研究課題/領域番号 |
23K22039
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補助金の研究課題番号 |
22H00767 (2022-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2022-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分04030:文化人類学および民俗学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
菅 豊 東京大学, 東洋文化研究所, 教授 (90235846)
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研究分担者 |
西村 明 東京大学, 大学院人文社会系研究科(文学部), 教授 (00381145)
島村 恭則 関西学院大学, 社会学部, 教授 (10311135)
河野 正治 東京都立大学, 人文科学研究科, 准教授 (20802648)
川田 牧人 成城大学, 文芸学部, 教授 (30260110)
俵木 悟 成城大学, 文芸学部, 教授 (30356274)
加藤 幸治 武蔵野美術大学, 造形学部, 教授 (30551775)
塚原 伸治 東京大学, 大学院総合文化研究科, 准教授 (30735569)
宮内 泰介 北海道大学, 文学研究院, 教授 (50222328)
松岡 薫 天理大学, 文学部, 講師 (90824350)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
17,030千円 (直接経費: 13,100千円、間接経費: 3,930千円)
2024年度: 5,330千円 (直接経費: 4,100千円、間接経費: 1,230千円)
2023年度: 5,460千円 (直接経費: 4,200千円、間接経費: 1,260千円)
2022年度: 6,240千円 (直接経費: 4,800千円、間接経費: 1,440千円)
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キーワード | ヴァナキュラー文化 / vernacular culture / 野の文化論 / 民俗学 / 民俗学的転回 / 野の文化 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、無名の人びとが生きるなかで、周りにあるものを巧く「使い回し」、「なんとかやっていく」生活の技芸と知識、創造力、そして 情意が埋め込まれたヴァナキュラー文化の事例研究を蓄積し、そのなかから普通の人びとの「生」と結びついた日常の創造的生活戦術を読み解 く。さらにその研究方法や理論を検討することによって、日本の民俗学にヴァナキュラー文化研究の視座を構築し、その研究領域を拡大する。
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研究実績の概要 |
本年度、研究メンバーは、まず個々のフィールドで生起しているヴァナキュラー文化をめぐる実践の展開と深化に不可欠な重要課題を、フィールドワーク・文献調査等により精査するとともに、理論研究を行った。加えて、各メンバーの個別研究を統合し、成果を発表するために研究会を3回開催した。その研究会は「野の芸術」論研究会というかたちで基本的に公開とし、現代民俗学会等の学術団体と共催することにより社会への研究成果の還元に努めた。また、本研究を世界的な研究水準とすり合わせるために、海外学術集会等で発表、意見交換を行った。 主たる研究実績は下記の通り。
○2022.5.14:第1回研究会「21世紀を生きる人々のための民俗学―菊地暁著『民俗学入門』を読む、語る―」○5.20:中国・東南大学外国語学院主催講演会“アジア共同体論・中日韓民俗文化比較系列講座”(オンライン)で招待講演(「東アジアにおける公共民俗学の展開―公共部門民俗学から公共民俗学へ―」)○7.9:第2回研究会「『野の文化論』―ヴァナキュラー概念を用いた文化研究の視座の構築」○8.21:韓国・実践民俗学会第46回全国学術大会「『21世紀民俗学』の位置を問う」(オンライン)で招待講演(「『慎ましやかな学問』としての民俗学」)○10.27:2022年度第十屆博物館研究國際雙年學術研討會「公共博物館學:公共性、新性與方法論的想像及其實踐」(オンライン+國立臺北藝術大學)で招待講演(「新的『野』的學問:野的學者與學院研究者協作的可能性與課題」)○2023.3.11:第3回研究会「民俗芸能とヴァナキュラー芸能のあいだ」
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
第1に、当該年度の研究活動により、ヴァナキュラー文化という世界的に大きな潮流になりつつある重要課題について対象化し、その新しい概念と研究法を総合的に日本へともたらすことができたため。 第2に、本研究は民俗学を基礎とし、文化人類学、社会学、宗教学、芸術学等の、多彩な学際分野の知見を多く吸収できたため。本研究は狭く民俗学的課題だけではなく、人文・社会科学のなかで脱領域的に問題化される重要課題であるといえる。 第3に、本研究の成果を中国、韓国などの海外学術集会で発表し、国際的な発信を活発化させることができたため。 第4に、現代民俗学会等の学術団体と共催で研究会を開催することにより、広く学術界に成果を還元すると共に、さらに公開イベントとすることによりアカデミックの外側(extra-academic)の人びとへも成果を還元できたため。これにより閉じた研究者の「仲間内」だけではなく、研究プロセスへの多様なアクターの参画を実現することができた。
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今後の研究の推進方策 |
今後、さらに本研究を深化させるため、前年度に引き続き、まず、本研究メンバーが、個々のフィールドで生起しているヴァナキュラー文化をめぐる実践を精査するとともに、理論研究も行う。次いで、各メンバーの個別研究を統合し、成果を発表するために、国内で研究会を開催する(3回開催予定)。本年度は、コロナウイルス感染症の状況も鑑み、オンラインを基本としながらも、対面での研究会開催とする。そこに各人の個別研究の成果を持ち寄り、議論を経ることによって、インタラクティブに成果を共有し、各人の研究にフィードバックする。さらに、これまでの海外での成果を吸収し、また、本研究を世界的な研究水準とすり合わせ、本研究の成果を海外へと発信する予定である。 ただし、コロナウイルスの流行状況を見極め、本研究プロジェクトメンバー、およびその研究対象者等の安全を十全に確保するため、状況に応じてフレキシブルに対応する。
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