研究課題/領域番号 |
23K21939
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補助金の研究課題番号 |
22H00667 (2022-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2022-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02090:日本語教育関連
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研究機関 | 東京外国語大学 |
研究代表者 |
伊集院 郁子 東京外国語大学, 大学院国際日本学研究院, 教授 (20436661)
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研究分担者 |
小森 和子 明治大学, 国際日本学部, 専任教授 (60463890)
李 在鎬 早稲田大学, 国際学術院(日本語教育研究科), 教授 (20450695)
高野 愛子 大東文化大学, 外国語学部, 准教授 (30771159)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
11,830千円 (直接経費: 9,100千円、間接経費: 2,730千円)
2026年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2025年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2024年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | アカデミック・ライティング / 日本語作文学習支援 / ライティング支援ツール / 教材開発 / 日本語教育 / ポータルサイト / ライティング教育支援 / コーパス調査 / 教材作成 / 日本語アカデミック・ライティング / ライティング用表現集 / ルーブリック |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、アカデミック・ライティングの学習および教育を支援するためのツールを開発する。具体的には、これまでに構築してきた作文コーパスや作文評価データ等の研究に基づき、レポート執筆に有用なコロケーションや結束性を高める接続表現、指示表現、書き手の考えを適切に伝達するモダリティ表現等の表現集、アカデミック・スタイルへの言い換え対照表をはじめ、学習者が課題に取り組む際に用いるチェックリスト、教員がフィードバック時に用いる評価用ルーブリックを作成する。学習者作文評価システム「jWriter」との連携についても検討し、最終的にはポータルサイトを開設して成果物を公開することを計画している。
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研究実績の概要 |
2022年度は、以下を行った。 1.さまざまなライティング教育の現場における実践とそこから見出された課題を共有し、どのようなライティング教育・学習支援が必要とされるかについて示唆を得ることを目的に、「多様な日本語ライティング指導の現状と課題」と題してオンラインにて国際シンポジウムを開催した。シンポジウムでは、国内の多様な現場(大学、日本語学校、通信教育)、海外の大学(アゼルバイジャン、シンガポール、スリランカ、中国、ドイツ)の事例について各現場の教育実践者から報告を行ったのち、ライティング教育の課題や展望についてディスカッションを行った。本シンポジウムを通して、「日本語作文学習のためのポータルサイト」の構成要素を検討した。 2.オンライン教材開発の基礎資料とするため、日本語教育のライティング教材で明示的に扱っている接続表現・指示表現・モダリティ表現・メタ言語表現を網羅的に拾い上げ、リスト化を行った。分析対象の教材として、中上級以上を対象とした留学生向けのアカデミックライティング用の総合的な教材で、2000年ごろから2020年の間に出版された9冊および1997年出版で現在に至るまで広く日本語教育現場で利用されている1冊(計10冊)を選定した。 3.ライティング教育・学習に資する既存のオンラインツールの調査に着手した。 4.アカデミック・ライティングの論理展開の指標となる言語項目のうち、接続表現に着目し、「日本・韓国・台湾の大学生による日本語意見文データベース」と「The Corpus of Multilingual Opinion Essays by College Students (MOECS)」を対象に、日本人大学生及び韓国語、中国語、英語を母語とする日本語学習者の意見文に出現する接続表現の分析を行い、日本語教育学会で発表を行った。 5.昨年度までの科研の成果に関し、『早稲田日本語教育学』に「【特集】ライティング評価の新潮流」として招待論文をまとめた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
初年度はアカデミック・ライティング用の日本語教材で取り上げられている言語項目リストの作成やライティング教育・学習に資する既存のオンラインツールの調査等、基礎調査に時間を費やした。次々と新しいオンラインツールが開発される中で、本研究が何を核とすべきか、今後も継続して検討を重ねる必要はあるものの、日本語教育実践者、言語データ分析者、日本語研究者、情報工学の専門家によるチームで研究の基礎固めをすることができた。
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今後の研究の推進方策 |
本年度も昨年度に引き続き、オンラインツール開発のための基礎資料の整備を進める。 第一に、昨年度作成した「留学生向けアカデミックライティング用教材で取り上げられている言語項目リスト(以下、「AW教材項目リスト」)に基づき、「接続表現」を対象に、日本語母語話者の使用実態との異同を調査する。続いて、「AW教材項目リスト」にある接続表現を、母語話者がどのようなレジスターでどのように使用しているのかを明らかにする。なお、来年度以降、同じ手法で「指示表現」「モダリティ表現」についての調査にも着手する予定である。最終的には、これらの調査結果から、「AW教材項目リスト」と留学生の作文の産出例との関係についても考察を加え、表現リスト集を完成させる。 第二に、ライティング教育・学習に資する既存のオンラインツールの調査を継続する。 第三に、アカデミック・ライティングにおける誤用例文集の作成に着手する。これにより、練習問題等の教材を作成する際の基礎資料とする。 第四に、昨年度作成した作文評価用ルーブリック(第3版)及び学習者用のチェックリストを試用し、改善の必要性の有無を検討する。
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