研究課題/領域番号 |
23K22106
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補助金の研究課題番号 |
22H00835 (2022-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2022-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分07040:経済政策関連
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
長根 裕美 (齋藤裕美) 千葉大学, 大学院社会科学研究院, 教授 (60447597)
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研究分担者 |
鈴木 潤 政策研究大学院大学, 政策研究科, 教授 (00407230)
藤田 正典 立命館アジア太平洋大学, 国際経営学部, 教授 (20901656)
隅藏 康一 政策研究大学院大学, 政策研究科, 教授 (80302793)
富澤 宏之 文部科学省科学技術・学術政策研究所, 第2研究グループ, 総括主任研究官 (80344076)
永野 博 政策研究大学院大学, 政策研究センター, 客員研究員 (80463967)
安田 聡子 九州大学, 経済学研究院, 教授 (90376666)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
17,420千円 (直接経費: 13,400千円、間接経費: 4,020千円)
2024年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 5,980千円 (直接経費: 4,600千円、間接経費: 1,380千円)
2022年度: 7,280千円 (直接経費: 5,600千円、間接経費: 1,680千円)
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キーワード | 科学研究 / イノベーション / 大学 / 論文生産性 / 研究力 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、日本の科学研究の低迷をもたらした研究システムの負のメカニズムを解明し、日本の科学研究界にブレークスルーをもたらす改善策を提案する。日本の科学研究の凋落がセンセーショナルに報道されている。その主な原因としては、経済の低迷のほか、近年の大学改革の失敗が挙げられるが、実際のところ、確たるエビデンスがあるわけでなく、あくまで示唆にとどまっている。なぜ日本の科学研究力は低下したのか?本研究は定量的に研究力低下の負のメカニズムを解明するとともに、定性的なアプローチでもってその定量分析の結果の確からしさを検証していく。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は、日本の科学研究の低迷をもたらした研究システムの負のメカニズムを解明し、同国の科学研究界にブレークスルーをもたらす改善策を提案することである。今期はデータセットの構築やインタビュー調査について着実に進めることができた。後述のように前年度に、大学単位データに誤りや、会計基準変更によるフォーマットの統一が必要になることが判明したが、これらについても修正を恙無く進めることができた。大学単位のデータについては、繰越期間も経て、さらに大学ごとの論文数、競争的資金の状況、特許出願数などの新たな情報を追加して、より充実したデータセットの構築ができた。 研究者単位のデータについては、論文データの収集が名寄せ問題のほか(特にある年度以前の英語論文については、イニシャルと苗字しかわからないというデータベース上の問題があった)、すでに退職している研究者については所属機関のホームページや個人ページもなかったりして、論文の確定作業に時間がかかった。これについては人海戦術に頼らざるを得なかったが、時間をかけただけに精緻なものができたと考えている。また並行して、今後の分析や論文化のために必要な先行文献の整理、読み込みを行った。一方で、この間、いくつか学術誌に論文を公表することができた。特に代表者は博士人材の労働市場について2報ほど論文を公表した。加えてアウトリーチ活動として、雑誌からのインタビューを受けたり、市民向けの講演活動を通じて、研究活動の成果を普及させることにも努めた。また分担者も新聞や雑誌などでの社会に向けた発信を積極的に行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
前年度に、当初の想定に反し、大学単位データに誤りや、会計基準変更によるフォーマットの統一が必要になることが判明したが、これらについてはほぼ修正することができた。研究者単位についてのデータも、論文データについては名寄せの作業が必要で大変苦労したが、人海戦術で克服することができた。以上より、おおむね分析に必要なデータセットの構築については十分に進めることができた。また日本で教育を受けて現在海外の研究機関で研究に従事するものへのインタビュー調査についても、ドイツについてはほぼ終えることができた。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、これまで蓄積したデータセットや調査結果に基づいて、論文執筆を中心に行っていく予定である。データについては研究者単位のデータと、大学単位のデータの構築がほぼ終わっており、これからデータの精査、クリーニングなどを行ったうえで、実際の分析に入る。関連する先行研究の読み込みなどはしており、それらに基づいて分析の戦略は大体決まっている。年内に、国内学会で2回ほど報告したうえで、国際学会での報告も行いたいと考えている。そのうえで、年度の後半には数本の論文を英文査読誌に投稿する予定である。分担者においても、すでにある程度の分析を終えて学会報告をしているものもいるため、年度内での論文化に向けて注力する予定である。また引き続き、アウトリーチ活動として学術誌以外でも研究成果をわかりやすく伝える努力をしていくつもりである。
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