研究課題/領域番号 |
23K21942
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補助金の研究課題番号 |
22H00670 (2022-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2022-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02090:日本語教育関連
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研究機関 | 創価大学 |
研究代表者 |
山岡 政紀 創価大学, 文学部, 教授 (80220234)
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研究分担者 |
宮原 千咲 大阪観光大学, 別科, 講師 (00779267)
小野 正樹 筑波大学, 人文社会系, 教授 (10302340)
大堀 裕美 創価大学, 文学部, 非常勤講師 (10966774)
牧原 功 群馬大学, 大学教育・学生支援機構, 准教授 (20332562)
斉藤 信浩 創価大学, 文学部, 教授 (20600125)
中後 幸恵 創価大学, 公私立大学の部局等, 助教 (20964745)
甲田 直美 東北大学, 文学研究科, 教授 (40303763)
長谷川 守寿 東京都立大学, 人文科学研究科, 教授 (50272125)
斉藤 幸一 大阪電気通信大学, 教育開発推進センター, 特任講師 (50649845)
三宅 和子 東洋大学, 人間科学総合研究所, 客員研究員 (60259083)
大和 啓子 群馬大学, 大学教育・学生支援機構, 講師 (60640729)
李 丹 創価大学, 文学部, 非常勤講師 (60876704)
伊藤 秀明 筑波大学, 人文社会系, 准教授 (70802627)
西田 光一 山口県立大学, 国際文化学部, 教授 (80326454)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
7,540千円 (直接経費: 5,800千円、間接経費: 1,740千円)
2025年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2024年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2022年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 配慮表現 / ポライトネス / 対照研究 / 敬意表現 / 慣習化 / 日本語 / 英語 / 中国語 |
研究開始時の研究の概要 |
配慮表現とは「他者との対人関係を良好に維持するために用いられる慣習的な表現」である。配慮表現には「つまらないものですが」、「お言葉に甘えて」、「お安い御用です」などのように対人コミュニケーションで相手への配慮を意識して頻繁に使用されるものであり、使用頻度の高さも認識されるようになった。現在ではその定義や分類法も確立され、一般的な関心も高まりつつある。本研究課題は配慮表現の実態を明らかにし、それを一冊の辞典にまとめて日本語教育関係者をはじめとする日本語文化社会に向けて研究成果を提供したいと考えている。
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研究実績の概要 |
2022年度4月より科学研究費補助金基盤研究(B)の新研究課題「多言語配慮表現データベースの構築と配慮表現辞典の編纂」の採択を受けた。これは同・基盤研究(B)の前研究課題「日本語配慮表現辞典の基盤形成のための配慮表現正用・誤用データベースの構築」を継承しつつ新たな段階に入るものである。新課題の研究活動には大きく2本の柱がある。第一に、『日本語配慮表現辞典』を編纂し、刊行することである。第二に、配慮表現研究を多言語に拡張することである。 第一の辞典編纂についてはくろしお出版との企画が合意に達し、本年より具体的な執筆・編纂活動に入ることとなった。6月にはそのための第1回執筆者協議会を行った。ここでは、辞典のページレイアウト、各ページの記載項目、執筆方針、各担当者の項目分担等について協議し、合意を得た。2023年3月には第2回執筆者協議会を開催し、各項目内容について意見交換を図った。3月末日をもって第Ⅰ期の項目執筆を終えたところ、22項目の原稿が完成した。 第二の多言語展開についてはこれまで何度かの学会ワークショップで検討を重ねてきた内容を書籍化して世に問うこととし、論文集『世界の配慮表現』の刊行を進めることとなり、版元についてはひつじ書房と合意に至った。現在、執筆者9名による11章の執筆を継続中である。 これらの事業を進めるための検討会議として、8月には静岡にて3年ぶりとなる対面の研究合宿を行った。ここには研究代表者1名、研究分担者8名、研究協力者6名の計15名が集い、辞典編纂および多言語展開の両面について中間発表的な研究報告・意見交換を行った。 2023年3月にはこの1年間の研究成果のまとめとして『日本語コミュニケーション研究論集』第12号を発刊した。ここには研究論文4編を収めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2022年6月、8月、2023年3月の3度の研究会(協議会)を予定通り開催でき、2023年3月には例年通り『日本語コミュニケーション研究論集』第12号を発刊することもできた。これにより、本研究課題の初年度研究計画の二つの柱である『日本語配慮表現辞典』の編纂と『世界の配慮表現』の論文執筆をほぼ計画通りに進行させることができたと考えている。
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今後の研究の推進方策 |
2023年度の本研究プロジェクトの研究活動として主として以下の6項目を計画している。 1.多言語配慮表現データベースの入力作業:①日本語および他言語の配慮表現に該当する語彙・表現を出来る限り多く認定する。②各配慮表現の正用例を日本語コーパスや各言語のコーパスから収集する。③各配慮表現が使用される文脈を記述する。具体的には、発話の発話機能や、発話を取り巻く語用論的な状況をコーパスの用例をもとに帰納的に記述する。④各配慮表現の使用文脈とポライトネス機能との相関を、LeechおよびBrown & Levinson のポライトネス理論をもとに分析し、考察する。⑤日・中・英の3言語間の配慮表現の対訳と対応関係のタイプを必須項目として記述する。今年度の目標としては約200項目の入力を目指す。2.論文集『世界の配慮表現』(ひつじ書房)の刊行:①日・中・英の3言語のほか、韓国語、タイ語、アラビア語を加えた6言語に関する配慮表現の研究論文を収めた論文集の執筆を2022年度から継続し、2023年度6月には執筆を完了する。②7月以降、編集・校正作業を行い、本年11月に刊行する予定である。3.7月に開催される国際語用論学会IPrA第18回大会(ブリュッセル自治大学)において当研究チームによるパネルを行う。4.『日本語配慮表現辞典』(くろしお出版)の執筆:①2023年度は辞典項目執筆第II期として約50語の項目執筆を目指す。②8月には研究合宿を開催して辞典項目原稿の協議、検討を行い、2025年度の刊行を目指して内容の強化を図る。5.12月には日本語用論学会第26回大会(創価大学)にて、世界の配慮表現をテーマとするワークショップを行い、IPrAでの研究成果を改めて日本国内で問う。6.2024年3月には今年度の研究成果を集約した論文集として『日本語コミュニケーション研究論集』第13号を刊行する。
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