研究課題/領域番号 |
23K22129
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補助金の研究課題番号 |
22H00858 (2022-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2022-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分07050:公共経済および労働経済関連
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研究機関 | 同志社大学 |
研究代表者 |
木村 寛子 (奥平寛子) 同志社大学, ビジネス研究科, 准教授 (80550954)
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研究分担者 |
乾 友彦 学習院大学, 国際社会科学部, 教授 (10328669)
滝澤 美帆 学習院大学, 経済学部, 教授 (50509247)
山ノ内 健太 香川大学, 経済学部, 准教授 (60804333)
ソン ソクジュン 東京大学, 大学院経済学研究科(経済学部), 講師 (80936948)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
16,380千円 (直接経費: 12,600千円、間接経費: 3,780千円)
2026年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2025年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2022年度: 7,280千円 (直接経費: 5,600千円、間接経費: 1,680千円)
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キーワード | 最低賃金 / 再分配政策 / 賃上げ / 生産性 / 再分配 / 採用基準 / 製品価格 |
研究開始時の研究の概要 |
2007年以降、日本の最低賃金の大幅な上昇が続いている。コロナ禍の影響を考慮した2020年を除き、本研究課題の初年度までの6年間で全国加重平均で毎年約3%の増額改定が続いている。2021年秋に発足した新政権でも、引き続き最低賃金額引き上げが政策目標として掲げられており、最低賃金の所得分配効果に期待がかかっている。その一方で、経済学の議論にもとづくと最低賃金の上昇が本当に低賃金労働者への再分配をもたらすかは明らかではない。本研究では、日本において新たなエビデンスを構築することにより、最低賃金が再分配政策として機能するかという本質的な問いに答える。
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研究実績の概要 |
最低賃金には、もともと低賃金労働者に最低限の所得を保障する役割が期待される。賃金上昇を通じて企業から低賃金労働者へ所得の再分配が行われるため、最低賃金上昇のコストは企業が負うと思われがちだ。しかし、市場の競争環境や企業の反応次第では、雇用量の削減や製品価格の上昇という形で、労働者や消費者も政策のコストを負担することがあり得る。また、技術革新が進む中、最低賃金の上昇が機械やAI技術による労働の置換えを加速させるならば、企業の生産性やスキル需要への影響を通じて想定外の帰結が生じる可能性もある。本研究の目的は、日本において最低賃金が本来の目的を果たしているか、どのような副次的効果があるかを複数の企業ミクロデータから明らかにすることにある。具体的には、考えられる企業側の反応について、(1) 製品価格、(2) スキル需要、(3)生産性の3つの観点から分析を行い、再分配政策としての最低賃金制度を評価する。日本でエビデンスの蓄積が少ない側面に焦点を当て、最低賃金上昇の影響がどの経済主体に帰着するかを明らかにする。
2022年度の研究では、政府統計のデータの申請およびクリーニングを行った。また、各テーマについて識別戦略を検討したり、メカニズム精査についての議論を進めた。最低賃金が採用に与える影響についての研究では、既に日本語で出版したディスカッションペーパーを改訂し、国際査読誌に投稿するための準備を進めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
政府統計の申請作業の一部に遅れが生じたほか、推定デザインの検討に時間を要したため、補助金の繰り越しを行った。そのため、この評価とした。
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今後の研究の推進方策 |
2023年度末までに、主要な政府統計の申請作業およびデータクリーニングを終えることができた。当初の研究計画調書に記載の通り、今後は推定を進め、最低賃金の引き上げが企業行動の変化によってどのような再分配効果をもたらすかを検証する。
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