研究課題/領域番号 |
23K22141
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補助金の研究課題番号 |
22H00870 (2022-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2022-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分07080:経営学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
長谷川 克也 東京大学, 産学協創推進本部, 特任教授 (20409759)
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研究分担者 |
菅原 岳人 東京大学, 産学協創推進本部, 特任研究員 (20573728)
馬田 隆明 東京大学, 産学協創推進本部, 特任研究員 (20836267)
松井 克文 東京大学, 産学協創推進本部, 特任研究員 (00855942)
牧野 恵美 立命館アジア太平洋大学, 国際経営学部, 准教授 (90706962)
大原 佳奈 (冨田佳奈) 東京大学, 産学協創推進本部, 特任研究員 (90971143)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
16,120千円 (直接経費: 12,400千円、間接経費: 3,720千円)
2024年度: 5,460千円 (直接経費: 4,200千円、間接経費: 1,260千円)
2023年度: 5,460千円 (直接経費: 4,200千円、間接経費: 1,260千円)
2022年度: 5,200千円 (直接経費: 4,000千円、間接経費: 1,200千円)
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キーワード | アントレプレナーシップ / スタートアップ / アントレプレナーシップ教育 / スタートアップ・エコシステム / 起業エコシステム |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、経済発展の源泉となるイノベーションを起こす主体が、大企業における社内組織から、スタートアップや大学を中心として構成されるイノベーション・エコシステムに大きくシフトしている中で、イノベーション・エコシステムの中で重要な位置を占める大学発ベンチャーに焦点を当て、大学発ベンチャーを取り巻く様々なプレイヤーで構成されるエコシステムや大学が提供する支援や教育が、大学から生まれるスタートアップの創出や成長に与える影響を分析して、イノベーション促進のメカニズムを解析しようとするものである。
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研究実績の概要 |
本研究は、大学発ベンチャーを取り巻くエコシステムや大学が提供する支援や教育が、大学から生まれるスタートアップの創出や成長に与える影響を分析して、イノベーション促進のメカニズムを解析しようとするものである。 エコシステムの研究では、日本の大学におけるエコシステムの生成過程を既存の理論的フレームワークと比較検討した結果、単純に地域内の起業数を増やすことがエコシステムの形成や高成長するスタートアップの増加に繋がるわけではなく、時系列で観察すると高成長スタートアップの出現が地域内の起業数増加の呼び水になっているモデルが仮説として浮かび上がった。 学生スタートアップについての研究では、引き続き起業家教育を受講した学生の起業意思や起業家的行動への影響についての研究を進めた。本年度は、経験学習を活用したオンライン起業家教育が起業家的コンピテンシーに与える影響について学会発表すると共に、起業家的コンピテンシーの国際的な評価尺度の日本語訳を行い、日本の大学生に対して調査を行なっている。受講生に対する調査は、受講後に一定期間を経た後の調査も行っており、その分析結果の一旦は、国際シンポジウムや米国中小企業起業家協会(USASBE)の年次大会で発表した。また、スタートアップを題材に用いないアントレプレナーシップ教育のデザインに関して検討を行い学会発表した。 回顧バイアスを軽減し個人間に加え個人内差を分析可能な研究手法として近年研究が進んでいる経験抽出法(ESM)のアントレプレナーシップ研究への応用については、新たな概念的枠組みを構築し、文献レビューの結果を国際ジャーナルに論文投稿した。 また、大学発ベンチャーの与える社会的・経済的影響力が大きくなるのに伴って重要性が増しているアントレプレナーシップの倫理的側面に関する研究にも着手し、今後の研究可能性に関する検討内容を学会発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
大学発ベンチャーを取り巻くエコシステムに関する研究に関しては論文としての成果発表が当初計画より若干遅れ気味であるものの研究分析は順調に進んでおり、学生スタートアップについての研究は、国際学会への発表や論文投稿を進めると共に新たな研究テーマにも着手するなど当初計画以上に研究成果を上げており、総合的には見ておおむね順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
本研究は、経済発展の源泉となるイノベーションを起こす主体が、大企業における社内組織から、スタートアップや大学を中心として構成されるイノベーション・エコシステムに大きくシフトしている中で、イノベーション・エコシステムの中で重要な位置を占める大学発ベンチャーに焦点を当て、大学発ベンチャーを取り巻くエコシステムや大学が提供する支援や教育が、大学から生まれるスタートアップの創出や成長に与える影響を分析しようとするものである。 起業エコシステムの分析については、引き続き一定の詳細データの入手が可能な申請者らの所属する大学の周辺におけるデータおよび各種データベースからの情報を用いて、エコシステムを構成する起業家、投資家、支援者、顧客等との関係性分析を進めるとともに、大学以外のエコシステムについて同様のフレームワークで分析することを試みる。また、前年に着手したアントレプレナーシップの倫理的側面に関する研究も引き続き進める。 学生スタートアップの分析については、引き続きアントレプレナーシップ教育が学生の起業意思や起業家的行動に及ぼす変化や起業家的コンピテンシーの向上に与える影響についての分析を中心にして研究を進めるが、特に受講後に一定期間が過ぎた後の受講生に対するパネル追跡調査から得られる中長期的な教育効果についての分析を進める。起業家的コンピテンシーの国際的評価尺度の日本語訳については、日本の大学生に対する調査結果を分析して尺度としての検証を行なう。 経験抽出法(ESM:Experience Sampling Method)を用いた研究については、新たに構築した概念的枠組みを活用して起業家教育の効果測定と改善方法について具体的に検討する。又、デジタルモノづくりを使った教育事業が、学生とスタートアップエコシステムにどのように影響するかを調査する。
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