研究課題/領域番号 |
23K22117
|
補助金の研究課題番号 |
22H00846 (2022-2023)
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2022-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分07040:経済政策関連
|
研究機関 | 京都女子大学 (2023-2024) 岡山大学 (2022) |
研究代表者 |
張 星源 京都女子大学, データサイエンス学部, 教授 (10304081)
|
研究分担者 |
浅野 貴央 岡山大学, 社会文化科学学域, 教授 (40423157)
神事 直人 京都大学, 経済学研究科, 教授 (60345452)
佐藤 美里 岡山大学, 社会文化科学学域, 准教授 (70794585)
姜 佳明 長崎大学, 総合生産科学研究科(情報データ科学系), 助教 (70881217)
春名 章二 学習院大学, 国際社会科学部, 研究員 (30136775)
|
研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
|
配分額 *注記 |
17,030千円 (直接経費: 13,100千円、間接経費: 3,930千円)
2025年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2024年度: 4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2023年度: 4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
|
キーワード | グーリンイノベーション / 知的財産戦略 / 特許統計データ / グリーンイノベーション |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、カーボンニュートラル(脱炭素)を目指すグリーン成長戦略に関わる特許データを基に、知的財産(知財)戦略分析の視点からグリーンイノベーション(GnIn)下の国や産業・企業の国際競争力分析、グリーンテクノロジー(GnTech)に関する知財戦略の展開とこれに伴う企業間の競争・協調関係、そして環境政策のGnInへの影響に関する理論・実証分析を行う。
|
研究実績の概要 |
テーマ1「主要国の産業・企業のGnInの競争優位性・競争力に関する分析」:PATSTAT データベース等を用いて、国際特許分類 (IPC) と出願文書にあるキーワードを結合して、自動車パワートレインシステム分野の「グリーン」特許を定義する方法を提案した。この方法で特定されたグリーン特許データセットはデータリポジトリMendeley Data上で公開された。同時にWIPO Greenプラットフォーム及び日本特許庁のグリーン・トランスフォーメーション技術区分表(GXTI)を活用し、GnTech分類の特定方法を検討した。 テーマ2「環境政策や排出量取引制度がGnInと環境技術(GnTech)移転に与える効果の分析」:環境政策やグリーンイノベーションがサプライチェーンに与える影響についての研究に進展があった。特に、メーカー間の生産技術の差とサプライチェーンの構築との関係について、既存の理論研究をサーベイするとともに、理論的考察を進め、排他的なサプライチェーンの構築の可能性に関して議論を展開している。また、中国等の関係国で排出量取引制度に関する現地調査を行うための準備として資料収集を行った。 テーマ3「知財戦略とGnIn・GnTech移転の関係分析」:企業のGnTech特許出願戦略とライセンス戦略・国際コラボレーション戦略及びGnTech移転との関係分析では先行研究に対する理論的・実証的なサーベイ分析に着手した。 テーマ4「GnTechに関わる国際標準化活動と企業の戦略に関する分析」:GnTechの国際標準ルール形成方法を政府系公共機関主導型、市場選択型、コンセンサス主導型等に分類し国際標準化機構の役割を検証するために、国際標準組織におけるIPRポリシーや標準決定プロセス形成のメカニズムに関する理論的・実証的なサーベイ分析に着手した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
各テーマに関する理論的、実証的なサーベイ分析に着手し、環境政策やグリーンイノベーションがサプライチェーンに与える影響に関する研究ではある程度の進展が見られた。同時に、分析に必要とされるデータベースの構築に関しても、グリーン特許特定の一部が既に完成し、その成果としてのデータセットを公表した。
|
今後の研究の推進方策 |
本年度は、引き続き4つの研究テーマに対して以下のように計画を実施する。 テーマ1「主要国の産業・企業のGnInの競争優位性・競争力に関する分析」:関連する先行研究のサーベイ及び関連データの特定・収集・加工作業を行う。同時に、社会ネットワーク分析におけるベイジアンネットワーク分析法の導入も試み、企業のグリーンイノベーションマネジメントやグリーン特許の獲得戦略について、国際的な比較分析をも検討する。 テーマ2「環境政策や排出量取引制度がGnInと環境技術(GnTech)移転に与える効果の分析」:環境政策やグリーンイノベーションがサプライチェーンに与える影響についての研究をさらに推進する。また、本年度は引き続き政府補助金、炭素税や排出量取引制度等の環境技術(GnTech)・同技術伝播に関わる理論分析の導入を試みると同時に、中国等の関係国において排出量取引制度に関する現地調査の可能性を探る。 テーマ3「知財戦略とGnIn・GnTech移転の関係分析」:企業のGnTech特許出願戦略とライセンス戦略・国際コラボレーション戦略及びGnTech移転との関係を理論的・実証的に分析するために、前年度に実施した分析の準備を踏まえて、本年度は、データベースの構築作業と予備的分析を行う。また、最新の分析手法について引き続き検討を行う。理論モデルの構築にも着手する。 テーマ4「GnTechに関わる国際標準化活動と企業の戦略に関する分析」:引き続き関連する先行研究のサーベイ及び国際標準活動に絡む資料・データ収集を行う。同時に、国際標準組織におけるIPRポリシーや標準決定プロセス形成のメカニズムについての理論・実証研究の予備分析を行う。
|