917年、胡適が発表した「文学改良芻議」に端を発する。胡適は、白話文学運動の最も重要な原因の一つとして「一千年余りにわたる白話文学作品」を挙げる。歌謡と説唱について白話文学史を完成させたのが鄭振鐸『中国俗文学史』(1938年)である。今回、『中国俗文学史』日本語訳刊行を機会に、この100年に渡る歌謡と説唱研究の展開を展望し、最新の研究成果と課題を報告する」である。 また、9月16日には、鹿児島大学で、科研メンバー全員が参加し科研の総合研究会を開催した。高津が、科研の全体状況及び研究発表「唐代の下第詩」「李白と科挙」を行い、各自の研究状況について意見交換を行った。高津の研究発表は、唐代の科挙に関連する感情の問題を扱った発表で、これまで研究がなされてこなかった分野である。10月には、本科研の研究成果として、鄭振鐸『中国俗文学史』(商務印書館、2010年版(原本1938年))の全訳を、高津孝・李光貞監訳『中国俗文学史』(東方学術翻訳叢書、東方書店、2023年10月、880p)として刊行した。翻訳者として、本科研の研究代表者・高津、研究分担者・柳川順子、三木夏華、大木康、岩田和子が参加している。本書は、詩文を中心とする中国の伝統的古典文学の範囲外とされた俗文学(広義の民間文学)研究の嚆矢であり、本科研の目的である中国感情史の構築にとって基礎的な資料を提供するものとなっている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
本科研に関連したシンポジウム「鄭振鐸『中国俗文学史』とその後:歌謡と説唱研究の展開と課題」を、第68回国際東方学者会議・東京会議(5月20日(土)日本教育会館)において開催し、本科研の研究成果として、高津孝・李光貞監訳『中国俗文学史』(東方学術翻訳叢書、東方書店、2023年10月)を刊行した。加憲に直接関連したシンポジウムの開催と科研の成果としての図書の刊行は、当初の研究計画を上回る進展である。
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今後の研究の推進方策 |
2024年度は、さらに研究を進め、研究会を開催して、研究代表者、分担者のコミュニケーションと研究成果の交流を図る。また、最終年度2025年度に開催する国際シンポジウムの準備のため、中国、台湾、欧米の研究者との交流を行う。
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