研究課題/領域番号 |
23K21981
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補助金の研究課題番号 |
22H00709 (2022-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2022-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分03040:ヨーロッパ史およびアメリカ史関連
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
甚野 尚志 早稲田大学, 文学学術院, 教授 (90162825)
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研究分担者 |
三浦 清美 早稲田大学, 文学学術院, 教授 (20272750)
武田 和久 明治大学, 政治経済学部, 専任准教授 (30631626)
押尾 高志 西南学院大学, 国際文化学部, 准教授 (40869088)
石黒 盛久 金沢大学, 国際学系, 教授 (50311030)
黒田 祐我 神奈川大学, 外国語学部, 教授 (50581823)
辻 明日香 川村学園女子大学, 文学部, 教授 (60549509)
小林 亜沙美 就実大学, 人文科学部, 准教授 (60908911)
皆川 卓 法政大学, 文学部, 教授 (90456492)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
16,510千円 (直接経費: 12,700千円、間接経費: 3,810千円)
2025年度: 4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2024年度: 4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2023年度: 4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2022年度: 4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
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キーワード | 中近世ヨーロッパ / キリスト教世界 / 宗教と暴力 / 宣教と他者の同化 / キリスト教徒とムスリム / 暴力 / 中世ヨーロッパ / 近世ヨーロッパ / レコンキスタ / 異端審問 / マキャヴェッリ / ムスリム / イタリア政治思想 |
研究開始時の研究の概要 |
これまでの「宗教と暴力」の研究は、異なる一神教を奉ずる社会とその成員が衝突するときに生じる暴力と、常に世俗国家によって統制可能な近代的暴力を対置させてきた。だがこのような構図は中近世キリスト教世界では即座にあてはまらない。キリスト教と異教徒との対立は、たとえば、中世地中海世界で明らかなように、異教徒の殲滅よりも相互の利益のために、宗教を越えた妥協や和平協定が頻繁に結ばれていた。そこには、異教徒同士が生きるために、相互に他の異教徒に対して「包括する暴力」を用いて共存しようとする姿があった。異宗教間の紛争解決のモデルを「包摂する暴力」の概念で新たに構築することが本研究で明らかにしたい課題である。
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研究実績の概要 |
2023年度は、6月24日(土)に早稲田大学戸山キャンパスにて対面での第一回研究会を開催し、科研分担者の押尾高志が「モリスコによる信仰の秘匿と偽装:「タキーヤ」再考」のタイトルでの報告を行った。また、9月2日(土)から9月3日(日)には山梨大学で合宿研究会を開催し、9月2日(土)の午後には、科研費でイタリアより招聘したベルガモ大学のマルコ・ペレグリーニ教授(Prof.Marco PELLEGRINI)が「サヴォナローラ:預言・改革そして専制への抵抗」とのタイトルで講演を行った。翌日の3日(日)には、科研研究分担者による、今後の研究打ち合わせを行った。ペレグリーニ教授の講演は『エクフラシス』14号、2024年3月に掲載されている。その次には、本年度の第三回研究会として、九州西洋史研究会との共催研究会を11月14日(土)の午後に福岡大学で開催した。シンポジウムは以下のようである。趣旨説明: 甚野尚志(早稲田大学)報告1: 押尾高志(西南学院大学)「「隠れムスリム」による信仰の秘匿/偽装:「タキーヤ」再考」報告2: 渡邉裕一(福岡大学)「中世後期アウクスブルクにおけるユダヤ共同体と「包摂する暴力」」コメント1: 藤内哲也(鹿児島大学)コメント2: 皆川卓(山梨大学)さらに、第四回研究会を2月27日(火)の午前にZoomにより開催したが、報告は、科研分担者の武田和久が「スペイン領南米ラプラタ地域のイエズス会布教区における暴力の発動と制御に関する一考察」のタイトルで行った。今年度は、各分担者が当該テーマでの研究論文の執筆に向けて研究を深めることがでできた。また、イタリア人の研究者との交流により、さらに研究の視点が広がった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今年度は、Zoomと対面を含めて4回、研究会を開催し、すべての分担者が研究報告を行うとともに、数名の分担者がヨーロッパの研究集会で報告することができた。また、イタリア人研究者を招聘することでヨーロッパの学界との連携も視野に入ってきた。各分担者の研究も深まりおおむね順調に進展していると判断できる。
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今後の研究の推進方策 |
2024年度は、各分担者が具体化した研究テーマをさらに深めて行き、日本史などの他分野の宗教と暴力のテーマを専門とする方からの比較史的な助言を受けつつ、どうやって全体をまとめていくかを合宿研究会などを通じて考えていく所存である。
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