研究課題/領域番号 |
23K22257
|
補助金の研究課題番号 |
22H00986 (2022-2023)
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2022-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09030:子ども学および保育学関連
|
研究機関 | 大阪大学 (2024) 京都大学 (2022-2023) |
研究代表者 |
木村 亮 大阪大学, 大学院連合小児発達学研究科, 教授 (20636641)
|
研究分担者 |
平井 真洋 名古屋大学, 情報学研究科, 准教授 (60422375)
井上 亮 摂南大学, 農学部, 教授 (70443926)
加藤 寿宏 関西医科大学, リハビリテーション学部, 教授 (80214386)
|
研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
|
配分額 *注記 |
17,420千円 (直接経費: 13,400千円、間接経費: 4,020千円)
2024年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 6,240千円 (直接経費: 4,800千円、間接経費: 1,440千円)
2022年度: 7,020千円 (直接経費: 5,400千円、間接経費: 1,620千円)
|
キーワード | ウィリアムズ症候群 / 自閉スペクトラム症 / 生物学的年齢 / エピゲノム / マイクロバイオーム / 社会認知 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は、腸内細菌叢を介したDNAメチル化変化から「生物学的年齢」を算出し、自閉スペクトラム症やそれとは逆の高い社交性を呈す るウィリアムズ症候群について、発達段階に応じた社会性や認知行動特性を精密に評価することである。これら神経発達症では、症状の個人差 が大きく、発達に応じた社会性や認知特性との関係は明らかになっていない。本研究では、被検者検体を使って、腸内細菌叢に関連したDNAメ チル化変化を基に「生物学的年齢」を算出し、問診や質問紙、視線・身体活動計測を組み合わせ、発達と社会認知行動特性との関係を明らかに する。本研究の結果は、介入や支援の客観化による特性改善へ発展することが期待される。
|
研究実績の概要 |
自閉スペクトラム症(ASD)は近年増加が著しく、学習・就労の場で困難を抱えている。その症状は他者とコミュニケーションがうまくとれないといった社会性の低下であるが、客観的な指標が乏しく、各個人に応じた支援への妨げとなっていた。これまでは、誕生からの時間で定められた「暦年齢」をもとに支援が進められてきたが、発達プロセスは、遺伝・環境要因 の相互作用の影響を受けるため、個人差が大きく、「暦年齢」だけでは正確に特性を捉えることが困難である。環境要因により遺伝子の働きが調節される仕組みをエピジェネティクスとよび、その代表であるDNAメチル化が近年、発達プロセスの個人差に重要な役割を果たすことが明らかになってきた。しかし、ASDなどの神経発達症では、発達に伴って社会性や認知行動特性がどのように変化するか、十分に明らかになっていない。 近年、ASDなどの神経発達症では腸内細菌叢組成が異なるという知見が集まってきたが、免疫系や代謝系など腸と脳をつなぐ経路を探す研究が盛んだが、その多くは動物モデルを用いており、まだ機序は十分に明らかになっていない。さらに神経発達症患者の腸内細菌叢と、そのDNAメチル化変化との関連については明らかになっていない。 本研究の目的は、腸内細菌叢を介したDNAメチル化変化から「生物学的年齢」を算出し、自閉スペクトラム症やそれとは逆の高い社交性を呈するウィリアムズ症候群について、発達段階に応じた社会性や認知行動特性を精密に評価することである。そこで本研究では、被検者検体を使って、腸内細菌叢に関連したDNAメチル化変化を基に「生物学的年齢」を算出し、問診や質問紙、視線・身体活動計測を組み合わせることにより、発達と社会認知行動特性との関係を明らかにする。本研究の結果は、介入や支援の客観化による特性改善へ発展することが期待される。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究では、研究分担者や研究協力者とともに、臨床検体の回収と被験者の特性評価、末梢血や便から抽出した核酸を用いた解析等を実施する。本年度は、被験者のリクルートと検体回収を終え、質問紙データの解析と採取した検体のDNA抽出および品質確認に着手する予定であった。しかし、新型コロナウイルス感染症の感染拡大による影響に伴い、研究協力機関における感染症拡大防止の観点に基づく方針により研究活動が制限され、被験者のリクルートと検体の回収が必要数に達することができず、研究進捗に遅れた生じた。そのため、研究延長申請が承認され、2023年度も引き続き研究継続することとなった。
|
今後の研究の推進方策 |
引き続き、研究分担者、研究協力者とともに被験者のリクルートと臨床症状評価を進める。具体的には、質問紙に用いた精神症状評価、社会認知行動特性評価、食事調査等を実施する。検体収集が検体収集が目標数に達した段階で、腸内細菌叢解析やDNAメチル化解析の実施に向けて、核酸の抽出と品質評価を実施する。とくにウィリアムズ症候群については、研究協力者とともに専門外来を介して継続的に研究が展開できる基盤を構築する。
|