研究課題/領域番号 |
23K22007
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補助金の研究課題番号 |
22H00735 (2022-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2022-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分03060:文化財科学関連
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研究機関 | 東京都市大学 |
研究代表者 |
田中 健太郎 東京都市大学, 理工学部, 准教授 (20792766)
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研究分担者 |
荘司 一歩 山形大学, 人文社会科学部, 講師 (00962747)
田副 博文 弘前大学, 被ばく医療総合研究所, 准教授 (60447381)
白井 厚太朗 東京大学, 大気海洋研究所, 准教授 (70463908)
飯塚 毅 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 准教授 (70614569)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
17,290千円 (直接経費: 13,300千円、間接経費: 3,990千円)
2024年度: 4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2023年度: 6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2022年度: 6,240千円 (直接経費: 4,800千円、間接経費: 1,440千円)
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キーワード | 貝殻遺物 / 産地判別 / 同位体 / 地球化学 / 交易 / 文化財科学 / 考古学 / 同位体比 |
研究開始時の研究の概要 |
先史時代,貝殻が交易品として流通していた痕跡が国内外の遺跡で広く見つかっている.しかし,貝殻を材料とした交易品の産地を判別する手法が確立されていないため,,先史時代に行われた交易の地理的範囲や集団間を結ぶ交易の経路には不明な点が多く残っている.本研究では,先端的な地球化学的手法を考古遺物に応用し,先史時代の貝殻遺物の産地を正確に判別するための科学的手法を新たに開発する.
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研究実績の概要 |
先史時代に行われていた貝殻製品の長距離交易には不明な点が多く残っている。貝殻製品の産地判別が可能となれば、貝殻製品の長距離交易について理解を深められる。本研究ではネオジム同位体比を指標とした貝殻遺物の産地判別法の開発を目的としている。 オオツタノハの貝殻は縄文時代から古墳時代にかけて装身具の素材として使われ、国内のさまざまな遺跡からオオツタノハの貝殻製品や未製品が出土しているが、その長距離交易の実態は未解明となっている。オオツタノハの貝殻を対象として産地判別法の開発をすすめるため、本年度は屋久島、種子島、御蔵島で野外調査を実施し、現世のオオツタノハ試料を採集した。採集した現世の貝類の一部で、成長線解析と同位体比分析の準備を進めた。 また、アンデス文明でビーズなどの装身具として利用されていたSpondylus属の貝類の産地判別を目的とし、研究分担者(荘司一歩)がエクアドルから現世のSpondylus属貝殻を採集した。 貝殻遺物の埋蔵期間に土壌や間隙水の影響で続成作用を受けた結果、貝殻の鉱物組成や同位体組成が変化する可能性がある。同位体を指標とした産地判別を実施するためには、続成作用を受けた部位を明らかにし、除去や洗浄を行なう必要がある。そのため、本研究では続成作用の有無や程度の検証も目的としている。続成作用の検証を行なうため、2022年度は先史時代の様々な年代の遺跡から出土したオオヌノメアサリ貝殻遺物の元素分析を実施した。 2022年9月に研究代表者の異動があり、異動後は研究環境の構築を当面の目標として実験室の整備や研究備品の購入を進めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
現世貝殻試料の採集はおおむね順調に進んでいる。 先史時代、腕輪や首飾りの素材として利用されていた貝類(オオツタノハやSpondylus属)を対象とし、現世の同種の貝類を地理的に広い範囲から採集できた。 一方、続成作用の検証やネオジム同位体比などの分析を必要とする作業は計画よりやや遅れている。分析を担当する研究代表者の異動があり、異動後は研究環境の構築に時間を要したため、分析作業にやや遅れが生じた。
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今後の研究の推進方策 |
今後も研究計画に沿って、貝殻の採集、同位体分析、続成作用の検証を継続して実施する。本研究で着目しているSpondylus属をエクアドル沿岸の様々な海域から入手できる体制が整ったので、今後はSpondylus属のネオジム同位体比分析を進め、ネオジム同位体比と採取地の地質学的特徴を比較し、産地判別が可能か検討する。 続成作用の検証を行なうため、XRDやSEMなどを利用して貝殻の鉱物組成とか微細構造の観察を行なう。また、貝殻に含まれる希土類の定量分析を実施し、産地判別指標として利用するネオジムの濃度が続成作用で変化するか検証する。
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