研究課題/領域番号 |
23K22199
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補助金の研究課題番号 |
22H00928 (2022-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2022-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分08020:社会福祉学関連
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研究機関 | 東京都立大学 |
研究代表者 |
和気 純子 東京都立大学, 人文科学研究科, 教授 (80239300)
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研究分担者 |
大和 三重 関西学院大学, 人間福祉学部, 教授 (00213900)
VIRAG VIKTOR 日本社会事業大学, 社会福祉学部, 准教授 (10804297)
松尾 加奈 淑徳大学, その他部局等, 准教授 (60727478)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
12,610千円 (直接経費: 9,700千円、間接経費: 2,910千円)
2024年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2022年度: 4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
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キーワード | グローカル・ソーシャルワーク / 多様性 / 文化的コンピテンス / 外国人介護人材 / 多文化共生 / ソーシャルワーク / 地域共生社会 / 外国人介護士 / グローカル |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、グローバル化とローカル化のインターフェースへの介入を図るグローカル・ソーシャルワークの視点と方法により、多文化地域共生社会の構築をめざす実践と教育の在り方を考究するものである。特に、人口減少少子高齢社会の進展する日本で深刻化する人材不足を補うべく、諸外国より来日する外国人介護人材らの生活課題に焦点をあて、彼らの社会的統合や地域共生を図る観点から、彼らが所属する施設や事業所はもとより、社会福祉協議会、NPO、自治体、大学等の教育機関等の多様な機関を視野に入れ、多機関協働による支援を実現するための、グローカル・ソーシャルワークの理論的、実践的、教育的課題と方法論について検討する。
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研究実績の概要 |
本研究は、グローバル化とローカル化の相互作用をふまえ、そのインターフェースへの介入を図るグローカル・ソーシャルワークの視点と方法から、多文化地域共生社会の構築をめざす実践と教育のあり方を考究するものである。 研究初年度である令和4年度は、コロナ禍で疲弊する高齢者施設で勤務する介護職員やソーシャルワーカーらの精神的健康や対処に関わる英国との共同研究を継続し、英文で論文を誌上発表した。本比較研究からは、両国のスタッフは共に一般労働者より精神的健康度が低いこと、また日本のスタッフの全般的な精神的健康度は英国スタッフより低いが、英国スタッフは個人的、業務関連的なバーンアウトが日本のスタッフより高いことが判明した。 さらに、コロナ禍に加えてロシアによるウクライナ侵攻により、数百万人にのぼる国外難民が生まれていることは、人権と生活をまもるソーシャルワークの実践や教育枠組みにも多大な影響を与えている。ウクライナ、イスラエル、スロベニアおよび日本からの識者を招き、「ソーシャルワークと戦争」と題する国際シンポジウムを開催した(日英同時通訳提供)。さらに、国連難民高等弁務官事務所が作成した「高齢避難民への支援」に関する啓蒙書を邦訳し、本研究サイトで公表した。 加えて、外国人介護士をめぐる現状把握にも着手した。国内の支援連機関や外国人留学生を数多く抱える介護福祉専門学校、主要な研究者へのヒアリングを実施したうえで、主な送り出し国であるベトナムを訪問し、4か所の送り出し機関への訪問調査を実施したほか、ベトナム国家大学のソーシャルワーク研究者らと意見交換した。当該研究室が実施している、ベトナム海外技能実習生等へのアンケート調査の概要を確認し(現在、調査が進行中)、今後、共同研究に発展させる予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
日本におけるコロナ禍の制約から年度末にずれ込んだが、ようやく年度末に海外出張が可能となり、最大の介護技能実習生の送り出し国であるベトナムでの現地調査を実施することができた。現地において、関係機関へのヒアリング調査も順調に進み、グローカルな要因形成を含む新たな知見が得られるとともに、ベトナム国家大学の研究者との共同研究が進展する予定である。 現在、技能実習制度が見直しの最中にあり、流動的な部分があるが、日本における人手不足を海外人材によって補うという基本的方針は堅持されていることもあり、引き続き、人権と社会統合を支援するグローカル・ソーシャルワークの視点からの分析を進める。
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今後の研究の推進方策 |
現在、技能実習制度が見直しの最中にあり、流動的な部分があるが、日本における人手不足を海外人材によって補う基本的方針は堅持されていることもあり、引き続き、人権と社会統合を支援するグローカル・ソーシャルワークの視点からの分析を進める。ベトナム国家大学のNyuyen Thi Lan 教授らのグループと外国人労働者・実習生に関する共同研究をすすめ、オンラインか対面で公開研究会を実施する予定である さらに、令和5年度は、文化的コンピテンスの概念の検討と測定尺度の開発をめざす。先行研究のレビューから、日本の現状に適合する尺度案を開発し、高齢者施設での実査を予定する。また、外国人介護士および/または日本人受入れスタッフ等を対象とする多文化共生に関わる研修の枠組みを検討し、試験的な実施を試みる。
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