研究課題/領域番号 |
23K22269
|
補助金の研究課題番号 |
22H00998 (2022-2023)
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2022-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09040:教科教育学および初等中等教育学関連
|
研究機関 | 山形大学 |
研究代表者 |
佐川 馨 山形大学, 地域教育文化学部, 教授 (40400519)
|
研究分担者 |
宮崎 昭 立正大学, 心理学研究所, 客員研究員 (60219756)
土井 敬真 山形大学, 地域教育文化学部, 准教授 (50711272)
大村 一史 山形大学, 地域教育文化学部, 教授 (90431634)
|
研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
|
配分額 *注記 |
7,020千円 (直接経費: 5,400千円、間接経費: 1,620千円)
2025年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2022年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
|
キーワード | 特別支援教育 / 音楽療法 / 音楽科教育 / 療法的音楽活動 / 音楽教育 / 音楽療法的アプローチ |
研究開始時の研究の概要 |
音楽に内在する療法的機能に着目し、その特性を生かした「療法的視点からの音楽教育プログラム」を開発し、実践をする。研究にあたっては音楽教育、臨床心理、特別支援教育の三分野の研究者が連携協働し、特別支援教育における音楽指導の充実を図るとともに障害のある幼児児童生徒の自立と社会参加に資することを目指す。 ⅰ)「療法的視点からの音楽教育プログラム」と「評価スケール」の開発、ⅱ)指導法・教材・教具等のライブラリ設置とオンライン公開、ⅲ)ライブラリを活用したレファレンスサービス、ⅳ)ライブラリを活用した特別支援学校及等における教育実践、ⅴ)ライブラリを活用した大学の教員養成課程における授業実践。
|
研究実績の概要 |
本研究の目的は、音楽に内在する療法的機能に着目し、その特性を生かした「療法的視点からの音楽教育プログラム」を開発、実践をすることである。研究にあたっては音楽教育、臨床心理、特別支援教育の研究者と特別支援教育の実践者が連携協働し、五つの取り組みを通して特別支援教育における音楽指導の充実を図るとともに障害のある幼児児童生徒の自立と社会参加に資することを目指す。 五つの取り組みは、ⅰ)「療法的視点からの音楽教育プログラム」と「評価スケール」の開発、ⅱ)開発したプログラムの関連資料のライブラリの設置とオンライン公開、ⅲ)ライブラリの資料を活用したレファレンスサービス、ⅳ)ライブラリの資料を活用した特別支援学校等での教育実践、ⅴ)ライブラリの資料を活用した大学の教員養成課程における授業実践である。 研究初年度となる2022年は、①先行研究及び関連の文献の調査と分析、②特別支援教育の実状を把握するための学校教員への聞き取り調査、③音楽評価スケールの開発、④楽器・音具の開発、⑤療法的視点からの音楽教育プログラムのための音遊びの開発に取り組んだ。 その結果、①については、関連する学会の論文等の考察によって特別支援教育における音楽教育実践についての基礎的な知見を得ることができた。②によって、文献からは得ることができない指導の実際について確認することができた。特に障害の内容が異なる場合の指導の工夫が参考になった。③については関連する学会で成果を発表したが、学校現場で用いる観点別評価との兼ね合いが課題である。④については「いろいろな音のおもちゃ箱」を製作した。⑤音遊びの開発が一定程度進んだが、ライブラリの開発に向けては充分な量とはいえないため、今年度の重点課題として取り組む必要がある。また、指導法、教具とパッケージ化したものを作成する必要がある。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
①「療法的視点からの音楽教育プログラム」については、一定数の音遊びの開発と試験的実践を踏まえた教材性の検証が進みつつある。しかし、関連する「音楽評価スケール」については、特別支援を要する子供たちへの専門的音楽指導という視点からは有効性が認められたものの、学校教育で用いるためには実状を踏まえた方法を検討する必要がある。 ②次年度は、音遊び及び関連する楽器・音具の開発と指導法の検討を進めて計画以上の成果を生み出すよう努力したい。 ③開発した教材をライブラリとして公開する準備を進めるとともに、特別支援学校等への資料提供のために学校現場と連携を図りながら指導法の検討をする必要がある。
|
今後の研究の推進方策 |
【療法的音楽教育プログラムの開発】は、高等学校の音楽教科書執筆及び学習指導要領を踏まえた学習評価及び教科教育の研究実績がある佐川の知見を活かすと共に、県内の特別支援学校における研究支援の実績がある大村による実態調査に基づき、現場の指導内容や教員のニーズを踏まえたものが開発可能である。プログラムの実施にあたっては、アジェンダやまがたの児玉が開発した色音符音階、木製単音木琴、音楽テキストを活用する。また、鍵盤対応プロジェクションマッピングアプリ「PMP」を開発した児玉の知見を活用し、電子楽譜及び教材開発も試みる。 【評価スケールの開発】は、児玉、宮﨑、佐川が子どもの音楽能力を測定・開発した音楽能力評価スケールがあり、さらに内容を精査しながら音楽技能の精密な測定に加えて、宮﨑が行動特徴の分析方法を検討し、領域「自立活動」に繋がる評価スケールを開発する。また、音楽技能及び行動特徴の観察測定にあたっては、県内の特別支援学校小学部・中学部・高等部の音楽授業及び認定特定非営利活動法人アジェンダやまがた障がい児支援事業から協力を得て進める。 【ライブラリの設置と運営】については、佐川のこれまでの科研費研究の研究成果を応用して取り組む。また、【特別支援学校における教育実践】及び【教員養成課程における授業実践】については、大村の県内特別支援学校との連携実績、また児玉の特別支援教育関連組織との連携実績を生かしながら研究を進めていく。
|