研究課題/領域番号 |
23K22165
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補助金の研究課題番号 |
22H00894 (2022-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2022-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分07090:商学関連
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研究機関 | 東京理科大学 |
研究代表者 |
椿 美智子 東京理科大学, 経営学部経営学科, 教授 (20221418)
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研究分担者 |
原 良憲 大阪成蹊大学, データサイエンス学部, 教授 (20437297)
山本 昭二 関西学院大学, 経営戦略研究科, 教授 (80220466)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
17,810千円 (直接経費: 13,700千円、間接経費: 4,110千円)
2024年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2023年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2022年度: 10,660千円 (直接経費: 8,200千円、間接経費: 2,460千円)
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キーワード | Consumer Welll-being / 顧客体験価値 / 感情を伴う顧客行動 / 他者の幸福と自分の幸福 / 顧客サポートマネジメント法 / Consumer Well-being / 心理ロイヤルティ / 進化した共創型サービス / サービス品質向上 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、企業と顧客が価値を共創し、顧客の幸福感の後押しし、Consumer-Wellbeingを導く顧客体験価値を創り出せるサービス情報学的方法論を提案し、方法論の妥当性を検証する。1)大規模データから感情を伴う顧客行動を抽出する方法の開発、2)顧客の感情の背後にある色々なレベルでの幸福感を捉え、顧客の社会属性の変化が他者の幸福感と自分の幸福のバランスを取るようになる条件の抽出、3)個人の幸福感を最適するような化能力の獲得に関するモデルの提示、4)顧客の心の満足が得られる顧客サポートマネジメント法の研究、5)ファネルマネジメントのみを追求することからの脱却の必要性の検証
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研究実績の概要 |
2022年度は、5つのサブテーマの中、1)優れた顧客体験を理解するために、アンケートデータ、顧客購買データ、レビューデータなどから感情を伴う顧客行動を抽出する方法の開発、2)顧客の感情の背後にある様々なレベルでの幸福感を捉え、顧客の社会属性の変化が他者の幸福と自分の幸福のバランスをとるようになる条件の抽出、4)顧客の頭の満足だけではなく心の満足を得られる顧客サポートマネジメント法の研究、5)企業側のファネルマネジメントのみを追求することからの脱却の必要性の検証を行った。 1)2)に関しては、レビューデータから、他者の幸福と自分の幸福に関する感情を伴う顧客行動を抽出する方法を開発した成果「 他者用購入に関する感情テーマの抽出と商品ジャンルとの関係分析」を,第 13 回横幹連合コンファレンス(予稿集, A-4-5, 2022)で発表した。また、4)に関しては、顧客の頭の満足だけではなく、心の満足を得られる顧客サポートマネジメント法の研究の成果「心理ロイヤルティアセスメント(構造化&定量化&考察)手法の改良」を,第 13 回横幹連合コンファレンス(予稿集, A-4-4, 2022)で発表した。 5)更に、5)に関しては、企業側のファネルマネジメントのみを追求することからの脱却の必要性の検証として、進化した価値共創型サービスに関する研究成果「進化した価値共創型サービスとサービスサイエンスを実ビジネスに適用した事例研究」、「進化した共創型サービスにおける顧客と企業との共創・顧客同士の共創に関する考察」、「進化した共創型サービス『顧客と提供者・提供者同士の共創を通し自律的・持続的なサービス品質向上を実現する「コミュニティ循環型サービス運営モデル」』に関する考察」を第 13 回横幹連合コンファレンス(予稿集, A-4-1,A-4-2,Aー4ー3,2022)で発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
5つのサブテーマの中、3)個人の幸福感を最適化するようなモデル化に関しましては、予備調査の条件が整わず、2023年に繰り越しとなり、少し遅れ気味とはなったが、1)優れた顧客体験を理解するために、アンケートデータ、顧客購買データ、レビューデータなどから感情を伴う顧客行動を抽出する方法の開発、2)顧客の感情の背後にある様々なレベルでの幸福感を捉え、顧客の社会属性の変化が他者の幸福と自分の幸福のバランスをとるようになる条件の抽出、4)顧客の頭の満足だけではなく心の満足を得られる顧客サポートマネジメント法の研究、5)企業側のファネルマネジメントのみを追求することからの脱却の必要性の検証の研究に関しては、計画していたよりも、それぞれの研究が順調に進み、学会発表まで進んでいるので、全体としては、おおむね順調に進展していると考えられる。 また、4)に関しては、著書「A New Approach to Resilient Hospitality Management : Lessons and Insights from Kyoto, Japan」が出版されている。 更に、5)に関しては、研究成果「Analysis of Factors Influencing the Choice between Ownership and Sharing: Qualitative and Quantitative Survey Results on Car Sharing Service Users Conducted in Japan」がSustainability, Vol.14, No.19,2022に掲載されている
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今後の研究の推進方策 |
今後、2023年度に関しては、特に、サブテーマの3)個人の幸福感を最適化するようなモデル化に関して、顧客の行動データに関する調査を行い、予測力と説明力を両立させ、解釈可能な機械学習であるShapley additive explanations 及びIndividual Conditional Expectation を用いた分析研究を行っていく。 更に、2)顧客の感情の背後にある様々なレベルでの幸福感を捉え、顧客の社会属性の変化が他者の幸福と自分の幸福のバランスをとるようになる条件の抽出に関しては、フードデリバリーサービスを利用することによる顧客の幸福感について、日本と中国で、アンケート調査を行い、食に関する考え方や習慣が異なる国による国際比較調査を行うという方向に発展を行う。 また、4)顧客の頭の満足だけではなく心の満足を得られる顧客サポートマネジメント法の研究に関しては、統計的人工知能手法であるベイジアンネットワークによる心の満足に効果のある変数の抽出方法と、経営学的な実証に基づく知見の積み重ねから導き出されたドライバーマッピング法を組み合わせることによって、顧客の幸福感や推奨意向が高められることを示す。 さらに、4)に関連して、Z世代の新しい購買行動の調査を行い、新しい時代に求められる心の満足が得られるために、企業側が行わなければならない改善や変容に関する研究、また、メタバースを導入することによる顧客の心理の変化や、メタバースショッピングを行うことによる、購買行動の変化の可能性に関する研究も行い、サブテーマ4)における現代の現象の分析だけではなく、未来の顧客行動の変容の可能性までも研究しようと考えている。
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