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科学的エビデンスの不明な医療への社会的対応についての学際的研究

研究課題

研究課題/領域番号 23K22074
補助金の研究課題番号 22H00802 (2022-2023)
研究種目

基盤研究(B)

配分区分基金 (2024)
補助金 (2022-2023)
応募区分一般
審査区分 小区分05070:新領域法学関連
研究機関国立研究開発法人国立がん研究センター

研究代表者

一家 綱邦  国立研究開発法人国立がん研究センター, 研究支援センター, 部長 (50453981)

研究分担者 山口 斉昭  早稲田大学, 法学学術院, 教授 (00318320)
高山 智子  静岡社会健康医学大学院大学, 社会健康医学研究科, 教授 (20362957)
勝俣 範之  日本医科大学, 医学部, 教授 (40501854)
秋元 奈穂子  立教大学, 法学部, 准教授 (40517877)
八田 太一  静岡社会健康医学大学院大学, 社会健康医学研究科, 講師 (40598596)
下井 辰徳  国立研究開発法人国立がん研究センター, 中央病院, 医長 (40743480)
渡辺 千原  立命館大学, 法学部, 教授 (50309085)
藤田 みさお  京都大学, iPS細胞研究所, 特定教授 (50396701)
高嶌 英弘  京都産業大学, 法学部, 教授 (70216646)
佐藤 雄一郎  東京学芸大学, 教育学部, 教授 (70326031)
手嶋 豊  神戸大学, 法学研究科, 教授 (90197781)
研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2024年度)
配分額 *注記
17,420千円 (直接経費: 13,400千円、間接経費: 4,020千円)
2024年度: 4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2023年度: 5,850千円 (直接経費: 4,500千円、間接経費: 1,350千円)
2022年度: 6,760千円 (直接経費: 5,200千円、間接経費: 1,560千円)
キーワード科学的エビデンス / 自由診療 / 医事法 / 生命倫理 / 専門職倫理 / がん治療 / 再生医療
研究開始時の研究の概要

科学的エビデンスの不明な医療への対応は、その課題の大きさに見合った社会的な対応策が講じられたり、検討されたりしてこなかったし、医事法学や生命倫理学の分野でも研究対象として十分に取り上げられてこなかった。その大きな理由は、科学的エビデンスの不明な医療の実態が明らかではないことにあったと考える。本研究班は、このような問題意識を持ち、法や倫理による規制のあり方を考えると同時に、問題の実態を明らかにすべく、科学的エビデンスの不明な医療の問題にそれぞれの専門性をもって取り組む。今年度は特にがん治療の自由診療に焦点を当てて調査研究を行うとともに、研究成果をとりまとめたシンポジウムを開催する予定である。

研究実績の概要

研究活動初年度の2022年度においては、多分野の研究班メンバーの問題意識やそれぞれの専門的知見の共有を図ることを主たる課題として、全6回の全体研究班会議を開催した。特に第2回と第3回会議の主たるテーマになった「がん領域の自由診療」及び第4回と第5回の会議の主たるテーマになった「自由診療として実施される再生医療」は、本研究班が重点的に取り組む「科学的エビデンスの不明な医療」の具体例・代表例であることが確認できたことが有意義であった。
上記の通りに、初年度は研究班メンバーの問題意識やそれぞれの専門的知見の共有を図ることに中心的に取り組んだが、初年度においても研究論文の発表、学会報告、各種会議・イベントでの報告において、積極的に本研究班が取り組む課題について問題提起や意見交換の機会を持った。特に、日本医事法学会で「再生医療法施行後に自由診療として行われる再生医療の実態と法制度」と題したワークショップを企画し、医事法の専門家と討論する場を設けられたことは有益であった。また、再生医療安全性確保法に関する2本の英語論文を国際雑誌に発表した後には、多数のメディア(海外メディアも含む)がそれらの論文の内容を報道したことで、社会一般においても、本研究班が取り組む課題について宣伝・周知する効果を得られたと考える。
また、今年度の途中から2人の研究協力者を新たに研究班に加えることができたことも、今後の活動の発展・拡大を考えると有意義であると考える。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

研究班全体において全6回の研究会議を開催できたこと、初年度から多数の論文発表や学会報告などを行うことができたこと、その内容について多数のメディア報道を通じて社会に問題提起・情報発信できたこと、問題意識を共有できる研究協力者を研究班に迎えることができたことなどによって、全体的には順調に活動できていると考えている。しかしながら、国際雑誌の査読が編集者サイドの不手際によって通常想定できる以上に遅延してしまったために、その雑誌に掲載される論文の公開を待って実施する予定であった実態調査研究を今年度に実施できなかったことは研究活動の遅れと考えざるを得ない。以上のことから「おおむね順調に進展している。」と判断する次第である。

今後の研究の推進方策

引き続き、研究班全体の会議を開催することで、多分野の研究班メンバーの問題意識やそれぞれの専門的知見の共有を図ることを目指していく。また、今年度の第6回会議で、科学的エビデンスの不明な医療がもたらす問題に対する法規制の方向性として、そうした医療(ビジネス)の活動方法としての重要な手段になっている宣伝広告や契約締結ノバ面に対する法規制を考えることを次年度(2023年度)の重要な課題と設定する。
また、今年度に重点的に取り組んだテーマの1つである自由診療として実施される再生医療と再生医療安全性確保法に対する検討を深めるために、同様の法制度(一説によると日本の法制度を参考にして作ったと言われる法制度)を持つ台湾において訪問調査を行っていく予定である。
さらには、本研究班で確認できた科学的エビデンスの不明な医療が社会にもたらす問題について、様々な社会団体(たとえば法律家、医学研究者の集団など)に伝達すべく、積極的な情報発信とそこからのフィードバックを行っていく予定である。

報告書

(1件)
  • 2022 実績報告書
  • 研究成果

    (19件)

すべて 2023 2022 その他

すべて 雑誌論文 (6件) (うち査読あり 3件、 オープンアクセス 5件) 学会発表 (6件) (うち招待講演 3件) 図書 (5件) 備考 (2件)

  • [雑誌論文] Difficulties in ensuring review quality performed by committees under the Act on the Safety of Regenerative Medicine in Japan2023

    • 著者名/発表者名
      Ikka Tsunakuni、Fujita Misao、Hatta Taichi、Isobe Tetsu、Konomi Kenji、Onishi Tatsuo、Sanada Shoji、Sato Yuichiro、Tashiro Shimon、Tobita Morikuni
    • 雑誌名

      Stem Cell Reports

      巻: 18 号: 3 ページ: 613-617

    • DOI

      10.1016/j.stemcr.2023.01.013

    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Exploring types of conversational agents for resolving cancer patients’ questions and concerns: Analysis of 100 telephone consultations on breast cancer2023

    • 著者名/発表者名
      Hayakawa Masayo、Watanabe Otome、Shiga Kumiko、Fujishita Manami、Yamaki Chikako、Ogo Yuko、Takahashi Tomoko、Ikeguchi Yoshiko、Takayama Tomoko
    • 雑誌名

      Patient Education and Counseling

      巻: 106 ページ: 75-84

    • DOI

      10.1016/j.pec.2022.10.004

    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] 日本で治療として提供される再生医療の現状と課題2023

    • 著者名/発表者名
      藤田みさお
    • 雑誌名

      B&I

      巻: 81(2) ページ: 613-617

    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] Current status of cell-based interventions in Japan2022

    • 著者名/発表者名
      Fujita Misao、Hatta Taichi、Ide Kazuki
    • 雑誌名

      Cell Stem Cell

      巻: 29 号: 9 ページ: 1294-1297

    • DOI

      10.1016/j.stem.2022.08.003

    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] 自由診療による再生医療―5つの主張から考える倫理的課題2022

    • 著者名/発表者名
      藤田みさお
    • 雑誌名

      実験医学増刊

      巻: 41(2) ページ: 36-40

    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] 科学的根拠に乏しい診療に対する事前規制の必要性2022

    • 著者名/発表者名
      小谷昌子
    • 雑誌名

      神奈川法学

      巻: 55(1) ページ: 53-92

    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
  • [学会発表] 再生医療と再生医療法の現状と課題について2023

    • 著者名/発表者名
      一家綱邦
    • 学会等名
      日本学術会議移植・再生医療分科会(第25期・第8回)
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] 自由診療による再生医療の倫理的課題2023

    • 著者名/発表者名
      藤田みさお
    • 学会等名
      日本学術会議移植・再生医療分科会(第25期・第8回)
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] 再生医療法の現状と課題ー特殊な法は機能しているか?ー2022

    • 著者名/発表者名
      一家綱邦
    • 学会等名
      日本医事法学会第52回研究大会ワークショップⅣ:再生医療法施行後に自由診療として行われる再生医療の実態と法制度
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
  • [学会発表] 再生医療と自由診療の在り方に関する考察2022

    • 著者名/発表者名
      大西達夫
    • 学会等名
      日本医事法学会第52回研究大会ワークショップⅣ:再生医療法施行後に自由診療として行われる再生医療の実態と法制度
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
  • [学会発表] 関連する判決から2022

    • 著者名/発表者名
      佐藤雄一郎
    • 学会等名
      日本医事法学会第52回研究大会ワークショップⅣ:再生医療法施行後に自由診療として行われる再生医療の実態と法制度
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
  • [学会発表] 「ヒト組織・細胞の利活用における所有権その他の権利関係の処理と知財戦略」2022

    • 著者名/発表者名
      大西達夫
    • 学会等名
      第22回日本再生医療学会総会・シンポジウム30「再生医療における知財戦略」
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
    • 招待講演
  • [図書] 民事判例25 2022年前期2022

    • 著者名/発表者名
      高嶌英弘
    • 総ページ数
      144
    • 出版者
      日本評論社
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
  • [図書] 別冊ジュリスト医事法判例百選〔第3版〕2022

    • 著者名/発表者名
      一家綱邦
    • 総ページ数
      232
    • 出版者
      有斐閣
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
  • [図書] 別冊ジュリスト医事法判例百選〔第3版〕2022

    • 著者名/発表者名
      磯部哲
    • 総ページ数
      232
    • 出版者
      有斐閣
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
  • [図書] 看護をめぐる法と制度 (ナーシング・グラフィカ 健康支援と社会保障 4)〔第4版〕2022

    • 著者名/発表者名
      磯部哲
    • 総ページ数
      448
    • 出版者
      メディカ出版
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
  • [図書] 看護をめぐる法と制度 (ナーシング・グラフィカ 健康支援と社会保障 4)〔第4版〕2022

    • 著者名/発表者名
      一家綱邦
    • 総ページ数
      448
    • 出版者
      メディカ出版
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
  • [備考] 治療として提供される再生医療、安全性・有効性に疑問 ―再生医療法に構造的課題か―

    • URL

      https://www.cira.kyoto-u.ac.jp/j/pressrelease/news/220902-000000.html

    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
  • [備考] 自由診療で行われる再生医療の審査に関する課題を調査ー今後の制度改正に期待

    • URL

      https://www.ncc.go.jp/jp/information/pr_release/2023/0228/index.html

    • 関連する報告書
      2022 実績報告書

URL: 

公開日: 2022-04-19   更新日: 2024-12-25  

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