研究課題/領域番号 |
23K22046
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補助金の研究課題番号 |
22H00774 (2022-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2022-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分04030:文化人類学および民俗学関連
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研究機関 | 大東文化大学 |
研究代表者 |
厚 香苗 大東文化大学, 文学部, 准教授 (40598182)
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研究分担者 |
石榑 督和 関西学院大学, 建築学部, 准教授 (10756810)
池口 明子 横浜国立大学, 教育学部, 教授 (20387905)
村上 しほり 大阪公立大学, 大学院生活科学研究科, 特任准教授 (50746104)
飯倉 義之 國學院大學, 文学部, 教授 (70546689)
松田 洋介 大東文化大学, 文学部, 教授 (80433233)
小野 映介 駒澤大学, 文学部, 教授 (90432228)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
12,350千円 (直接経費: 9,500千円、間接経費: 2,850千円)
2025年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2024年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2023年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2022年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
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キーワード | 移住 / 元水上生活者の集落 / 港湾労働 / 共有財産としての家屋 / ライフヒストリー / 集落構造 / 年中行事 / 海外移住 / 鮓本資料 / 初等教育 / 沿岸漁業 / 陸地定住 / 盆行事 / 半水上生活 / 交易 / 環境変化 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では生活する船がある暮らしを「陸でも水上でも、小集落でも大都市でも暮らせるフレキシブルな生活戦略(=半水上生活)」として捉え直す。これにより高度経済成長期に進んだ根拠地などへの「陸上がり」の後も、半水上生活は主に都市港湾部に引き継がれてきたことをあきらかにできる。現代日本において、伝統的な半水上生活で培われた民俗知は、地域社会の文化遺産であるのみならず、持続可能な都市の可能性を探るツールである。そこで本研究では近現代日本の半水上生活を、民俗学、地理学、教育学、建築史を専門とするフィールドワーカーが協業して分析し、未来志向の都市民俗誌を作成する。
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研究実績の概要 |
共同研究の初年度である2022年度は、本格的な研究に入る前の事前研究会と予備的な調査を実施した。その概要は以下のとおりである。 ≪研究会≫ 第1回:顔合わせと研究計画の共有(4月8日)、第2回:大分県臼杵市諏訪津留の盆行事記録映像作成のための研究会(6月6日)、第3回:津留調査の事前研究会(7月20日)、第4回:広島県三原市幸崎能地調査の事前研究会(11月28日) ≪現地調査≫ 鮓本資料のデジタルデータ化のための予備調査(5月9-10日/資料の閲覧と保存状態の確認)、津留調査(8月2-5日/津留およびその周辺の巡検)、鮓本資料デジタル化作業(9月5-8日/TIFFデータの作成)、能地調査(12月17-19日/能地及びその周辺の巡検)、津留調査(2月17-20日/家屋調査および集落構造調査)、能地調査(2月21-26日/教育についての聞き取り調査等) *現地調査の結果についての研究会は2023年度に入ってから実施。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2022年度はコロナ禍がやや落ち着いたとはいえ、住民の高齢化が進んだ地域でヒアリング調査を実施することは憚られる状況だった。それゆえ資料調査が中心になり論文などの研究成果にはつながらなかった。その代わりにヒアリングの前提となる事前研究と資料調査は丁寧におこなうことができた。2023年度以降に実施したい調査の概要を共同研究のメンバーが現地を訪問して調査地の人々に説明して理解を得た。次年度以降は順調にフィールドワークが進展し、研究成果を発表できることが見込まれる。
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今後の研究の推進方策 |
広島県三原市能地については、(1)デジタルデータを用いた鮓本資料の民俗学的な分析、(2)漁業の現状についての地理学的な分析をおこなう。 大分県臼杵市諏訪津留については、(1)代々続いているとされるイエが所有する家屋の建築史的な分析と集落構造の特質の解明、(2)近代化のプロセスにおいて学校教育が果たした役割の教育社会学的な分析、(3)大都市への移住者を含む、集落出身者のライフヒストリーや集落に伝わる世間話の収集とその口承文芸研究的な分析、(4)北九州市、神戸市、大阪市の行政資料を用いた水上生活者の生活の変遷の分析をおこなう。
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