研究課題/領域番号 |
23K22098
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補助金の研究課題番号 |
22H00826 (2022-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2022-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分07010:理論経済学関連
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
澤 亮治 筑波大学, システム情報系, 教授 (70644566)
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研究分担者 |
和田 健太郎 筑波大学, システム情報系, 准教授 (20706957)
藤嶋 翔太 一橋大学, 大学院経済学研究科, 准教授 (50706835)
図斎 大 関西学院大学, 経済学部, 教授 (60868850)
府内 直樹 滋賀大学, 経済学系, 教授 (70808740)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
16,900千円 (直接経費: 13,000千円、間接経費: 3,900千円)
2025年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2024年度: 6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2023年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2022年度: 4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
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キーワード | 進化的制度設計 / 限定合理性 / 進化ゲーム / 多様性 / ロードプライシング / 学習理論 / 動的交通問題 |
研究開始時の研究の概要 |
限定合理的な人々が相互依存しあう社会における制度設計の分析手法の確立を目指す。制度設計の一手法であるEvolutionary Implementation(以下では進化的制度設計と呼ぶ)は、人々が相互作用しあう状況を進化ゲームによりモデル化し、人々の行動遷移を考慮した動的な制度の設計が可能である。大規模な社会システムの設計に適していると考えられるが、一様なプレイヤーの仮定など、手法の適用を困難とする制約がある。数理解析・シミュレーション技法により適用上の課題を解決し、この手法の汎用化を目指す。
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研究実績の概要 |
基礎理論の研究については、行動経済学的な知見を取り入れた進化動学に関する研究を進めた。特にプレイヤーが社会全体の状況を観察できず、他のプレイヤーの行動をサンプルして社会全体の状況を類推するような進化ゲームの定式化および分析を行った。統計的推論分野における推論法を進化ゲームに組み込み、均衡への収束や均衡の安定性について一定の理論結果を得ることが出来た。また、プレイヤーの多様性を許容する進化動学および多様性を考慮した学習理論に関して定式化および分析を進めた。進化ゲーム研究や学習理論の研究では、意思決定ルールや学習ルールについては各プレイヤーが同じルールに従うと仮定されることが多い。これに対して、プレイヤーの利得関数の多様性、意思決定ルールの多様性、学習ルールの多様性など種々の多様性を考慮した進化動学や学習理論の研究を進めた。これらについても理論的結果の導出など一定の成果を挙げた。 進化的な制度設計の研究については、動的な交通モデルの研究を中心に分析を進めた。社会的厚生関数を最大にする動的価格設定の仕組みについて研究を進め、時間選好が多様なプレイヤーの下でのプライシングアルゴリズムの設計について定式化および分析を行った。また、時間軸を考慮した動的な交通均衡問題(出発時刻選択均衡問題)の安定性の問題に取り組んだ。この問題については、均衡の不安定性などのネガティブな結果が知られているが、均衡の安定性といったポジティブな結果の可能性について分析を進めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究について一定の成果をあげているが、成果があがる時期が計画よりも若干遅れた。
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今後の研究の推進方策 |
多様性を考慮した進化動学および学習理論についての研究を進める。また、動的な制度設計問題についても最適なプライシングの分析を中心に研究を進める。
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