研究課題/領域番号 |
23K22048
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補助金の研究課題番号 |
22H00776 (2022-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2022-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分05010:基礎法学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
田口 正樹 東京大学, 大学院法学政治学研究科(法学部), 教授 (20206931)
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研究分担者 |
佐々木 健 京都大学, 法学研究科, 教授 (70437185)
粟辻 悠 関西大学, 法学部, 教授 (50710597)
大月 康弘 一橋大学, 大学院経済学研究科, 教授 (70223873)
西川 洋一 東京大学, 大学院法学政治学研究科(法学部), 名誉教授 (00114596)
小林 繁子 新潟大学, 人文社会科学系, 准教授 (20706288)
鈴木 直志 中央大学, 文学部, 教授 (90301613)
佐藤 雄基 立教大学, 文学部, 教授 (00726573)
新田 一郎 東京大学, 大学院法学政治学研究科(法学部), 教授 (40208252)
櫻井 英治 東京大学, 大学院総合文化研究科, 教授 (80215681)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
15,470千円 (直接経費: 11,900千円、間接経費: 3,570千円)
2024年度: 4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2023年度: 6,110千円 (直接経費: 4,700千円、間接経費: 1,410千円)
2022年度: 5,330千円 (直接経費: 4,100千円、間接経費: 1,230千円)
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キーワード | 専門家 / 危機 / 前近代 / 西洋 / 日本 / 清 / フランク / ドイツ |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、前近代の危機と専門家の関係を多面的に考察し、現在および将来の危機において専門家が果たすべき役割を考えるための基盤を獲得しようとする。選び出された前近代の時代・場所の危機的状況において、危機への対応、専門家をめぐる諸関係と専門知の変性、新たな分野や次元の創発、という諸側面に注目して、専門家の役割と意義を検討する。法律家を中心としつつも、修道士・聖職者・軍人・商人などさまざまな種類の専門家の間で、また西洋史の各時代や西洋史と日本史・中国史の間で、比較検討を遂行してそれぞれの特徴を明らかにする。
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研究実績の概要 |
今年度は研究計画の初年度であり、研究状況を把握し具体的研究課題を絞り込むことが主な作業となった。 計画全体にかかわる基礎作業としては、前近代における「危機」をどのように観念し、いかにアプローチすべきかについて、議論した。西洋史における中世後期の危機および17世紀の危機や、近年のグローバル・ヒストリー研究で注目されている14世紀の世界的危機も素材としつつ、危機の概念と危機の存否をめぐる論争、危機と時間幅、危機の心性・認識上の側面などについて、意見交換を行った。 あわせて歴史上の具体例として、清代中国の私的和解と刑事裁判制度との関係について検討と議論を行い、その結果とりわけ清代の官僚のきわめて不安定な状況(ある種の危機)が浮き彫りにされた。また、カロリング朝フランク期における法の取り扱い方について、パリのフランス国立文書館所蔵の集合写本を素材とした詳細な検討結果が報告され、流動性の高い時代状況において法が持ち得た意義に関して討論が行われた。 その他、この間、西洋前近代の専門家文化に関する検討をすすめてきたドイツ・ゲッティンゲン大学の研究グループに属するドイツ人研究者とも、「危機と専門家」というテーマに関して意見交換を行い、ドイツで準備・進行中の各種共同研究との接続可能性、文化史的研究が持ちうる意義、専門家による「正しい言説」の保証と行為知の提供、危機と感情、制度化された専門家とアド・ホックな「機会的」専門家の違いなど、幅広い論点について討議し、また前近代日本における体制変革と先例知識を蓄積した実務官僚層との関係などについても議論した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
「危機」の概念とそれに対するアプローチについて全体で意見交換して相互了解につとめ、具体的な歴史世界についても、西洋中世初期と前近代中国を題材に認識を深めた。ドイツにおける歴史的専門家研究との間でも、有益な交流が行われた。
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今後の研究の推進方策 |
現在ドイツで準備・進行中の複数の共同研究とも接続可能性があることが明らかになったので、ドイツ等における研究発信を積極的に行っていく。
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