研究課題/領域番号 |
23K22137
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補助金の研究課題番号 |
22H00866 (2022-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2022-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分07070:経済史関連
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
高橋 基泰 愛媛大学, 法文学部, 教授 (20261480)
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研究分担者 |
岩間 剛城 近畿大学, 経済学部, 准教授 (30534854)
長谷部 弘 宮城学院女子大学, その他部局, 学長 (50164835)
張 テイテイ 東北大学, 経済学研究科, 特任助教 (60803046)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
15,470千円 (直接経費: 11,900千円、間接経費: 3,570千円)
2024年度: 5,590千円 (直接経費: 4,300千円、間接経費: 1,290千円)
2023年度: 5,720千円 (直接経費: 4,400千円、間接経費: 1,320千円)
2022年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
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キーワード | 地域金融市場 / 信用制度 / 日英対比分析 / 市場経済形成期 / 事例研究 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、市場経済形成期の農村地域金融市場とそれを支える信用構造の特徴と相違について日本と英国とを対比する。市場経済形成期農村の地域金融は、リスク保証機能を多分に市場外部の社会的諸関係に負っていた。日本では社会的共同性(家・同族・村落社会)であり、英国では教会・ギルド・公証人制度等公的な担保保証を担う社会的諸組織であった。既存の研究では、これら農村を対象とした史料や金融データに基づく実証研究は少なく、比較研究もほとんど存在しない。そこで本研究は、日英の事例研究によって実態解明と対比を試みる。新たな地域信用形成史の開拓である。
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研究実績の概要 |
本研究は、市場経済形成期農村社会において成立していた地域金融市場とそれを成り立たせる信用 制度について日本と英国との対比研究をおこない、新たな地域信用形成史を開拓することを目的とする。 まず、データベース作成の基礎作業として、近年急速に発展しているデジタル・ヒストリーの技法を取り入れ、網羅的に日本および英国の公文書館・資料館における蔵書目録を調査し、地域信用に関する文書の総ざらいをし、 モノグラフ・レベルで多角的に農村の地域信用形成を分析するとともに、日本における小口金融の全国的事例の収集と分析を進め、とくにデジタル・アーカイブスを含め各文書館・資料館の目録および自治体史項目を活用することに従事した。他方、本研究の基点調査対象地域として選定してある日本の長野県上田市上塩尻およびイギリスのケンブリッジ州ウィリンガム教区を対比した実証研究である髙橋基泰『村の相伝・日英対比研究編;社会的DNAの検出』(刀水書房、2021年)を刊行し、続いて長谷部弘・髙橋基泰・山内太編著『近世日本における市場経済化と共同性;近世上田藩上塩尻村の総合研究Ⅱ』(刀水書房、2022年)の成果を前提に、海外共同研究者として参画するケンブリッジ大学歴史学部クレイグ・マルドルー教授を2020年度(実施2022年度9月)学術振興会外国人研究者招へい(短期)事業で迎え、滞在中に国際公開シンポジウム・セミナー(2022年9月24日愛媛大学および同年同月28日東洋大学(後藤はる美教授主催)を開催した。その議論をもとに高橋とマルドルーの共同論稿を日本語および英語でそれぞれ公刊している(業績・論文1および2を参照のこと)。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
予定通りにプロジェクトは進行していると判断できるため。
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今後の研究の推進方策 |
昨年度末(3月)に英国出張をし、そのとき地域研究モノグラフのあるシュロップ州ミドル教区において徒弟に関する新史料(The account book of the apprentice in Myddle)を発見している。その史料をもとに論稿をまとめる。それによりイギリスにおける地域信用制度を成り立たせる共同性および地域金融組織についての実証を進める。それとともに上記ケンブリッジ大学クレイグ・マルドルー教授の先導のもとでとくにロンドンの郵便資料館での膨大な未着手史料の分析をおこなう。さらにケンブリッジ大学人口と社会構造の歴史研究グループ(ケンブリッジ・グループ)(所長:Lショー=テイラー博士)の20年来の英国職業データベース(1381年1871年)およびグループのデータ・セットへのアクセスが可能となっている。このデータセットには、1381年からの教会検認遺言書に関するデータも含まれ、地域信用制度の基盤情報をもたらすものである。それにより、ケンブリッジ・グループとの連携のもとに大量データの最大限活用を対比的におこなう。さらに対話型AIの活用により、日英双方の各地域文書館・アーカイブスにおいて現時点でもデジタル化が進む目録・検索・二次文献における関連項目を抽出し、時系列上の広域展開を視覚化させる。
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