研究課題/領域番号 |
23K22012
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補助金の研究課題番号 |
22H00740 (2022-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2022-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分03060:文化財科学関連
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
隅田 祥光 長崎大学, 教育学部, 准教授 (80413920)
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研究分担者 |
足立 達朗 九州大学, 比較社会文化研究院, 助教 (00582652)
角縁 進 佐賀大学, 教育学部, 教授 (50284617)
島田 和高 明治大学, 学術・社会連携部博物館事務室, 専任職員 (70398907)
池谷 信之 明治大学, 研究・知財戦略機構(駿河台), 特任教授 (80596106)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
17,550千円 (直接経費: 13,500千円、間接経費: 4,050千円)
2025年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2024年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2023年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2022年度: 8,970千円 (直接経費: 6,900千円、間接経費: 2,070千円)
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キーワード | 黒曜石 / 国際標準 / 比較研究 / 原産地 / 化学分析 / 標準試料 / 北海道 / 西北九州 / 蛍光X線分析 / 原産地判別法 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では,エネルギー分散型蛍光X線分析装置を用いた定量分析による黒曜石製石器の原産地判別法の国内初のシステムを完成させる。特に,海外の研究事例との相互検証や相互利用を可能とするには,高い正確度と再現性をもつ定量分析法の実践が必要である。このために,数十種類の国内の黒曜石を3つの研究施設にてEDXRFよりも精密な手法で正確な化学分析値を求め,これらをEDXRFによる定量分析の標準試料と定めることで,従来の国際標準法では困難であった国内の黒曜石を対象としたEDXRFによる定量分析法を確立する。
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研究実績の概要 |
黒曜石を用いた原産地の基準標本の作成と分析校正用試料の選定に向けた活動について,順調に進行している。2022年度は主に西北九州についての黒曜石原産地の現地調査を行い,特に西海市地域の原産地についての地質学的なコンテクストの解明,特に亀岳系黒曜石をもたらした流紋岩活動の特定に成功した。さらに,佐世保市の文化財担当者からの依頼をうけ,佐世保湾岸地域の久木島と牛ノ岳についての黒曜石原産地調査を行い,基準試料の作成に向けた黒曜石の原石試料を採取することができた。この他,北海道白滝・置戸・生田原地域の黒曜石原産地の調査を行い,原石試料を採取するとともに,明治大学黒耀石研究センターのアーカイブ試料を利活用しながら,北海道地域の主要な黒曜石原産地の試料を取り揃えた上で,波長分散型蛍光X線分析装置を用いた定量分析を行うことで,北海道の黒曜石原産地の基準試料を取り揃えることに成功した。西北九州の黒曜石原産地に関する研究成果は,明治大学黒耀石研究センターが発行する査読付きの学術誌「資源環境と人類」に投稿し,2023年3月に発行された。一方で,北海道についての研究成果は,「季刊考古学」に寄稿し,2023年7月に出版される予定である。さらに,2023年3月に,長崎大学教育学部にエネルギー分散型蛍光X線分析装置が導入され,メーカーの技術者とともに,黒曜石分析に最適な装置のチューニングを行った上で,検量線法による黒曜石製石器の定量分析を開始している。まずは,北海道の黒曜石を対象に,試験的に作成した石器を用い,予察的であるが良好な分析結果を得ている。この結果については,本年度の7月に北海道で開催される国際学会にて,発表する予定にある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
現在,300以上の黒曜石の試料個体についてのアーカイブ化が終了し,オンラインデータベースもリニューアルした上で,現在,具体的に,研究分担者である島田氏(明治大学博物館)が,携帯型蛍光X線分析装置を用いて,全ての試料個体についての分析作業を行なっている。さらに,2023年3月に,長崎大学教育学部にエネルギー分散型蛍光X線分析装置が導入され,メーカーの技術者とともに,黒曜石分析に最適な装置のチューニングを行った上で,検量線法による黒曜石製石器の定量分析を開始している。まずは,北海道の黒曜石を対象に,試験的に作成した石器を用い,予察的であるが良好な分析結果を得ている。この結果については,本年度の7月に北海道で開催される国際学会にて,発表する予定にある。
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今後の研究の推進方策 |
2023年7月に北海道にて,国際黒曜石会議(International obsidian conference Engaru 2023)が開催される予定である。この国際会議にスロバキア科学アカデミーのミラン・コフート氏を招聘予定で,このほか,国内の研究協力者3名(柳田氏,高場氏,平井氏)も,本科研費で旅費を支出して,この国際会議に参加予定である。隅田は本国際会議の実行委員のメンバーとして,大会ウェッブサイトの作成から,黒曜石原産地の巡検の準備,講演要旨の作成など,多岐に渡って,本科研費で目指す「ハブ」としての役目を果たすことに尽力している。本国際会議の終了後は,プロシーディングとして,会議の成果を参加者とともに報告する予定で,引き続き,国際連携に基づいた研究活動に邁進する。
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