研究課題/領域番号 |
23K22242
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補助金の研究課題番号 |
22H00971 (2022-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2022-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09010:教育学関連
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
古賀 徹 日本大学, 通信教育部, 教授 (90297755)
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研究分担者 |
香川 七海 日本大学, 法学部, 准教授 (20816368)
冨士原 雅弘 日本大学, 国際関係学部, 教授 (30339238)
中澤 瞳 (齋藤瞳) 日本大学, 通信教育部, 准教授 (30756010)
松嶋 哲哉 埼玉学園大学, 人間学部, 講師 (30983077)
高木 加奈絵 流通経済大学, 法学部, 助教 (50880978)
布村 育子 国立音楽大学, 音楽学部, 教授 (70438901)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
15,080千円 (直接経費: 11,600千円、間接経費: 3,480千円)
2025年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2024年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2023年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
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キーワード | 戦後教育改革期の研究 / 政党・文部省・教員団体 / 労働運動 / 日本教職員組合 / 教員の政治的中立問題 / 史料のデジタル化 / 教員の政治的中立の問題 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、戦後教育改革期(1950年代までを中心とする)における主要なアクターとして、(A)政党(自由党・改進党―自由民主党、日本社会党、日本共産党、ほか)、(B)文部省(講壇派、官僚派)、(C)教職員団体(日本教育会、日本教職員組合、日本教育者連盟ほか)の三者間関係に焦点を当てる。この3種類のアクターの「一次史料」群を突き合わせていくことで、多種多様なアクターが相互にどう協議や対話、交渉や妥協を行ったのか、そしてその結果、どういう選択肢が消え、どういう選択肢が残ることとなったのかを明らかにする。このことにより戦後教育史研究の再構築が可能となる。
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研究実績の概要 |
1945年から1950年代にかけての戦後教育改革期における政官民(政党・文部省・教員関連団体)の三者間関係に注目して分析を進めることで、戦後日本の教育発展の歴史をとらえ直すことが主な研究目的となっている。そこで分析の対象として、①講和問題(1949年~1952年)、②教育の政治的中立(1953年~1954年)、③教員の勤務評定(1956年~1959年)の3つの事件に焦点を当てた。 ①については「平和運動」「平和教育」について分析を進め、研究会で関連する資料を突き合わせながら議論を行い、研究分担者のチームごとに考察を進めている。②③については関連する文献を集めて、当時の労働運動全体における「教員組織(集団)」の位置づけを労働運動史および政治史の観点から検討を進めている。この点については3年目・4年目にその成果を公表していきたい。とくに③については他の科研費グループと資料や専門家に関する情報交換を行うなど、横断的な方法もとっている。共同開催の形で研究会・研究発表の機会をつくり、運営してきた。 資料の収集およびデジタル化について、(A)政治家・政党関係史料、(B)官僚・文部省関係史料の基礎資料の整理と(C)教職員組織関係史料の探索および撮影、そして撮影のみならず「史料」としての目録化を行っている。とくに(C)史料については、日本教職員組合の所蔵資料(未公開)の史料群を確認しながら、この時期の研究資料として必要なものを選び、許可を得て撮影している。戦後教育史や政治運動史に関する極めて貴重な史料だと考えている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
1年目にはコロナ禍や諸事情により史料の探索と研究会の運営に遅滞が生じることとなったが、2年目には史料のデジタル化撮影スケジュール(作業工程)を早めに設定して、また戦後史関連資料を所蔵する機関の閲覧・取材の作業も4月当初からスタートすることができた。デジタル化については、対象とする時期の日教組内文書のみでなく、当時の政治関連記事をまとめて撮影・記録することができた(実績概要の②③に反映させていくことができる)。また、1955年結成の団体(国民文化会議)の執行部にいた人物の聞き取り調査(インタビュー)を行い、その音声データの文字起こしをし「オーラルヒストリー」資料としてまとめることができた。資料の目録化も含めて成果報告書を2冊まとめることもできた。他の科研費グループと共同開催で研究会を実施して、資料の情報共有とともに研究方法や視点への示唆が得られるように進めることができた。
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今後の研究の推進方策 |
3年目は「1950年代に関する教育史研究者」をゲストスピーカーとして招聘して教育史研究として深めていくことと、「史料ベースの検討会」(研究会)を定期的に開催することで(4年間の研究スケジュールであるので)後半を効率よく進めていく舵取りを行いたい。 ①講和問題(平和教育)のテーマは進んでいるので、これに政治過程の文脈を加えて、さらに②政治的中立という教員の立ち位置が固定されていく問題と、③勤務評定の問題を論文として著していく作業に進めていく。 デジタル化も前年同様のペースで進めていく。またすでにデジタル化した資料の活用方法として「公文書綴」という資料群の評価を行う。またこのデジタル化したものの公表の在り方についても検討していく。インタビューおよび報告書の作成も前年度と同程度を予定している。また、労働運動の「会場」としての学校など施設という観点からデータ集積も進めていく。
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