研究課題/領域番号 |
23K21987
|
補助金の研究課題番号 |
22H00715 (2022-2023)
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2022-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分03050:考古学関連
|
研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
笹田 朋孝 愛媛大学, 法文学部, 准教授 (90508764)
|
研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
|
配分額 *注記 |
17,550千円 (直接経費: 13,500千円、間接経費: 4,050千円)
2025年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2024年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2023年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2022年度: 8,970千円 (直接経費: 6,900千円、間接経費: 2,070千円)
|
キーワード | 考古学 / 製鉄遺跡 / 匈奴 / モンゴル / アジア考古学 / 科学技術史 / 鉄 |
研究開始時の研究の概要 |
鉄の存在がモンゴルの遊牧国家の成立に多大な影響を与えたことが想定されながらもその実態は不明であった。そこで匈奴の製鉄遺跡であるホスティン・ボラグ遺跡を研究の中心に据え、新たにタミル・オラーン・ホショー遺跡などの調査を併行して実施することで、製鉄システムの変遷や地域差を明らかにする。そして東アジア最初の遊牧帝国である匈奴の鉄獲得戦略や伝統的な遊牧システムへの取り込み方などをを明らかにする。
|
研究実績の概要 |
さまざまな遊牧国家の勃興の地であるモンゴル高原への鉄の伝播ならび適応の実態はいまだに不明であり、鉄の存在が遊牧国家にも大きな影響を与えたことが想定されながらもその具体的な様相は不明であった。そこで本研究では、モンゴルの共同研究者たちと発見し発掘してきたホスティン ボラグ製鉄遺跡(匈奴、BC2c~AD1c)を研究の中心に据え、新たに発見された製鉄遺跡の発掘調 を実施することで、匈奴の製鉄システムの時期差や地域差を明らかにする。そして東アジア最初の遊牧帝国である匈奴がどのような戦略で鉄を獲得し、鉄生産を彼らの伝統的な遊牧システムの中に取り入れていったのか、そして匈奴が鉄をどのように管理していたのかを明らかにすることを目的としている。 今年度はモンゴル東北部のオノン川流域に焦点をあてて調査を実施した。9月にヘンティ県ダダル近郊のハジュー・ボラグ遺跡の発掘調査を実施した。発掘調査で検出された3基の製鉄炉は、これまでモンゴル草原で見つかっていた製鉄炉とは構造を大きく異なっており、類例はアルタイ地域で確認されている。製鉄炉の炉内から採取した木炭の年代は、紀元後3~5世紀ごろであり、出土した土器はロシア連邦側で設定されたブルフォトイ文化の土器であった。オノン川流域はテムジン(チンギス・カン)を輩出したモンゴル族(蒙古室韋)の故地であり、その地域で製鉄に関する初めての資料である。目的とした匈奴の製鉄炉では無かったが、モンゴル史を考える上で重要な発見であることから、次年度も継続してこの地域の調査を実施する予定である。 調査成果はFacebookページ” History of Ancient Mongolian Craft Production”に速やかにアップするとともに、国際シンポジウム等で発表した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の予定通り、現地調査を実施することができた。目的とした時代では無かったものの、この新発見はモンゴル考古学に大きな影響を与えた。
|
今後の研究の推進方策 |
昨年度と継続して、オノン川流域の製鉄遺跡の調査を継続する。研究成果を国際会議等で発表する。
|