研究課題/領域番号 |
23K22258
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補助金の研究課題番号 |
22H00987 (2022-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2022-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09030:子ども学および保育学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
谷池 雅子 大阪大学, 大学院連合小児発達学研究科, 特任教授(常勤) (30263289)
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研究分担者 |
村田 絵美 大阪大学, 大学院連合小児発達学研究科, 特任助教(常勤) (30815824)
斉藤 まなぶ 弘前大学, 保健学研究科, 教授 (40568846)
大野 ゆう子 大阪大学, 大学院基礎工学研究科, 特任教授(常勤) (60183026)
下野 九理子 大阪大学, 大学院連合小児発達学研究科, 准教授 (60403185)
岩谷 祥子 大阪大学, 大学院連合小児発達学研究科, 助教 (60724903)
毛利 育子 大阪大学, 大学院連合小児発達学研究科, 准教授 (70399351)
吉崎 亜里香 大阪大学, 大学院連合小児発達学研究科, 助教 (90600552)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
17,810千円 (直接経費: 13,700千円、間接経費: 4,110千円)
2024年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2023年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 10,660千円 (直接経費: 8,200千円、間接経費: 2,460千円)
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キーワード | 子どもの睡眠 / アプリ / 発達 / AI化 / 小児睡眠 / 遠隔指導 / 神経発達 / 睡眠教育 / 双方向性アプリ / メディア教育 / 子育て支援 |
研究開始時の研究の概要 |
幼児期の睡眠の問題は後年の多動衝動性や情緒障害のリスクを上げると報告されているが、日本の子供の睡眠時間は世界一短い。小児睡眠の専門家は希少であるため、遠隔で家庭に沿った指導ができるシステムとして双方向性睡眠啓発アプリ”ねんねナビ”を開発し、睡眠習慣変容、養育者支援における有効性を確認した。このシステムを幼児の睡眠に課題がある多くの家庭で使えるようにするため、従来は専門家がマニュアルで行っていたアドバイス・コメント選択を自動化し、その有効性を社会実装にて確認する。同時に、このアプリを用いて睡眠習慣が改善した子どもの発達・行動・脳波コヒーレンス等の変化を調べ、睡眠習慣改善のエビデンスを確立する。
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研究実績の概要 |
幼少期の睡眠不良は、後年の多動衝動性等の精神・発達上の問題のリスクとなると報告されている。申請者は、家庭にいながらにして専門的なアドバイスを受けることができる双方向性睡眠啓発アプリ「ねんねナビ」を開発し、高いコンプライアンスと睡眠習慣改善における有効性を確認した。このアプリをより多くの家庭で活用するため、アドバイス選択のAI化と睡眠習慣改善、発達促進および神経発達症予防における有効性を証明し、睡眠習慣の改善が脳に及ぼす影響の可視化に取り組む。 1. アプリのAI化:マニュアル選択のルールを作成した。さらに、ウェブ調査で収集してクリーニングを終了した2,000以上の乳幼児の生活習慣データと、その生活習慣に対してマニュアルで選択したアドバイスのペアを用いた深層学習を行った。両者を併用することにより自動化を進めた。 2. AI化されたアプリを用いた弘前市における睡眠介入:1歳半、3歳、5歳時にASDやADHDのスクリーニングを行っている弘前市において、1歳半時に睡眠に問題があると判定された子どもで、同意を得た養育者24名をリクルートし、AI化された「ねんねナビ」を用いて半年間の介入を行っている。6ヶ月の介入直後のprimary outcomeとしては、ドロップアウト率を用いる。 3. 睡眠改善に対応する行動・発達・脳波の変化についての前向き研究:睡眠習慣の変容と行動・発達・脳波の変化をprimary outcomeとする。1歳半-2歳の子どもをリクルートし、研究参加後に睡眠に関連する生活習慣について「ねんねナビ」を用いて入力を依頼した。睡眠良好群25名、睡眠不良群60名、合計85名のリクルートを目指す。睡眠が不良と判定された子どもに対しては、ねんねナビによる半年間の介入を行う。介入前後の睡眠習慣、発達・行動の評価、脳波(事象関連電位含む)、視線計測を行なった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
1. アプリのAI化:マニュアル選択のルールを作成し、深層学習を併用して自動化を進める予定としていたが、実際の深層学習により選択されたアドバイスが、実用に耐えるものになるまでにはルールを確認して5回の修正が必要であり、予定外の3ヶ月を要した。さらに、当初の計画から漏れていたことであるが、利用者への送信コメント作成をルールベースで行うために2ヶ月を要した。 2. AI化されたアプリを用いた弘前市における睡眠介入については、コロナ感染症による影響で健診でのリクルートが滞ったことがあり、目標の50名に達しなかった。一方で、同じくAI化したアプリを用いて和歌山県すさみ町でトライアルを行うことができた。 3. 睡眠改善に対応する行動・発達・脳波の変化についての前向き研究については、目標の85名を超える86名をリクルートできた。解析も順調に進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
1. アプリのAI化:実際にAI化アプリを社会実装している弘前市やその他トライアルを行っている複数の自治体の利用者からのフィードバックを元に、更なる改良を行う。 2. AI化されたアプリを用いた弘前市における睡眠介入については、コロナ感染症による影響の低下により、リクルート数の増加が見込まれる。また同市において市民向け睡眠啓発講演会も行い、アプリの周知を行うことにより、更なるリクルート数の増加を目指す。 3. 睡眠改善に対応する行動・発達・脳波の変化についての前向き研究については、目標の85名を超える86名をリクルートできた。まずは介入前の睡眠習慣と社会性発達や脳波コヒーレンス解析の相関について優先的に分析し、論文化する。
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