研究課題/領域番号 |
23K21927
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補助金の研究課題番号 |
22H00655 (2022-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2022-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02060:言語学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
松本 和子 東京大学, 大学院総合文化研究科, 教授 (80350239)
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研究分担者 |
奥村 晶子 神田外語大学, 外国語学部, 講師 (20899174)
松田 謙次郎 神戸松蔭女子学院大学, 文学部, 教授 (40263636)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
13,260千円 (直接経費: 10,200千円、間接経費: 3,060千円)
2026年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2025年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2024年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2023年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2022年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
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キーワード | ollei / cherrang / charrach / disourse marker / grammaticalization / linguistic transfer / trend study / grammatcialization / Palauan / 言語転移 / トレンド分析 / 文法化 / パラオ語 / コロニアル英語 / nativization / 母語化 / 談話標識 / discourse marker / Palau / Palauan English / intersubjective / periphery / パラオ / パラオ英語 / 間主観化 / 周辺部 / Micronesian Englishes / colonial English / ミロネシア英語 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、これまで未開拓だったミクロネシア地域の複数の英語変種を比較研究することで、同地域内における英語変種の形成過程とその帰結に潜む普遍性を検出し、さらに、従来のコロニアル英語形成理論が米国支配下にある英語変種へも適用するかを検証していく。こうした試みは初めてのものであり、世界英語・コロニアル英語両分野の理論構築に飛躍的な発展をもたらす可能性を有するものだと考える。
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研究実績の概要 |
5ヵ年計画の2年目の研究として、本年度の前半はパラオで現地調査を再開した。昨年行ったパラオ英語の分析の中で、現地語であるパラオ語からの言語転移と思われる興味深い現象が観察されたことから、これを詳細に調べるため、見かけ上の時間を用いたパラオ語のバリエーション研究に着手した。各世代(10代~70代)の話者、計29名より言語データを収集し、現在その分析を研究分担者と共に進めている。管見の限り、これまでパラオ語の変異と変化に関する研究は行われていないため、本研究は新規性を有すると言えるだろう。 本年度の後半は、これまで各島の現地調査において統一した手法で収集してきた談話データを基に「ミクロネシア英語コーパス」の作成を試みた。さらに、その中の「パラオ英語コーパス」を用いて、談話標識の文法化に関するトレンド分析を行った。この研究成果を「Nativisation of Micronesian English: A trend study of discourse markers in Palauan English」として第27回環太平洋応用言語学会(27th Conference of Pan-Pacific Association of Applied Linguistics; PAAL)において報告するとともに、現在共編中の『Micronesian Englishes』(Mouton de Gruyter)に収録予定の「English in the Republic of Palau」および「Micronesian English or Micronesian Englishes?」の執筆を共同研究者(D. Britain, D. B. Hess, T. Leonhardt, S. Lynch)と共に進めることができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
いまだ終息しない新型コロナウイルス感染症の世界的な広がりにより、医療体制が脆弱なミクロネシア島嶼国(コスラエ、キリバス、ナウル等)への渡航は躊躇われた。このため申請当初予定していた現地調査に変更を強いられたことは否めない。しかし、その反面、既存の言語データを用いた分析を進め、その研究成果を国際学会で公表、さらに複数の論考にまとめることができた。
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今後の研究の推進方策 |
新型コロナウイルスが弱毒化しつつあることから、医療体制が比較的整っている島(グアム、サイパン、パラオ)での調査を継続していく予定である。 またパラオ英語の分析を進める中で、現地語であるパラオ語からの興味深い言語転移の現象が見出されたことから、今後はパラオ英語のみならず、パラオ語の分析も進め、ミクロネシア英語の形成における基層言語の影響に関する知見を深めていきたい。
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