研究課題/領域番号 |
23K21958
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補助金の研究課題番号 |
22H00686 (2022-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2022-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分03010:史学一般関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
伴瀬 明美 大阪大学, 大学院人文学研究科(人文学専攻、芸術学専攻、日本学専攻), 教授 (90292797)
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研究分担者 |
三田 辰彦 東北大学, 文学研究科, 専門研究員 (00645814)
豊島 悠果 神田外語大学, 外国語学部, 教授 (10597727)
稲田 奈津子 東京大学, 史料編纂所, 准教授 (60376639)
江川 式部 國學院大學, 文学部, 准教授 (70468825)
古松 崇志 京都大学, 人文科学研究所, 教授 (90314278)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
16,120千円 (直接経費: 12,400千円、間接経費: 3,720千円)
2026年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2025年度: 4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2024年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2023年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2022年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | 東アジア / 王室 / 儀礼 / 比較史 / 後宮 / 皇后 / 金 / 礼制 / 后位 / 中国礼制 |
研究開始時の研究の概要 |
前近代東アジア地域の諸王室は、中国礼制の影響のもと、制度や称号・身位において多くの共通点をもつ。しかし、制度運用の実態や称号・身位のあり方は王室によって大きく異なり、とくに非漢族国家では〈逸脱〉ともいうべき事例が見出せる。 本研究では時代的地理的に広範な東アジア諸地域における王室儀礼を中国礼制と相互に比較し分析することによって、中国礼制の継受から〈逸脱〉まで多様な受容のあり方の具体的様相とその多様性をもたらした歴史的背景を考察し、礼制伝播のあり方という視点から東アジアにおける多様性の歴史的意義の解明を目指す。 また研究に用いた資料・データを公開し、今後の比較史研究にむけた研究基盤を形成する。
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研究実績の概要 |
本研究は、「后位」(皇后、王后等)関連儀礼を中心に、時代的地理的に広範な東アジア諸地域における王室儀礼を中国礼制と相互に比較し分析することによって、中国礼制の継受から〈逸脱〉まで多様な受容のあり方の具体的様相を明らかにするとともに、その多様性をもたらした歴史的背景を考察し、礼制伝播のあり方という視点から東アジアにおける多様性の歴史的意義の解明を目指すものである。 本年度は昨年度につづき、金(12世紀前半に女真が中心となり東北アジアに勃興)の后位儀礼を中心に研究を行った。本研究においては、礼制受容の多様性を具体的に析出する手段として、主要礼典・儀礼書における王室儀礼儀注の解読・訳注の作成を研究計画の中核としており、現在、金の儀礼書『大金集礼』に収められた皇后・皇太后関連儀礼の儀注を解読することによって、金における皇后や後宮の成立期の様相を考察している。 定例研究会である「東アジア后位比較史研究会」では、非漢族王朝である高麗、朝鮮、日本の祭祀儀礼、宗教儀礼に関する研究報告をもとに、各王室の儀礼のあり方の多様性について考察を深めた。現地調査に関しては、本年度は沖縄本島所在の琉球王朝の儀礼史跡についての調査を行った。関連する文献史料を調査した後、喪葬や祖先祭祀に関する史跡を巡見し、明清による冊封下で影響を受ける一方で、王権儀礼においては強い独自性を有した様相を検証した。 また、北魏・朝鮮・高麗の后位や後宮に関する最新の研究成果となる中国・韓国研究者の論文の翻訳を進めた。 さらに、これまでの研究成果を広く公開することを目指し、本研究課題への参画研究者を中心とした内外研究者の執筆による東アジア諸地域の後宮をテーマとした一般向け論文集を編集・刊行した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究計画で掲げた訳注対象儀礼書のうち、着手できているのは現在訳注中の『大金集礼』のみだが、本書の訳注により、事前に推測した以上に本研究課題にとって重要な発見が得られているため、重点的に訳注を行う意義があると考える。 また、研究成果を単行本として公表できた点では計画以上に順調である。 本年度に計画していた外国語主要論文集の刊行は、前記単行本編集作業のために次年度に延期したが、翻訳作業は順調に進んでいる。また、現地調査の進捗については計画どおりである。
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今後の研究の推進方策 |
『大金集礼』の訳注については、現在作業中の第五巻を本年度中に終える見通しであるが、本書の訳注は学術的意義が高いため、ひきつづき巻六・巻七の后妃関連儀礼に進む予定である。 「東アジア后位比較史研究会」においては、南漢、日本、朝鮮半島における后位関連儀礼等を専門とする研究者を招き、議論を通じて関連学知の獲得につとめる。 2024年度は2023年度に刊行できなかった外国語主要論文の翻訳論文集を研究成果報告書として刊行する予定である。 また、文献目録の増補をひきつづき行い、海外の研究動向の把握に努めるとともに、次年度以降の増補分の公開にむけて準備作業を進める。現地調査については、中国(西安)における皇宮空間の調査を行うことを予定している。
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