研究課題/領域番号 |
23K21966
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補助金の研究課題番号 |
22H00694 (2022-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2022-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分03020:日本史関連
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
春田 直紀 熊本大学, 大学院人文社会科学研究部(文), 教授 (80295112)
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研究分担者 |
佐藤 雄基 立教大学, 文学部, 教授 (00726573)
小川 弘和 熊本学園大学, 経済学部, 教授 (10320417)
似鳥 雄一 高千穂大学, 商学部, 准教授 (30719521)
榎原 雅治 公益財団法人地震予知総合研究振興会, 地震防災調査研究部, 副首席主任研究員 (40160379)
湯浅 治久 専修大学, 文学部, 教授 (70712701)
高橋 一樹 明治大学, 文学部, 専任教授 (80300680)
薗部 寿樹 山形県立米沢女子短期大学, その他部局等, 教授 (10202144)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
8,320千円 (直接経費: 6,400千円、間接経費: 1,920千円)
2024年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2023年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2022年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | 中世地下文書 / 文書実践 / 原本調査 / 有光家文書 / 国別中世地下文書目録 / 中世地下文書論 / 地下内部文書 / 荘官家伝来文書 / 近世地方文書 / 銘文と仏書 / 自治体会計簿・資産台帳 / 鎌倉幕府法 / 南朝綸旨・令旨 / 文書実践論 / 史料類型 / 地域社会の階層性 / 文書群の相互関係 |
研究開始時の研究の概要 |
研究目的を達成するために、本研究では①初年度に、中世地下文書研究の成果を文書実践論の観点から総括し、残された課題を明らかにするとともに、②2年目以降、中世文書の原本調査による文書実践論的研究を集中的に進める。 ①文書実践論の観点による中世地下文書研究の総括:総括の各論点を担当者が中心に整理した上で、本科研研究者とゲストスピーカーが報告者・パネリストを務めるシンポジウムとその準備会を初年度に開催する。 ②中世文書の原本調査による文書実践論的研究の推進:2年目は藤崎八旛宮文書、3年目は有光家文書を対象に、原本調査による文書実践論的な研究を推進する。
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研究実績の概要 |
2022年6月25日にオンライン・一般公開方式で第13回中世地下文書研究会を主催し、佐藤雄基が「法を手にした地頭と地下―鎌倉幕府法はどのように広がったか」、山田徹が「十津川の南朝綸旨・令旨」という題名で研究報告を行った。10月22日には立教大学でシンポジウム「中世地下文書論は何を明らかにしたか」を開催。春田直紀が「中世地下文書論の方法と射程」という報告で総論を述べたあと、各論では、薗部寿樹が「地下内部文書と名主座―木札を中心に―」、榎原雅治が「荘官家伝来の文書群から見える中世社会」、湯浅治久が「地下文書の生成・変容と権力秩序―近世地方文書への道程―」、上川通夫が「銘文と仏書からみた中世の民衆」、向井伸哉が「中世南フランスにおける自治体会計簿・資産台帳の伝播と受容」という題名で報告し、総合討論も行って、中世地下文書論による研究の成果と課題を確認した。 2022年度は研究協力者の協力を得て、土佐国、和泉国、紀伊国の中世地下文書総合目録(項目は、年月日、史料名、出典、刊本、袖判、花押・略押・筆軸印、差出、宛所、人名、地名、状態、備考)を作成した。土佐国の目録はほぼ完成したが、他の二国の目録作成は次年度以降も継続する予定である。 2022年は9月に熊本県あさぎり町にて免田文書、長野県諏訪市・茅野市にて大祝家文書・矢島家文書・守矢家文書の原本調査を実施し、11月には長野県立歴史館にて諏訪関連史料の調査も行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2022年度の目標は、中世地下文書研究の成果を文書実践論の観点から総括し、残された課題を明らかにする点にあったが、この課題についてはシンポジウム「中世地下文書論は何を明らかにしたか」における各報告と総合討論を通して取り組むことができた。 また、当初計画していた、一般公開の研究報告会や国別中世地下文書総目録作成も予定通り行うことができ、一定の成果を得ることができた。
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今後の研究の推進方策 |
2022年度に総括した中世地下文書研究の到達点と残された課題を踏まえ、2年目は有光家文書(山口県文書館蔵)、3年目は藤崎八旛宮文書(熊本市藤崎八旛宮蔵)を対象に、原本調査による文書実践論的な研究を推進する。 また、一般公開の中世地下文書研究会開催による個別研究の推進や、国別中世地下文書総目録の作成にも引き続き取り組んでいく。 なお、2023年度は論文集『列島の中世地下文書―諏訪・四国山地・肥後』を上梓するとともに、研究分担者である薗部寿樹の論文集『中世村落の文書と宮座』の合評会も開催する予定である。
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