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近代ヨーロッパにおける身体と環境のエコノミー

研究課題

研究課題/領域番号 23K21977
補助金の研究課題番号 22H00705 (2022-2023)
研究種目

基盤研究(B)

配分区分基金 (2024)
補助金 (2022-2023)
応募区分一般
審査区分 小区分03040:ヨーロッパ史およびアメリカ史関連
研究機関広島大学

研究代表者

春日 あゆか  広島大学, 人間社会科学研究科(総), 准教授 (30792220)

研究分担者 梅原 秀元  立教大学, 文学部, 特任准教授 (00840117)
高林 陽展  立教大学, 文学部, 教授 (30531298)
東風谷 太一  一橋大学, 社会科学古典資料センター, 助教 (50801198)
福元 健之  京都大学, 人間・環境学研究科, 准教授 (70802255)
研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2026-03-31
研究課題ステータス 交付 (2024年度)
配分額 *注記
14,040千円 (直接経費: 10,800千円、間接経費: 3,240千円)
2025年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2024年度: 4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2023年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2022年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
キーワード身体 / 環境 / ヨーロッパ / ビジネス / 公権力の介入
研究開始時の研究の概要

身体や環境に、国家・公権力が介入する在り方は、近代以降、より複雑化している。特に、自由主義的な社会では国家・公権力があらゆる事柄について露骨に介入することは困難であり、個人・家族・中間団体などが自らを統治するあり方についても注目されている。本研究ではなかでも経済主体(企業など事業主体)に着目する。先行研究をまとめて身体や環境への介入に経済主体がどのように関係したかについてレビューするとともに、イギリスの環境と健康、ドイツの食品と教育、ポーランドの健康の五つの事例研究を行い、ヨーロッパ近代の身体と環境への介入における、経済主体の関わりを明らかにしたい。

研究実績の概要

身体や環境に公権力が介入するあり方は、近代以降複雑化している。特に、自由主義的社会では直接的な介入に一定の制約があり、人々の行動変容を促すような間接的な介入も重視される。その際、専門家などの知識が大きな役割を果たすことも多い。また、ここで見られる権力関係は公権力と個人の二極だけで説明できるものではなく、様々な中間団体・組織が関与する。先行研究でも様々な中間団体・組織の関わりが論じられてきたが、本研究では、これまで十分に研究がなされてこなかった経済主体(ビジネス)を扱う。
2023年度は4年計画の2年目にあたった。研究計画では、国内の学会・研究会で暫定的な成果を発表し、コメントを求め、研究に反映しつつ史料調査と分析を継続する計画になっている。研究代表者は国内の研究会(身体・環境史研究会)で身体や環境への介入に関する先行研究のレビューを行いつつ、これに関する事例研究としてイギリスの煤煙問題とそれへのビジネスの対応について暫定的な報告を行った。
また、身体や環境への介入におけるビジネスや市場の役割について、研究代表者と研究分担者の間での理解を深め、また研究の必要性を明確化するためにも、このテーマについての文献レビューを共同で執筆する計画を初年度に追加的に立てており、2年目である2023年度は、これに特に注力した。研究代表者は身体や環境への介入がどのようなアプローチでこれまで研究されてきたかについて文献調査を行い、ミシェル・フーコーに影響を受けた統治性に関する研究やリベラルガバナンスに関連する研究を調査した。これらの先行研究から、自由主義社会では身体や環境への間接的な介入が重要な意味を持つとの視点を得、ビジネスや市場との関係からさらに研究を進展させる必要性を確認した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

2年目にあたる2023年度は国内の学会・研究会で暫定的な成果を発表しつつ、研究を継続する計画であった。これについては、実際に研究代表者が国内の研究会での発表を行い、コメントを得て研究に反映したほか、研究分担者の一部も学会発表を行って暫定的な成果を発表している。

今後の研究の推進方策

2024年度は前年度から継続してレビュー論文の執筆作業を共同で行い、学術雑誌で発表する計画である。このレビュー論文で関連する先行研究の議論を整理することと並行して、各人の事例研究を進めていく。
また、2024年度には可能であれば国際学会で本テーマのパネルを設置して議論を行うことを計画しており、パネルのプロポーザルを提出した。プロポーザルが通った場合は、研究代表者が身体と環境への介入とビジネス・市場について概観しつつ、研究分担者が事例研究について発表することを計画している。

報告書

(2件)
  • 2023 実績報告書
  • 2022 実績報告書
  • 研究成果

    (9件)

すべて 2024 2023 2022

すべて 雑誌論文 (3件) (うちオープンアクセス 2件、 査読あり 1件) 学会発表 (5件) (うち国際学会 2件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 感情史という実験場2024

    • 著者名/発表者名
      高林陽展
    • 雑誌名

      史苑

      巻: 84 ページ: 1-8

    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] ポーランドの再建と簡易食堂(1918-1921年)――ウッチ市からみる2023

    • 著者名/発表者名
      福元健之
    • 雑誌名

      史林

      巻: 106 ページ: 147-184

    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
    • 査読あり
  • [雑誌論文] ビール民衆運動の位置づけをめぐって―19世紀ドイツ語圏の社会運動史研究の動向と課題―2022

    • 著者名/発表者名
      東風谷太一
    • 雑誌名

      一橋経済学

      巻: 13 ページ: 93-124

    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
    • オープンアクセス
  • [学会発表] オクトーバーフェストの社会統合機能―19/20世紀転換期における飲酒と身体をめぐる議論を中心に―2023

    • 著者名/発表者名
      東風谷太一
    • 学会等名
      政治経済学・経済史学会2023年秋季学術大会
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
  • [学会発表] Disorder and Boykott around Beer in 19th Century Germany2023

    • 著者名/発表者名
      Taichi Kochiya
    • 学会等名
      Social Science History Conference 2023
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
    • 国際学会
  • [学会発表] ポーランドの再建と簡易食堂(1918-1921年)――ウッチ市からみる2022

    • 著者名/発表者名
      福元健之
    • 学会等名
      史学研究会例会
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
  • [学会発表] Transaction and Speculation of “Realgewerberecht” as a Catalyst for Relocation of Urban Industry in Munich, late 18th and early 19th century2022

    • 著者名/発表者名
      Taichi Kochiya
    • 学会等名
      European Association for Urban History conference
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
    • 国際学会
  • [学会発表] 工場と住居の間?――パン屋、ホテル、レストランからみるヴィクトリア時代後期イギリスの煤煙問題2022

    • 著者名/発表者名
      春日あゆか
    • 学会等名
      九州史学会大会
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
  • [図書] 医師の「献身」:ポーランド建国と草の根知識人1890-19202023

    • 著者名/発表者名
      福元健之
    • 総ページ数
      398
    • 出版者
      京都大学学術出版会
    • ISBN
      9784814005123
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書

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公開日: 2022-04-19   更新日: 2024-12-25  

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